「セキュアブート証明書の期限切れ」という言葉を見て、PCが起動しなくなるのでは、と身構えた方もいるはずです。
先に結論を書きます。ほとんどの個人用パソコンは、Windows Updateを当ててさえいれば自動で対応が進みます。
Microsoftも公式ページ「Windows デバイスでセキュア ブート証明書の有効期限が切れた場合」で、「ほとんどの個人用 Windows デバイスは、Microsoft が管理する更新プログラムを通じて新しいセキュア ブート証明書を自動的に受け取ります」と説明しています(2026年8月12日確認)。
とはいえ、自分がその「ほとんど」に入っているかは確かめないと分かりません。この記事では、Windowsセキュリティを開くだけでできる確認手順と、表示された色ごとの対処法を紹介します。
Windows Updateを止めていないPCなら、自分で作業することはほぼありません。今日やることは「1回の確認」だけです。
- 期限は2026年6月24日・6月27日・10月19日の3段階(Microsoft公式/2026年8月12日確認)
- 期限が切れてもPCは起動する。届かなくなるのは起動まわりの新しい保護
- 確認は「Windows セキュリティ」→「デバイスのセキュリティ」→「セキュア ブート」で1分
セキュアブート証明書の期限切れとは?結論から先に

セキュアブートとは、パソコンの電源を入れた直後に、これから起動するプログラムが正規のものかを確かめる仕組みです。Windowsが立ち上がる前の段階で働くため、起動を乗っ取る攻撃に対する最初の壁になります。
その判定に使うのが、今回話題の証明書です。証明書は、そのプログラムが正規のものだと示す身分証のようなもので、身分証と同じように有効期限が決められています。
2011年発行の一連の証明書が、2026年6月から10月にかけて順に期限を迎えます。そこで2023年発行の新しい証明書へ入れ替える作業が、いま世界中のWindows PCで進んでいます。
肝心なのは配り方です。新しい証明書はWindows Updateで自動的に届くため、更新をためこんでいない人は、知らないうちに対応が済んでいる可能性が高いわけです。
よくある疑問:じゃあ、自分は何もしなくていいの?
ほとんどの人はそのとおりです。ただし更新を長く止めている場合や、メーカー側の対応が必要な機種は例外です。だからこそ1分の確認だけはやっておく価値があります。

証明書は「いつか切れるもの」として最初から期限が決まっています。想定どおりの入れ替え作業だと思えば気が楽です。
いつ・どの証明書が期限切れになる?【一覧表】
「6月に切れる」とだけ聞いて混乱した方もいるはずです。期限は1つではなく、3つの日付に分かれています。Microsoft公式の「Windows Secure Boot certificate expiration and CA updates」(2026年8月12日確認)の内容を表にしました。
| 期限を迎える証明書 | 有効期限 | 置き換わる新しい証明書 |
|---|---|---|
| Microsoft Corporation KEK CA 2011 | 2026年6月24日 | Microsoft Corporation KEK 2K CA 2023 |
| Microsoft UEFI CA 2011 | 2026年6月27日 | Microsoft UEFI CA 2023 |
| Microsoft UEFI CA 2011 | 2026年6月27日 | Microsoft Option ROM UEFI CA 2023 |
| Microsoft Windows Production PCA 2011 | 2026年10月19日 | Windows UEFI CA 2023 |
表のいちばん下、Windows本体の起動プログラムに関わる証明書だけは期限が離れています。2026年10月19日の期限は、まだこれから迎えるものです。
対象はWindows 11だけではありません。Microsoftの案内ではWindows 10、Windows 11、Windows Server 2012からWindows Server 2025までの全エディションが対象です。
期限が切れると自分のPCはどうなる?


いちばん気になるのはここでしょう。期限が切れても、PCはこれまでどおり起動して動作します。Microsoftも公式ページで「デバイスが新しい証明書なしで有効期限に達した場合でも、正常に起動して動作します」と明記しています(2026年8月12日確認)。
突然立ち上がらなくなる、という種類の話ではありません。通常のWindows更新プログラムも、これまでどおり届くと案内されています。
では何が変わるのか。公式の説明では次のものが届かなくなります。
- 起動直後の新しいセキュリティ保護(Windows ブート マネージャーやセキュアブート関連の更新)
- BitLocker(=ドライブを丸ごと暗号化するWindowsの機能)や失効リストに関わる脆弱性の修正
- セキュアブートに依存する一部の他社製コンポーネントの更新
イメージとしては、鍵が壊れるのではなく鍵のアップデートだけが止まる状態です。今日明日で困らなくても、新しい攻撃手法が出たときの守りが古いままになります。
自分のPCが更新済みか確認する方法【1分でできる】


確認はWindows標準の「Windows セキュリティ」だけで完結します。この画面はWindows 11とWindows 10のほか、Windows Server 2019以降でも使えます(2026年8月12日確認)。
スタートメニューで「Windows セキュリティ」と入力して起動します。タスクバーの盾アイコンからでも開けます。
左側のメニューからクリックします。PCの土台を守る機能がまとまった画面です。
項目に付いているアイコンの色を見ます。この色が、そのまま今回の答えです。
表示は3パターンあり、色で判断できます。公式に案内されている意味とメッセージは次のとおりです。
| アイコン | 意味 | 表示される内容 |
|---|---|---|
| 緑のチェックマーク | デバイスが十分に保護されており、推奨されるアクションがない | 「セキュア ブートがオンで、必要なすべての証明書更新プログラムが適用されています。それ以上の証明書の変更は必要ありません。」 |
| 黄色の感嘆符 | 安全に関する推奨事項がある | ハードウェアやファームウェアの制限により「自動セキュア ブート証明書の更新がサポートされていません」など(文面は状況により異なります) |
| 赤のXアイコン | すぐに注意を払う必要がある | 「このデバイスは Windows ブート エクスペリエンスに必要な更新プログラムを受け取ることができなくなりました。」 |
色が分かれば、次にやることも決まります。迷わないよう対応表にしました。
| 表示 | このあとやること |
|---|---|
| 緑 | 何もしなくてよい。これまでどおりWindows Updateを当て続けるだけ |
| 黄 | メーカーのサポートページで、自分の機種向けのBIOS・ファームウェア更新情報を確認する |
| 赤 | 自力での操作は避け、メーカーのサポート窓口に相談する。古い機種なら買い替えも選択肢に入る |
Microsoftは、この表示は2026年4月以降のWindowsセキュリティアプリに追加されたものだと案内しています(2026年8月12日確認)。項目が見当たらない場合は、Windows Updateを最新にしてから開き直してください。
直近の動きもあります。2026年8月11日付で公開されたWindows 11 24H2/25H2向けの累積更新プログラム「KB5121003」(OSビルド26100.9168/26200.9168)です。
この更新には、新しいセキュアブート証明書を自動で受け取れる対象デバイスの範囲を広げる変更が含まれると明記されています。Microsoftは同更新について「現時点で既知の問題は確認していない」としています(2026年8月12日にリリースノートで確認)。
少し前に確認して黄色だった人も、更新が進んだあとに見直すと変わっている可能性があります。月例更新の中身が気になる方はKB5101684とは?Windows11プレビュー更新の新機能と注意点もどうぞ。



緑のチェックが出ていれば、この記事でやることは終わりです。あとはWindows Updateをためこまないだけで十分です。
更新されていなかったときの対処と、やってはいけないこと
黄色や赤が出ていた場合の進め方です。難しい操作は要りません。まずはWindows Updateを当て切ることが最優先で、そこから順に見ていきます。
「設定」からWindows Updateを開き、更新プログラムの確認を押します。オプションの更新も含めて当て切り、再起動まで済ませます。
型番別のサポートページで、BIOSやファームウェアの更新案内がないかを見ます。あれば、メーカーの手順どおりに進めます。
証明書の更新は順次配信されます。すぐに緑にならなくても、しばらく経ってから開き直すと変わっていることがあります。
更新の確認を押しても進まないときは、Windows Updateが進まない・ダウンロードが終わらない時の対処法で原因を切り分けてください。失敗が何度も続くならDISM restorehealthでWindows修復|sfcとの正しい順番も参考になります。
更新後に顔認証や指紋認証が通らなくなった場合は、Windows 11の顔認証・指紋認証が使えない?KB5101684後の対処法をご覧ください。
反対に、やらない方がいいこともあります。
有効期限が過ぎたあとにBIOS側でセキュアブートの設定を初期化(リセット)すると、PCが起動できなくなる可能性があります。
VAIOのサポートFAQ(2025年10月22日公開・2026年7月31日更新)でも案内されている注意点です。リセットすると証明書の状態が古いものへ戻ってしまうためで、回避にはBIOSの更新が必要とされています。
検索すると証明書を手動で更新する方法も見つかりますが、一般の利用者が手を出す必要はありません。失敗の影響が起動に直結する領域なので、この記事では扱いません。
ドライブの暗号化を使っている場合は、作業前に回復キーの控えを確かめておくと安心です。ファームウェア周りをさわると、再起動後に入力を求められることがあります。
なぜPCメーカーの対応が必要になることがあるのか
セキュアブートは、起動を許可する署名の一覧(DB)と、無効にした署名の一覧(DBX)を照らし合わせて動きます。その2つを書き換える権限を持つのが、親の鍵にあたるKEKです。
PC Watchの特集記事(2026年7月14日掲載)では、KEKの更新にはPCメーカー側のファームウェア(=機器に組み込まれた基本ソフト)の対応が必要と解説されています。Windows側だけでは完結しないため、機種で進み方に差が出ます。
案内の温度感もメーカーで異なります。dynabookは2026年2月17日の告知で、Windows 11 25H2プリインストールモデルなどを対象外とし、対象機種も通常は自動配信されるため「特に考慮すべきことはありません」と説明しています。
BTOパソコンや自作PCなら、窓口はマザーボードメーカーです。必要かどうかは機種によるため断定できませんが、黄色の表示が続くなら、使っているマザーボードのUEFI更新情報も見ておくと安心です。
赤の表示が出ていて、機種自体が古く更新の見込みもない場合は、買い替えも選択肢のひとつです。急ぐ話ではないので、次の1台を考えるきっかけ程度に。
\買い替えを考え始めたときの参考に/
まとめ|今日やるべきことは「1回の確認」だけ
- 期限は2026年6月24日・6月27日・10月19日の3段階で、10月分はこれから
- 期限が切れてもPCは起動する。届かなくなるのは起動まわりの新しい保護
- 確認は「Windows セキュリティ」→「デバイスのセキュリティ」→「セキュア ブート」
- 緑なら何もしなくてよい/黄はメーカーの更新情報を確認/赤はサポート窓口へ
- 期限切れ後にBIOSでセキュアブート設定をリセットしない
今日やることは、アプリを開いて色を見る。それだけです。緑だった人は、これからもWindows Updateをためこまないことが、そのまま対策になります。
黄色や赤だった人も、いきなり何かが壊れるわけではありません。証明書の入れ替えは数年に一度の引っ越しのようなもので、落ち着いて進めれば大丈夫です。



不安なまま検索を続けるより、一度アプリを開いて色を見てしまう方がずっと早いです。
- セキュアブートは無効にしてもいい?
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期限切れを理由に無効化する必要はありません。起動時の安全確認を担う機能なので、オフにすると保護が弱くなります。古い周辺機器の都合でどうしても必要な場合を除き、オンのままが基本です。
- 古いWindows 10のパソコンはどうすればいい?
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Microsoftの案内ではWindows 10も対象です。まずWindows Updateを最新にしてから表示を確認してください。メーカーの更新提供が終わった機種では緑にならないこともあり、その場合は買い替えを含めた検討になります。
- BTOパソコンや自作PCも対象になりますか?
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対象です。ただしファームウェア側の更新は、マザーボードメーカーが提供します。Windows Updateを当てても緑にならない場合は、使っているマザーボードのUEFI(BIOS)更新情報を確認してください。
- 会社のパソコンで黄色や赤が出ていたら?
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自分で操作せず、社内の情報システム担当に画面を見せて相談してください。業務用PCは更新や回復キーが管理側で運用されていることが多く、勝手に設定を変えると起動できなくなる可能性があります。
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