据置ゲーム機なら10万円で足りる——そう考えていた方にとって、2026年8月の価格改定は想定外だったと思います。Xbox Series X|Sが全モデル一律3万円の値上げとなり、上位のSeries Xは11万円台に乗りました。
そこで出てくるのが「その予算をゲーミングPCに回したらどうなるのか」という比較です。本体価格の差はPCをためらう一番の理由でしたが、今回の改定でその前提が少し動きました。
この記事では値上げの中身と理由を整理したうえで、同じ予算でゲーミングPCが現実的に買えるのかを、自作の見積もりと完成品の実売価格の両方から確かめます。掲載した価格は、引用した試算を除いて2026年9月2日に各公式サイトで確認したものです。その後変動する場合があります。
- Xbox Series X|Sは2026年8月1日に全モデル一律3万円値上げ。同等性能を自作しても約12万円、同等クラスの完成品ゲーミングPCは21万円台からで、初期費用はゲーム機のほうが安いという構図が続いています。
- 新価格はSeries X(ディスクドライブ搭載)117,980円/Series X 1TBデジタル エディション 109,980円/Series S 1TB 97,480円/Series S 512GB 82,480円(Microsoft公式ストア日本・2026年9月2日確認)
- 理由はメモリ・ストレージ価格の高騰。PCパーツが値上がりしているのとまったく同じ背景
- 比較したGALLERIA 2機種は8月10日から1.5万〜2万円値上がりし、Series X(デジタル)との差は約11万円に開いた
- テレビの前で手軽に遊ぶならゲーム機、配信・動画編集・MODまでやりたいならゲーミングPCが向く
Xbox Series X|Sが一律3万円値上げ|新価格をまとめて確認

今回の値上げとは、2026年8月1日から日本国内のXbox Series X|S全モデルの価格を一律3万円引き上げるものです。特定のモデルだけでなく、上から下まで同じ幅で動いたのが特徴です。
| モデル | 値上げ前 | 値上げ後 | 差額 |
|---|---|---|---|
| Xbox Series X 1TB(ディスクドライブ搭載) | 87,980円(税込) | 117,980円(税込) | +30,000円 |
| Xbox Series X 1TB デジタル エディション | 79,980円(税込) | 109,980円(税込) | +30,000円 |
| Xbox Series S 1TB | 67,480円(税込) | 97,480円(税込) | +30,000円 |
| Xbox Series S 512GB | 52,480円(税込) | 82,480円(税込) | +30,000円 |
表にあるデジタル エディションとは、ディスクドライブを搭載しないモデルです。パッケージ版ソフトは使えずダウンロード購入が前提になるかわりに、ディスク搭載モデルより8,000円安く設定されています。
GAME Watchによると、これはXbox Series X|Sにとって4度目の価格改定で、6月の予告どおり実施された形です。直後にはMicrosoft Storeや各販売店で在庫がない状況になったとも報じられました。
その後の動きも確認しました。2026年9月2日時点で、公式ストアの日本向けラインアップは上の4モデルで、いずれも購入手続きに進める状態です。
8月1日の改定から1か月が過ぎましたが、価格の再改定は行われていません。国内で一番安い入り口はSeries S 512GBの82,480円になります。
あわせてグローバルでは2TBモデルが販売終了となりましたが、日本では元々発売されておらず、公式ストアの日本向けラインアップにも並んでいません(2026年9月2日確認)。国内で検討するうえでは影響しない話です。

3万円はソフト1本分では収まりません。予算を組み直すことになった方も多いと思います。
なぜ値上げされた?メモリ・ストレージ価格の高騰が背景
理由ははっきりしています。Microsoftは2026年6月25日の発表で、本体に使うメモリとストレージの価格が2.5倍以上に上がったと説明しました。2027年秋に向けてさらに2倍になる見込みとも伝えられています(PC Watch・2026年6月29日)。
押さえておきたいのが、据置ゲーム機の売り方です。ゲーム機は本体で大きく利益を取らず、ソフトやサブスクで回収していく商品です。だからこそ部材の値上がりが本体価格に跳ね返りやすいという構造があります。
米国では無利息の分割払いなどの緩和策も案内されています。日本でも、価格を一度に払うのが厳しい場合は各販売店の分割払いを検討する余地はあります。
よくある疑問:高くなっているのはゲーム機だけなの?
いいえ、同じ理由でPCパーツも上がっています。メモリやSSDの価格上昇はゲーミングPCの本体価格にも反映され、今回の値上げは「ゲーム機だけの事情」ではありません。
実際、後述するGALLERIA 2機種も8月10日の確認時から1.5万〜2万円上がっていました。この流れはPCパーツ値上がりはいつまで?にまとめています。
値上げを避けてPCに乗り換えれば安く済む、という単純な話にはなりません。どちらも同じ向かい風を受けている前提で比べる必要があります。
同じ予算でゲーミングPCは買える?自作と完成品BTOで比較


ここが一番知りたいところだと思います。Xbox Series Xのデジタル エディション(109,980円)に近い性能を自作で組むといくらか。AKIBA PC Hotline!が2026年8月6日に公開した試算では、次の構成になりました。
| パーツ | 型番・仕様 | 価格 |
|---|---|---|
| CPU | Ryzen 7 5700X | 31,480円(税込) |
| GPU | Radeon RX 7600 | 39,500円(税込) |
| マザーボード | B550 microATX | 6,580円(税込) |
| メモリ | DDR4-3200 16GB | 15,980円(税込) |
| SSD | M.2 NVMe Gen4 1TB | 21,980円(税込) |
| CPUクーラー | AM4 TDP65W対応 | 1,273円(税込) |
| 電源 | 600W ATX | 3,660円(税込) |
| ケース | ATX | 2,980円(税込) |
| 合計 | — | 123,433円(税込) |
合計123,433円。GPUをRadeon RX 9060 XT(53,980円)に上げると137,913円です。値上げ後のXbox Series X(デジタル)と比べると、自作のほうが1万3千円ほど高いという結果でした。
ただし、この見積もりを読むときに見落としてはいけない点があります。このパーツ一覧にWindowsのライセンス費用は含まれていません。自作した場合はOSを別途用意する必要があり、実際の総額はこの数字より上乗せになります。
パーツ価格そのものも8月上旬の水準なので、今組めば同じ金額では収まらない可能性もあります。
そしてもうひとつ。「自作なら約12万円」は、パーツを自分で選んで組める人の話です。多くの方が現実に選ぶのは、組み立て済みで保証もOSも付く完成品のBTOパソコン(=注文後に構成を組んで出荷するパソコン)でしょう。
ドスパラ公式の商品ページで実売価格を確認しました(2026年9月2日確認・税込)。公開当初(8月10日確認)から、2機種とも値上がりしています。
| 製品 | 主な内容 | 価格(税込) |
|---|---|---|
| Xbox Series S 512GB | デジタル専用・国内で一番安いXbox | 82,480円 |
| Xbox Series S 1TB | デジタル専用・据置ゲーム機 | 97,480円 |
| Xbox Series X 1TB(デジタル エディション) | 据置ゲーム機の上位モデル | 109,980円 |
| Xbox Series X 1TB(ディスク搭載) | パッケージ版ソフトも使える | 117,980円 |
| 自作の参考構成 | Ryzen 7 5700X+RX 7600(OS代別途) | 123,433円 |
| GALLERIA XGR7M-R56-GD | Ryzen 7 5700X/RTX 5060 8GB/16GB DDR4-3200/500GB SSD/Windows 11 Home | 219,980円 (8月10日は204,980円) |
| GALLERIA XGR5M-R56-GD | Ryzen 5 7500F/RTX 5060 8GB/16GB DDR5-4800/500GB SSD/Windows 11 Home | 234,980円 (8月10日は214,980円) |
正直に書くと、今回比べた同等クラスの完成品は21万円台からで、値上げ後のXbox Series X(デジタル)との差はちょうど11万円です。8月時点では約9万円でしたから、この1か月で差はさらに開きました。「自作なら12万円」で話を終えると、この開きが見えません。
もっとも、この11万円には理由があります。完成品はWindowsも組み立ても動作確認も保証も込みで、届いた日から使える状態です。搭載GPUもGeForce RTX 5060で、参考構成のRadeon RX 7600より新しい世代のものです。
加えてこの2機種は、製品仕様欄にMinecraft(Java&Bedrock Edition)とPC Game Pass 1か月版の同梱が記載されています(2026年9月2日確認)。
※価格・在庫は変動します。最新は公式サイトで確認を。



値上げ後でも、初期費用の低さという点ではゲーム機に分があります。ここは素直に認めていい部分です。
ゲーム機とゲーミングPCの決定的な違い5つ
価格だけを並べても答えは出ません。両者はそもそも守備範囲が違う道具だからです。判断に直結する5つの違いを整理します。
| 比べる軸 | 据置ゲーム機 | ゲーミングPC |
|---|---|---|
| 初期費用 | 本体だけで始められる | 本体に加えて周辺機器が必要 |
| 準備のしやすさ | テレビにつなげばすぐ遊べる | 初期設定やドライバ更新が要る |
| ゲーム以外の用途 | 動画視聴が中心 | 動画編集・配信・仕事・学習にも使える |
| 長く使う工夫 | 基本的に買い替え | パーツ交換で性能を足せる |
| 遊び方の自由度 | 設定は基本おまかせ | 画質・フレームレート調整やMODが使える |
特に見落とされやすいのが周辺機器を含めた総額です。ゲーム機はリビングのテレビをそのまま使えますが、ゲーミングPCはモニター・キーボード・マウスがなければ別に買う必要があります。
上で挙げた2機種もキーボードとマウスは付属しません。本体価格だけで判断すると、ここで予算がずれます。
逆に、PC側の価値は本体価格に含まれない部分にあります。同じ1台で動画編集も配信もこなせますし、表にあるMOD(=有志が作った追加データ)で遊び方を広げられるのも対応タイトルならではです。
パーツ交換で長く使える点も、5年10年で見ると差になります。今回の2機種はメモリスロットに空きがあり、SSDの追加も注文時に選べる構成です。
この違いはゲーミングPCと普通のPCの違いは?でも触れています。
今どう動くべき?タイプ別の判断軸
ここまでを踏まえると、自分がどのタイプかで決めるのが一番はっきりします。3つに分けました。
- テレビにつないで手軽に遊びたい/初期費用を抑えたい → 据置ゲーム機。値上げ後でも本体だけで始められる手軽さは変わりません
- 配信・動画編集・MODもやりたい/仕事や勉強にも使う → ゲーミングPC。1台で兼ねられる分、周辺機器を足しても総額で見合う場合があります
- Xboxで遊べるタイトルが目的 → PCという選択肢もあります。Xbox系タイトルの多くはPC版も出ています
よくある疑問:PCでXboxのゲームを遊ぶには、結局いくらかかるの?
タイトルを個別に買う方法と、PC Game Passのような定額サービスを使う方法があります。
上の表の2機種は製品仕様欄に「PC Game Pass 1か月版 同梱」と記載されており、Minecraft(Java&Bedrock Edition)のライセンスも付きます(ドスパラ公式の商品ページ・2026年9月2日確認)。
同梱分の1か月が終わったあとも続ける場合は、あらためて契約が必要になります。
PC Game Passの料金はMicrosoft公式ストア(日本)で1か月1,300円/3か月3,900円/12か月15,600円でした(2026年9月2日確認)。申し込み時は自動更新の設定と支払い方法の登録内容を確認してください。
定額サービスは解約しない限り継続課金になるのが一般的です。
料金プランは変更されることがあるため、最新の金額は必ず公式サイトで確認してください。
買い時が気になる方への補足です。ドスパラの「夏の大感謝SALE」は2026年8月28日(金)10:59で終了し、入れ替わりで同日11:00からカスタマイズ半額祭が始まりました(ドスパラのプレスリリース・2026年8月28日)。
2026年9月2日時点でも開催中で、本体価格そのものが下がるクーポンは出ていません。
半額になるのは対象PCの指定カスタマイズです。
プレスリリースに載っていた金額は、メモリ16GB→32GBが56,100円→28,050円(16GB×1スタートの場合)、SSD 500GB追加が22,900円→11,450円、HDD 2TB追加が19,000円→9,500円、ナノダイヤモンドグリスへの変更が2,000円→1,000円。
期間は2026年9月25日(金)10:59まで(店舗は9月24日(木)閉店まで)です。
注意したいのは対象機種です。上で紹介したGALLERIA 2機種は、2026年9月2日時点では半額の対象になっていませんでした。
商品ページのカスタマイズ欄を見ると、32GBメモリへの変更はXGR7M-R56-GDが+49,900円、XGR5M-R56-GDが+56,100円で、いずれも半額前の金額のままです。
カスタマイズの割引を当てにするなら、特設ページの対象モデルから選ぶ形になります。
\指定カスタマイズが半額になるのは9月25日まで/
とはいえ値上げのニュースに押されて急ぐ必要はありません。買う時期の考え方はゲーミングPCの買い時はいつ?、注文の流れはBTOパソコンの買い方完全ガイドにまとめています。
もう一点、日本ならではの事情も。PlayStation公式サイトには希望小売価格55,000円(税込)の「PS5 デジタル・エディション 日本語専用」があり、この価格は2026年9月2日時点でも変わっていません。Xboxに同種の国内専用モデルはなく、据置機どうしでも入り口の価格帯に開きが出ています。
まとめ
- 2026年8月1日、Xbox Series X|Sは全モデル一律3万円値上げ。9月2日時点の公式ストア価格は117,980円/109,980円/97,480円/82,480円で、再改定はなし
- 理由はメモリ・ストレージの高騰。Microsoftは2.5倍以上に上がり、2027年秋までにさらに倍になる見込みと説明している
- 同等性能の自作は約123,000円(OS代別途)、同等クラスの完成品は21万円台から。8月から完成品が値上がりし、差は約11万円に開いた
- 手軽さならゲーム機、ゲーム以外の用途や自由度ならゲーミングPC。予算より用途で決めるほうが後悔しにくい
3万円の値上げは重い金額ですが、ゲーム機とゲーミングPCの立ち位置がひっくり返るほどの差ではありませんでした。ゲーム機は今も「安く始められる据置機」、PCは今も「高いけれど何でもできる1台」です。
変わったのは両者の距離です。8月は少し縮まりましたが、その後PC側が値上がりし、また開きました。価格は今後も動きますので、価格だけでPCを外していた方も、購入直前に公式サイトで最新の価格を確認したうえで用途から考え直す価値があります。



迷ったら「ゲーム以外に何をしたいか」を書き出してみてください。そこに答えが出ています。
- 値上げ前に買った人は、差額を請求されますか?
-
いいえ。今回の改定は2026年8月1日以降の販売価格に適用されるもので、すでに購入した本体に差額が請求されるという案内は出ていません。値上げ前に買えた方はそのままです。
- 今後さらに値上げされる可能性はありますか?
-
2026年9月2日時点で、Microsoft公式ストアの価格は8月1日の改定後から動いていません。今後の改定についての公式な予告も確認できていません。
ただしMicrosoftは、メモリとストレージの価格が2027年秋に向けてさらに倍になる見込みだと説明しています。部材の状況は引き続き厳しい、という理解にとどめるのが妥当です。
- XboxのゲームはPCでも遊べますか?
-
Xbox向けタイトルの多くはPC版も用意されています。個別購入のほか、PC Game Passのような定額サービスもあり、料金は1か月1,300円(Microsoft公式ストア・2026年9月2日確認)です。
記事で取り上げたドスパラの2機種にはPC Game Pass 1か月版が同梱されますが、そのあとも遊び続けるなら月額の契約が必要です。
- ゲーミングPCなら、中古やアウトレットのほうが安く済みますか?
-
本体価格は下がりますが、保証期間やストレージの消耗具合が個体ごとに違います。初めての1台なら、保証と初期不良対応が付く新品のほうが判断しやすいと思います。
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