NVIDIAの画質向上機能「DLSS 4.5 Ray Reconstruction(レイリコンストラクション)」の提供が、2026年8月26日に始まりました。レイトレーシングを使ったゲームの映像を、AIがより正確に描き起こす仕組みです。
気になるのは「自分のグラボで使えるのか」「何が良くなるのか」の2点ではないでしょうか。今回のRay ReconstructionはRTX 20/30/40/50シリーズの全世代に対応していて、グラボを買い替えなくても恩恵を受けられます。
ただし2026年8月26日時点では、NVIDIAアプリの早期アクセス(=正式公開前の先行提供版)に自分でオプトインした人だけが使える状態です。この記事では、何が変わるのか・どのグラボで使えるのか・どうやって有効にするのかを、公式発表をもとに順番に整理します。
DLSS 4.5 Ray Reconstructionは「fpsを上げる機能」ではなく「レイトレーシングの画質を上げる機能」。RTX 20〜50の全世代で使えます。
- 提供開始は2026年8月26日。ただしNVIDIAアプリの早期アクセス扱いで、正式リリースは2026年9月予定
- 必要なのは GeForce Game Ready Driver 580.88 WHQL 以降。設定はNVIDIAアプリの「DLSS Override – Model Presets」から
- 対応タイトルは配信開始時点で約30本。レイトレーシングを使わないゲームでは効果が出ない
DLSS 4.5 Ray Reconstructionとは?レイトレの画質を上げるAI技術
DLSS 4.5 Ray Reconstructionとは、レイトレーシングで描いた映像に残るノイズをAIが取り除き、足りない部分を描き起こして画質を高める技術です。
NVIDIAは公式の解説ページで、従来の手作りのデノイザー(=レイトレの映像に残るザラつきを消して整える処理)を、スーパーコンピューターで学習させたAIネットワークに置き換えたものだと説明しています。
そもそもレイトレーシングは、光線を1本ずつ追いかけて反射や影を計算する描画方式です。とはいえ、あらゆる方向へ無限に光線を飛ばすわけにはいきません。そのため、計算できた点と点のあいだがザラついたノイズとして残ります。
この穴を埋めるのがデノイザーの役目です。従来は人が組んだルールで平滑化していましたが、Ray ReconstructionではAIが「本来ここはどう光るはずか」を推測し、より質の高いピクセルとして描き起こします。ノイズ除去と超解像(Super Resolution)を1つのモデルにまとめている点も特徴です。
レイトレーシングそのものの仕組みはレイトレーシングとは?オンにすると何が変わるかで解説しています。
よくある疑問:これを入れると、fpsも上がるの?
ここは先に整理しておきます。Ray Reconstructionはfpsを上げるための機能ではありません。NVIDIAは新モデルについて「同等のパフォーマンスを維持しながら」画質を高めると説明しており(2026年8月26日確認)、フレームレートを稼ぐ役割はSuper ResolutionやFrame Generationが担当します。

「軽くする機能」と「きれいにする機能」は別物、と覚えておくと迷いません。
何が新しくなった?第2世代Transformerで変わる3つのポイント
今回のRay Reconstructionは、第2世代のTransformerモデルに置き換わりました。NVIDIAの配信開始の告知ページ(2026年8月26日確認)では、従来モデルとの違いが次のように示されています。
- 計算能力は従来モデル比で35%増
- 処理するパラメータは従来モデル比で20%増
- それでいてパフォーマンスは従来モデルと同等を維持
- 学習データセットを拡大し、時間方向の蓄積処理を開発者がより細かく制御できるようになった
計算量を増やしながら性能は据え置き、という説明です。ただし実測のベンチマークは公開されていないため、「重くなる」「軽くなる」と断定はできません。導入したら、自分の環境でfpsを見比べてみるのが確実です。
NVIDIAが向上する要素として挙げているのは、次の4点です。
- ライティングの正確さ:反射や間接光の表現が本来の姿に近づく
- 時間的な安定性:フレームをまたいだちらつきが減る
- 動いている最中のディテール:カメラを振ったときのにじみが減る
- パーティクル表現:煙や火花などがクリーンに見える
並べてみると分かるとおり、静止画のスクリーンショットより、実際に動かしたときに差が出やすい部分が中心です。暗い室内で水面や金属をゆっくり眺める、といった場面が一番分かりやすいでしょう。
対応GPUはRTX 20〜50の全世代|他のDLSS機能との違いを表で整理
DLSSにはいくつもの機能があり、世代によって使えるものが違います。NVIDIA公式のDLSS技術ページ(2026年8月26日確認)に掲載されている対応状況をまとめると、次のとおりです。
| 機能 | 使えるGeForce RTX世代 |
|---|---|
| Dynamic Multi Frame Generation | RTX 50のみ |
| Multi Frame Generation | RTX 50のみ |
| Frame Generation | RTX 40・50 |
| Ray Reconstruction | RTX 20/30/40/50(全世代) |
| Super Resolution | RTX 20/30/40/50(全世代) |
| DLAA | RTX 20/30/40/50(全世代) |
世代の差がはっきり出るのは表の上3行です。フレーム生成系はRTX 40以降、そのうちMulti Frame GenerationはRTX 50シリーズだけ、という線引きになっています。
一方でRay ReconstructionはRTX 20シリーズまでさかのぼって対応しています。数年前に買ったRTXのままでも画質面の恩恵を受けられるという点で、DLSSの機能の中では珍しい存在です。
それぞれの役割の違いも整理しておきます。名前が似ていて混同しやすいところです。
| 機能 | やっていること | 目的 |
|---|---|---|
| Super Resolution | 低い解像度で描いてAIが引き伸ばす | fpsを稼ぐ |
| Frame Generation | AIが中間のフレームを作り足す | fpsを稼ぐ |
| Multi Frame Generation | 描画1フレームあたり最大5フレームまで生成 | fpsを大きく稼ぐ |
| Ray Reconstruction | レイトレのノイズをAIが描き直す | 画質を上げる |
DLSS全体の仕組みと対応グラボはDLSSとは?fpsが上がる仕組みと対応グラボにまとめてあります。そもそも自分のグラボがRTXかどうか分からないという方は、GeForce RTXとは?GTXとの違いから確認してみてください。
なお、話題になっている「DLSS 5」は今回のRay Reconstructionとは別の技術です。対応GPUや時期についてはDLSS 5とは?対応GPUとリリース時期で扱っています。
NVIDIAアプリでの有効化手順|必要なドライバーと注意点
手順に入る前に、前提を2つ確認します。1つ目はGeForce Game Ready Driver 580.88 WHQL 以降が必要なこと(ドライバー詳細ページ・2026年8月26日確認)。2つ目は、NVIDIAアプリの早期アクセスにオプトインする必要があることです。
正式リリースは2026年9月の予定と案内されています(2026年8月26日確認)。急ぎでなければ、正式版を待ってからでも遅くはありません。
アプリを起動し、設定タブから「About(バージョン情報)」の項目まで進みます。
ここでオプトインしないと、以下の設定項目そのものが出てきません。アプリの更新や再起動を求められたら従ってください。
ゲームごとの描画設定をまとめているセクションです。
1本だけ試したいならゲーム単位で、まとめて適用したいなら全体設定を選びます。
画面の下のほうにあります。ゲーム内設定ではなくドライバー側の設定です。
ゲーム側が持っているDLSSのモデルを、ドライバー側から上書きするための項目です。
これを選ぶと、機能ごとのドロップダウンが表示されます。
迷ったら「Recommended(推奨)」で構いません。適用後、ゲームを起動し直して見え方を確認します。
ここで挙げた項目名は英語版の表記です。環境によっては日本語で表示され、アプリのバージョンによって名称や並び順が変わることもあります。見当たらないときは、まずNVIDIAアプリ自体を最新の状態に更新してください。
早期アクセスは正式公開前の開発中バージョンを受け取る設定です。動作が不安定になる可能性があるため、大事な配信や大会の直前に切り替えるのは避けてください。



戻したくなったら、同じ画面で早期アクセスをオフにするだけです。試してから決めても問題ありません。
対応タイトルと、今の自分のPCで意味があるかの見分け方
NVIDIAの配信開始告知(2026年8月26日確認)では、新しいRay Reconstructionモデルに対応するタイトルは約30本とされています。公式サイト内には27本と記載されたページも残っているため、正確な最新数は公式サイトで確認してください。今後も増えていく前提の数字です。
公式ページで名前を確認できたのは、たとえば次のようなタイトルです。
- Alan Wake 2/Cyberpunk 2077/Portal with RTX
- Indiana Jones and the Great Circle/Star Wars Outlaws/Avatar: Frontiers of Pandora
- DOOM: The Dark Ages/Hogwarts Legacy/Half-Life 2 RTX
- Call of Duty: Black Ops 7/NARAKA: BLADEPOINT/The First Descendant
顔ぶれを見ると、レイトレーシングやパストレーシング(=レイトレーシングをさらに突き詰め、光の反射を全面的に計算する描画方式)に対応したタイトルが中心です。
自分に関係があるかどうかは、次の3つを順に確認すれば判断できます。
- GeForce RTXシリーズを使っているか(GTXや他社製GPUでは利用できません)
- そのゲームでレイトレーシングをオンにしているか(オフのままでは見た目は変わりません)
- そのゲームが対応タイトルに入っているか(入っていなければ対応待ちです)
3つすべてが「はい」の人だけが恩恵を受けられます。特に2つ目は見落としがちで、レイトレーシングを使っていないタイトルではRay Reconstructionの出番がありません。フレームレート優先でレイトレを切って遊ぶ競技系のFPSでは、体感差は出ないと考えてよいでしょう。
もうひとつ、RTX 20/30シリーズで「使える」ことと「快適に動く」ことは別の話です。パストレーシングを採用した重いタイトルでは、そもそもフレームレートの確保が難しい場合があります。画質モードや解像度を調整しながら試すのが現実的です。
関連して、NVIDIAは今後のスケジュールも公表しています(2026年8月26日確認)。
| タイトル | 予定日 | 内容 |
|---|---|---|
| 007 First Light | 2026年9月15日 | パストレーシング対応アップデート |
| CONTROL Resonant | 2026年9月24日 | 発売。パストレーシングとDLSS 4.5に対応 |
| AION 2 | 2026年9月30日 | 西側でのローンチ |
| Gears of War: E-Day | 2026年10月6日 | RTX Mega Geometryに対応 |
いずれも発表時点の予定で、変更される可能性があります。秋にかけてレイトレ対応タイトルが続くため、今のうちに設定を済ませておくと乗り遅れずに済みます。
なお、レイトレーシングやパストレーシングを高い画質で楽しみたい場合、土台になるのはやはりRTX搭載モデルの性能です。手持ちのPCで力不足を感じているなら、買い替えの検討材料にはなります。
\RTX搭載モデルをまとめてチェック/
まとめ
2026年8月26日時点の状況を、動き方の2択で整理します。
- 今日から試したい人:ドライバーを580.88 WHQL以降に更新 → NVIDIAアプリで早期アクセスにオプトイン → DLSS Override – Model PresetsでRay Reconstructionを「Recommended」または「Preset F」に
- 待ってもいい人:正式リリースは2026年9月予定。安定した環境で使いたいなら、そこまで待つ判断で問題ない
記事の要点をもう一度並べます。
- Ray Reconstructionは画質を上げる機能で、fpsを上げる機能ではない
- 対応はRTX 20/30/40/50の全世代。買い替えなしで使える珍しい機能
- 第2世代Transformerモデルは計算能力35%増・パラメータ20%増で、性能は同等とされる
- 効果が出るのは、レイトレーシングをオンにして遊ぶ対応タイトルだけ
グラボを買い替えずに画質が一段上がる話は、そう多くありません。手持ちのRTXでレイトレ対応タイトルを遊んでいるなら、試してみる価値は十分にあります。対応本数やスケジュールは今後変わるので、最新の情報はNVIDIA公式で確認してください。



まずはドライバーのバージョン確認から。ここが古いままだと、設定項目そのものが出てきません。
- RTX 3060でもDLSS 4.5 Ray Reconstructionは使えますか?
-
使えます。NVIDIA公式のDLSS技術ページ(2026年8月26日確認)では、Ray ReconstructionはRTX 20/30/40/50の全世代に対応と案内されています。ただし、レイトレーシングをオンにして快適に遊べるかどうかはゲームの重さと画質設定によります。
- 有効にするとfpsは上がりますか?
-
fpsを上げるための機能ではありません。NVIDIAの説明は「同等のパフォーマンスを維持しながら画質を高める」というものです。フレームレートを稼ぎたい場合は、Super ResolutionやFrame Generationと組み合わせて使います。
- 対応していないゲームではどうなりますか?
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見た目は変わりません。レイトレーシングを使っていないゲームや、対応タイトルに入っていないゲームでは効果が出ない仕組みです。対応本数は今後増える見込みなので、遊びたいタイトルは公式の一覧で確認してみてください。
- 早期アクセスは元に戻せますか?
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NVIDIAアプリの設定から早期アクセスをオフにすれば、通常版へ戻せます。開発中のバージョンを受け取る設定なので、不安な場合は正式リリース予定の2026年9月まで待つ方法もあります。
- DLSS 5とは何が違いますか?
-
Ray ReconstructionはDLSS 4.5に含まれる画質向上の機能で、DLSS 5は別に案内されている次世代の技術です。対応GPUや時期については、DLSS 5を扱った記事のほうで整理しています。
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