「AIを自分のパソコンの中だけで動かしてみたい」と思って調べると、必ず出てくるのがLM StudioとOllamaという2つの名前です。どちらもローカルAIの定番として紹介されますが、説明を読み比べても違いがつかみにくいですよね。
先に結論を言うと、2つの一番大きな違いは操作のしかたです。LM Studioはアプリの画面をマウスで操作するタイプ、Ollamaはコマンドを打ち込んで動かすタイプ。この軸さえ押さえれば、自分に合うほうはすぐ決まります。
この記事では2026年8月時点の公式サイト・公式ドキュメントを確認しながら、違い・料金・対応OS・必要なPCスペックまで整理します。「自分のパソコンで動くのか」も、公式が示す条件で線を引いていきます。
初めてローカルAIを触るならLM Studio、開発ツールとつなぎたいならOllamaが選びやすいです。
- 違いの中心は操作方法。LM Studioは画面で完結、Ollamaはコマンド1行で起動(デスクトップアプリもある)
- 公式が示す目安は、LM StudioがRAM 16GB・専用VRAM 4GB以上を推奨、OllamaはNVIDIAならcompute capability 5.0以上+ドライバ550以降
- どちらも無料で試せる範囲がある。快適さを決めるのはツールの差より、PCのVRAMとメモリ
LM StudioとOllamaの違いは?結論は「初めてならLM Studio」
LM Studioとは、ダウンロードしたAIモデルを自分のパソコンの中で動かすためのデスクトップアプリです。公式サイトは「Natively local.(もともとローカルで動く)」と紹介し、ローカル処理の音声文字起こしなどもアプリ内でできると説明しています(2026年8月時点)。
一方のOllamaとは、コマンドでAIモデルを取得して動かすためのツールです。公式サイトは「オープンモデルをコーディングエージェントと一緒に使える」点を前面に出しており、開発ツールとつなぐ用途が想定の中心にあります。
この2つを分けているのが操作方法です。マウスでボタンや一覧を操作する方式をGUI、キーボードで命令文を打ち込む方式をCLIと呼びます。LM StudioはGUI中心、OllamaはCLI中心——ここが選択の分かれ目になります。
よくある疑問:ツールが違うと、使えるAIの賢さも変わるの?
賢さを決めるのは、ツールではなく読み込ませるモデルそのものです。どちらも公開されているオープンモデルを動かす「入れ物」なので、同じモデルを選べば土台は近くなります。差が出るのは使い勝手と、つなげる先です。
| 比較項目 | LM Studio | Ollama |
|---|---|---|
| 操作方法 | アプリの画面で操作(GUI中心) | コマンドで操作(CLI中心)。デスクトップアプリもあり |
| 対応OS | Windows / macOS / Linux | macOS / Windows / Linux |
| モデルの入手 | アプリ内のDiscoverタブで探してダウンロード | ターミナルでモデル名を指定して実行 |
| 外部ツール連携 | MCPサーバーの接続に対応(公式ドキュメントに手順あり) | コーディングエージェントとの接続を公式が前面に出す |
| 料金の考え方 | 個人のローカル利用は無料枠。クラウド推論は従量課金 | ローカル利用に加えクラウドモデルあり(要アカウント) |
| 向いている人 | まず画面でAIを触ってみたい人 | コマンドに抵抗がなく開発ツールとつなぎたい人 |

迷ったら、まずLM Studioを入れてみるのが安全です。画面を見ながら進められるので、途中で何が起きているか分かりやすいですよ。
LM Studioとは?公式が示す動作環境と料金
LM Studioの使い方は、アプリを入れたあと「探す→読み込む→話す」の3ステップで完結します。ターミナルを開く場面はありません。
一覧から選ぶか、検索語を入れて目当てのモデルを探し、そのままダウンロードします。公式ドキュメントは、手元で動かすモデルの例としてQwen・Mistral・Gemma・gpt-ossを挙げています(2026年8月時点)。
画面上部のモデルローダーから、ダウンロードしたモデルを選んで読み込みます。公式は「モデルの読み込みは通常メモリの確保を伴う」と説明しており、ここでパソコンの空きメモリが使われます。
あとは普段のチャットAIと同じように入力するだけです。手元のパソコンだけで処理が進みます。
外部ツールと組み合わせたい場合も道はあります。公式ドキュメントによると、LM Studioはバージョン0.3.17以降MCPサーバーを接続できるホストとして動作し、ローカル・リモート双方のMCPサーバーに対応しています(2026年8月時点)。
ただしMCPサーバーは配布元によっては任意のコードを実行できるため、信頼できない配布元のものは入れないでください。公式ドキュメントも同じ注意を明記しています。
対応OSと動作環境(公式の記載)
LM Studioは公式の動作環境ページで、OSごとの条件をはっきり書いています。特にmacOSの条件は見落としやすいので、購入や導入の前に確認しておきたいところです。
| OS | 公式が示す条件(2026年8月時点) |
|---|---|
| Windows | x64はAVX2への対応が必須。ARM版(Snapdragon X Elite)にも対応 |
| macOS | Apple Silicon(M1/M2/M3/M4)向け。macOS 14.0以降が必要。Intel Macは現時点で非対応 |
| Linux | x64とARM64に対応。Ubuntu 20.04以降が必要。AppImage形式で配布 |
| メモリ・GPU | RAMは16GB以上を推奨、GPUは専用VRAM 4GB以上を推奨 |
表のAVX2(=CPUが持つ計算機能のひとつ。10年以上前のCPUだと非対応のことがある)は、Windowsのx64版で必須とされている項目です。古いノートPCで起動しない場合は、ここが原因のことがあります。
macOS側は「16GB以上のRAMを推奨」としつつ、小さいモデルなら8GBのMacでも動く場合があるという書き方です。Linuxの配布はAppImage(=1ファイルのまま実行できる形式)で、導入の手間が少なく済みます。
料金は「ローカルは無料枠、クラウドは従量課金」
公式の料金ページは、個人が自分のパソコンでモデルや音声文字起こしを使う範囲について「データが端末の外に出ることはない」と説明し、無料で使える枠を示しています。ここが「ローカルAIは無料」と言われる部分です。
ただし2026年8月時点のLM Studioは、それだけではありません。同じページにはクラウド側で動かす推論のトークン単価も並んでおり、たとえばGLM-5.3-Flashは100万トークンあたり入力0.15ドル・出力0.50ドル、Kimi K3は入力3.00ドル・出力15.00ドルと書かれています。
業務向けの「Bionic Pass」は、公式ページに価格とプラン詳細は近日公開と書かれている段階です。金額が未確定なので、法人利用を考えているなら公式の告知を待つことになります。
Ollamaとは?対応OS・GPU要件とデスクトップアプリ
Ollamaの魅力は手数の少なさです。公式のクイックスタートでは、ターミナルで ollama run gemma4 のようにモデル名を指定するだけで、取得から会話開始まで進むと説明されています。対応OSは「macOS、Windows、Linux」と明記されています。
「Ollamaは黒い画面だけ」というイメージを持っている方もいますが、これは今の姿とは少しずれています。公式ブログ(2025年7月30日付)でmacOS/Windows向けのデスクトップアプリが発表済みで、画面からモデルを選んで会話できるようになりました。
このアプリはファイルのドラッグ&ドロップに対応し、文章やPDFを読ませる使い方ができると案内されています。画像を扱えるモデル(公式はGoogle DeepMindのGemma 3などを挙げています)なら画像も送れます。
GPU要件は公式の対応表がはっきりしている
Ollamaは、どのGPUなら処理を任せられるかを公式ドキュメントで具体的に示しています。自分のグラボが対象かどうかを事前に判断できるのは、PCを選ぶ側にはありがたい情報です。
| GPUの種類 | 公式が示す条件(2026年8月時点) |
|---|---|
| NVIDIA | compute capability 5.0以上、かつドライバ550以降。5.0〜6.2の世代は570以降が必要 |
| AMD | LinuxはROCm v7ドライバ、WindowsはROCm v7/HIP7対応のドライバ環境 |
| Apple | Metal APIによるGPU支援に対応 |
| Windows / Linuxの追加対応 | Vulkanによる支援。バックエンドを入れると既定で有効 |
compute capabilityはNVIDIAがGPUの世代・機能を示すために付けている番号です。公式の対応表は5.0のGTX 750 Tiから12.1のGB10 DGX Sparkまで並んでおり、そこそこ古いグラボでも対象に入っていることが分かります。ドライバのバージョン条件のほうが、実際にはつまずきやすいポイントです。
クラウドモデルもある=「必ずローカル」ではない
Ollamaにもクラウド側で動かす選択肢があります。公式ドキュメントは、クラウドモデルは高性能なGPUがなくても動き、処理は自動的にOllamaのクラウドへ回されると説明しています。手元のツールはそのままに、パソコンに載らない大きなモデルを使う、という位置づけです。
利用にはollama.comのアカウントとサインインが必要です。逆に、クラウド機能を無効にしてローカルだけで動かすモードにできる、とも書かれています。
クラウドの機能を使った時点で、入力した内容は自分のパソコンの外へ送られます。社外秘の資料や個人情報を扱うなら、ローカル専用の設定で使うかどうかを最初に決めておくと安心です。



「ローカルAI=ずっと無料でオフライン」というのは、2026年時点だと少し古い前提になってきました。どちらのツールもクラウド側の選択肢を持っています。
どっちを選ぶ?タイプ別の判断軸
ここまでの内容を、読者のタイプ別に整理します。「何をしたいか」で選べば、まず外しません。
| こんな人 | 向いているのは | 理由 |
|---|---|---|
| とにかく一度ローカルAIを体験したい | LM Studio | 探す・読み込む・話すが全部アプリの画面で完結する |
| ターミナルは開きたくない | LM Studio | 通常の操作でコマンド入力の場面がない |
| 音声の文字起こしも手元で試したい | LM Studio | 公式がローカル処理の音声文字起こしを機能として挙げている |
| コーディングエージェントとつなぎたい | Ollama | 公式が開発ツールとの接続を主要な用途として案内している |
| コマンド1行で手早く動かしたい | Ollama | モデル名を指定するだけで取得と実行が進む |
| PDFや画像も投げてみたい | どちらでも可 | Ollamaはデスクトップアプリでファイルのドラッグ&ドロップに対応 |
迷ったときは、両方入れて試してもかまいません。どちらも自分のパソコンで動かす範囲は無料で始められますし、同居させても目的が違うので使い分けができます。合わなかったほうを消せばいいだけです。
なお、「どちらが速いか」という比較をよく見かけますが、この記事では速度の検証はしていません。体感速度は使うモデルの大きさ、GPUのVRAM、メモリ量で大きく変わるため、ツール名だけで速い・遅いを判断しないほうが確実です。
自分のPCで動く?必要なPCスペックの考え方
ツール選びより結果に響くのが、パソコン側の余力です。まずは公式が出している数字を基準にしましょう。LM StudioはRAM 16GB以上・専用VRAM 4GB以上を推奨、OllamaはNVIDIAならcompute capability 5.0以上とドライバ550以降が条件でした。
よくある疑問:グラフィックボードが無いノートPCでも動くの?
公式の書きぶりを見るかぎり、動くこと自体は否定されていません。Ollamaの公式ドキュメントには、GPUを見つけられなかった場合にCPUでの実行へ切り替わる挙動や、設定でCPU実行を選べることが書かれています。LM Studioの専用VRAM 4GB以上も、必須ではなく「推奨」という表現です。
ただし「動く」と「快適に使える」は別の話です。CPUだけで大きなモデルを動かすと返答が出てくるまで待たされます。実用の分かれ目になりやすいのがVRAMで、モデルをまるごとGPUに載せられるかどうかで体感が変わります。
- メモリ(RAM):16GBが出発点。ブラウザや他のアプリと同時に使うなら余裕が欲しい
- VRAM:載せたいモデルのサイズで決まる。足りないと処理がCPU側に回って遅くなる
- ストレージ:モデルは1つで数GB規模。試すほど容量を消費する
モデルのサイズごとの目安はローカルLLMに必要なVRAMは何GB?モデル別の目安とGPUの選び方で詳しくまとめています。VRAMが足りないときの現実的な逃げ道が、モデルを軽くする量子化です。そもそもローカルLLMとは何かから知りたい方はローカルLLMとは?自分のPCでAIを動かす方法と必要スペックを解説から読むと流れがつかめます。
これから買うなら、AI用途はGPUのVRAM容量を最優先に見るのが分かりやすい選び方です。ゲーム目的で選ぶときと基準がずれる点だけ、頭に入れておくと失敗しにくくなります。
\GPUの種類から選べる/
まとめ
LM StudioとOllamaは、どちらが優れているという関係ではなく、入り口の形が違う2つのツールです。最後に要点を整理します。
- LM Studio:画面で完結するアプリ型。初めての1本目に選びやすい
- Ollama:コマンド1行で動く軽快さと、開発ツールとの接続が持ち味。デスクトップアプリもある
- 動作条件:LM StudioはAVX2・macOS 14.0以降・Apple Silicon限定などOSごとに明記あり。OllamaはGPU対応表とドライバ条件が公開されている
- 料金:ローカル利用は無料で始められるが、両方ともクラウド側の有料・要アカウントの選択肢を持つ
次の一歩は、手持ちのパソコンのメモリとVRAMを確認することです。条件を満たしていれば、あとは好みの操作方法で選ぶだけ。満たしていなければ、小さめのモデルから試すかGPUの買い替えを検討する流れになります。
ここで触れた動作環境・料金・GPU対応表は、いずれも2026年8月時点で公式サイトと公式ドキュメントに記載されていた内容です。更新が速い分野なので、導入前に最新の情報を公式サイトで確認してください。



どちらを選んでも、AIとのやり取りが手元で完結する感覚はなかなか新鮮です。まずは小さいモデルで一度動かしてみてください。
- LM StudioとOllamaは同じパソコンに両方入れても大丈夫ですか?
-
用途が違うツールなので、両方入れて使い分けている人もいます。気をつけたいのは容量で、モデルは1つで数GB規模になります。同じモデルをそれぞれで持つと、その分ストレージを消費する点だけ意識しておくとよいです。
- Intel MacでLM Studioは使えますか?
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公式の動作環境ページには、対象はApple Silicon(M1/M2/M3/M4)で、macOS 14.0以降が必要と書かれています。Intel Macは現時点で非対応と明記されているため、Intel Macをお使いの場合は別の方法を検討することになります(2026年8月時点)。
- グラフィックボードが無いパソコンでも動きますか?
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Ollamaの公式ドキュメントには、GPUを認識できないときにCPUでの実行へ切り替わる挙動が書かれています。LM Studioの専用VRAM 4GB以上も「推奨」という表現です。ただし返答までの待ち時間は長くなりやすいので、小さめのモデルから試すのが現実的です。
- ローカルで使えば料金はまったくかかりませんか?
-
自分のパソコンで動かす範囲は無料で始められます。一方でLM Studioにはクラウド推論のトークン従量課金があり、Ollamaにもアカウントが必要なクラウドモデルがあります。クラウド側の機能を使うかどうかで話が変わるので、料金は公式サイトで確認してください。
- Ollamaはコマンドが使えないと無理ですか?
-
今は必須ではありません。公式ブログ(2025年7月30日付)でmacOS/Windows向けのデスクトップアプリが発表されており、画面からモデルを選んで会話したり、ファイルをドラッグ&ドロップで読ませたりできます。とはいえ本領はコマンドと開発ツール連携にあります。
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