音声合成AIを無料で使う方法を探している方は多いはずです。動画のナレーションを自分の声で録るのは気が引けますし、有料サービスは毎月の支払いが続きます。
結論から言うと、PCにインストールして使える無料の音声合成AIは、いま2本が本命です。VOICEVOXとAivisSpeechで、どちらも公式サイトが無料であることを明示しています。
ただし、無料だから何をしてもよい、というわけではありません。商用で使うときにクレジット表記が要るのか、選ぶ声ごとに条件が違わないか。ここを読み飛ばすと後で困ります。
この記事では公式サイトの記載(2026年9月6日時点)をもとに、無料で使える範囲・必要なPCスペック・商用利用のルールを順に整理します。
- 音声合成AIを無料で使うなら、PCに入れるVOICEVOXとAivisSpeechが本命
- VOICEVOXは商用・非商用問わず無料。ただしクレジット表記が必要
- AivisSpeechは本体のクレジット表記が不要。声のモデルごとの条件は要確認
- 読み上げるだけならCPUで動く。自分の声を学習させるならNVIDIA製GPUが必要
- クラウド型の無料枠は商用利用を含まないことがあるので注意
結論:音声合成AIは無料で使える。PCに入れる2本が本命
あらためて結論です。音声合成AIは無料で使えます。しかも月額を払わずに、自分のPCの中だけで処理を完結させる方法があります。
VOICEVOXの公式サイトは「無料で使える中品質なテキスト読み上げ・歌声合成ソフトウェア」と説明しています。
AivisSpeechの公式サイトも「かんたんに感情豊かな合成音声を使える、無料の音声合成ソフトウェア」と掲げています(いずれも2026年9月6日時点)。
気をつけたいのは、無料であることと、作った音声を自由に使えることは別という点です。VOICEVOXは公式のQ&Aで「クレジット表記をして頂ければ商用・非商用問わず使用できます」と条件を示しています。

無料でも規約はソフトごとに違います。使う前に公式の利用規約を一度開いておくと安心です。
音声合成AIとは?テキストが声になるまでの3ステップ


音声合成AIとは?文字起こしとは逆方向の技術
音声合成AIとは、入力した文章を人の声のように読み上げる音声を作るAIです。英語のText to Speechの頭文字から、TTS(=文字を音声に変える技術)とも呼ばれます。
音声合成AIと文字起こしAIは、向きがちょうど逆になります。話した声を文章にするのが文字起こしで、こちらは文字起こしAIとは?Whisperを無料でPCで動かす方法と必要スペックで扱っています。
使いどころは動画づくりだけではありません。解説動画やゲーム実況のナレーション、研修資料や教材の読み上げ、店内・館内のアナウンスなど、人の声を用意しにくい場面で使われています。
長い文章を耳で確認したいときや、目が疲れているときの読書代わりにする人もいます。自分で録音しなくても、書いた文章がそのまま声になるのが音声合成AIの便利なところです。
テキストが声になるまでの3ステップ
音声合成AIの処理は、一般に次の3つの段階に分けて説明されます。順番に見ると、どこで不自然さが出るのかも見当がつきます。
- 文章を読み解く:漢字の読み方、文の区切り、アクセントの位置を決める
- 読み方と抑揚を数値にする:どの高さで、どのくらいの速さで話すかを組み立てる
- 数値を音の波形に変える:ここではじめて耳で聞ける音になる
よくある疑問:むかしのカーナビの声と、いまの音声合成AIは何が違うの?
駅の放送やカーナビで長く使われてきた合成音声は、あらかじめ録った音のかけらを貼り合わせる方式が中心でした。
いまの音声合成AIは、学習した声の特徴から音そのものを作り出します。だから抑揚がなめらかで、感情の乗った読み上げもできるわけです。
無料でPCに入れて使える音声合成AI|VOICEVOXとAivisSpeech
ここからが本題です。PCにインストールして使える無料の音声合成AIは、VOICEVOXとAivisSpeechの2本を押さえておけば足ります。まず違いを表で見比べてみましょう。
| 無料の音声合成AI | VOICEVOX | AivisSpeech |
|---|---|---|
| 料金 | 無料(商用・非商用問わず) | 無料(個人・法人・商用問わず) |
| 動く場所 | 自分のPCの中 | 自分のPCの中(初回のみネット接続) |
| 対応OS | Windows 10・11/macOS 14以降/Ubuntu 22.04・24.04 | Windows 10(22H2以降)・11/macOS 13以降 |
| GPUの扱い | DirectML対応GPUのWindows PCとNVIDIA製GPUのLinux PCに対応 | 公式は「CPUだけでもサクサク使える」と説明 |
| クレジット表記 | 必要 | 本体は不要(音声モデルの規約による) |
| 向いている用途 | キャラクター音声の解説動画 | 落ち着いた自然なナレーション |
表の内容はすべて2026年9月6日時点の公式サイトおよび公式リポジトリの記載です。更新が入ることがあるので、導入前に一度確認してください。
VOICEVOX|キャラクター音声が豊富で調整しやすい
VOICEVOXは、公式サイトが「商用・非商用問わず無料」と明記している音声合成AIです。Windows / Mac / Linuxに対応し、確認日時点のダウンロード版はVersion 0.25.2と表記されていました。
公式が挙げる特徴は、イントネーションの詳細な調整ができること、そして喋り声で歌えるハミング機能を備えていることです。読み上げが少し不自然なとき、自分で直せる余地があるのは大きな利点です。
音声は四国めたん、ずんだもん、春日部つむぎ、雨晴はう、波音リツなど多数が収録されています。キャラクターごとに個別の利用規約が用意されている点は、後半でくわしく触れます。
AivisSpeech|自然さ重視。2回目以降はオフラインでも動く
AivisSpeechは「かんたんに感情豊かな合成音声を使える、無料の音声合成ソフトウェア」として公開されている音声合成AIです。VOICEVOXのエディタをベースにしており、画面の雰囲気も近くなっています。
公式サイトによると、ソフトウェア本体はクレジット表記が不要で、個人・法人・商用・非商用を問わず基本的に自由に使えます。ただし読み上げに使う音声モデルの条件は別に確認が必要です。
ネット接続については、初回起動時だけモデルデータのダウンロードで接続が必要で、2回目以降はPCがオフラインでも使えると公式が説明しています。
使いたい声は、AivisHubというWebプラットフォームで公式やユーザー制作のモデルを試聴して入手できます。AIのモデルを配布サイトから入れて動かす流れは、Hugging Faceとは?AIモデルの入手先と自分のPCで動かす方法と考え方が同じです。
どちらを選ぶ?用途別の目安と、使い始めるまでの流れ
選び分けの目安はシンプルです。キャラクターの声で解説動画を作りたいならVOICEVOX、落ち着いた自然なナレーションを載せたいならAivisSpeechから試すとよいでしょう。
どちらが高品質か、という比べ方はおすすめしません。声の好みと用途で評価が変わりますし、どちらも無料なので両方入れて聴き比べるのが確実です。
実際に音を出すまでの流れは、どちらもほぼ共通です。
先に対応OSを確認します。表のとおり、対応するWindowsとmacOSのバージョンはソフトごとに違います。
AivisSpeechは初回起動のときだけ、モデルデータのダウンロードのためにネット接続が必要です。
そのままだと読み方が合わないことがあります。VOICEVOXならイントネーションを細かく調整できます。
クラウド型との違いと、音声合成AIに必要なPCスペック


音声合成AIには、PCに入れて使うタイプと、ブラウザから使うクラウド型があります。無料の範囲も、必要なPCスペックも、この2つでまったく違います。
クラウド型は手軽だが、無料枠は商用に使えないことがある
クラウド型の音声合成AIは、PCの性能に関係なく使えるのが利点です。一方で、無料の範囲には利用量の上限が設けられているのが普通です。
代表例としてElevenLabsの料金ページを見ると、確認日時点では次のようになっていました。
| プラン | 月額(米ドル) | 月あたりのクレジット | 商用ライセンス |
|---|---|---|---|
| Free | 0ドル | 10,000 | 含まれない |
| Starter | 6ドル | 30,000 | 含まれる |
| Creator | 22ドル | 121,000 | 含まれる |
2026年9月6日時点・米ドル表示の値です。Creatorには初月50%オフの表示が出る場合があります。料金は変わりやすいので、最新は公式サイトで確認してください。
クラウド型の無料枠は商用利用を含まないことがあり、収益化した動画に使うと規約違反になるおそれがあります。
そう考えると、動画のナレーションのように量を使う用途では、PCに入れる無料の音声合成AIのほうが気楽だと言えます。
読み上げるだけなら、いまのPCで足りることが多い
ここが多くの人の気になるところでしょう。結論としては、できあがった声で読み上げるだけなら、特別なPCは要らないことが多いです。
AivisSpeechの公式リポジトリには「AivisSpeech を起動するには、PC に 1.5GB 以上の空きメモリ (RAM) が必要です」と書かれています。
公式サイトのほうも「近年のデスクトップ PC や MacBook なら CPU だけでもサクサク使える」と説明しています。
VOICEVOX側は、対応OSとしてWindows 10・11、macOS 14以降、Ubuntu 22.04・24.04を挙げています。必要なメモリ量やストレージ容量は公式のQ&Aに記載がありませんので、余裕を見ておくのが無難です。
つまり音声合成AIを無料で試すだけなら、いま使っているPCでまず動かしてみるのが正解です。AI向けの専用チップが必要かどうかは、NPUとは?AI PCは本当に必要?もあわせて読んでみてください。



買い替えを考えるのは、実際に動かして重いと感じてからで十分です。
自分の声を学習させるならNVIDIA製GPUが必要
話が変わるのが、既存の声を使うのではなく、自分の声や新しい声を作りたい場合です。すでにある声で読み上げるのと、新しい声を学習させるのでは、PCへの負担がまるで違います。
オープンソースのStyle-Bert-VITS2は、READMEで「NVidiaのGPUが無い場合は学習はできませんが音声合成とマージは可能」と説明しています。つまり読み上げだけならCPUで動き、学習にはNVIDIA製GPUが必要ということです。
学習用のデータとしては、2〜14秒程度の音声ファイルが複数と、その書き起こしが必要とされています。必要なVRAM容量は公式に明記がないため、ここでは具体的な数値は挙げません。
VOICEVOXのGPU版も、DirectML(=WindowsでGPUを使ってAI処理を速くする仕組み)対応GPUのWindows PCと、NVIDIA製GPU搭載のLinux PCに対応しています。
学習や生成を本格的にやるなら、GPUの選び方はローカルLLMに必要なVRAMは何GB?の考え方がそのまま参考になります。
\AI時代の相棒探し/
無料でも要注意|音声合成AIの商用利用とクレジット表記
ここが、無料の音声合成AIでいちばん事故が起きやすいところです。ソフトが無料なのと、できた音声を商用で使えるのは、別の話として扱われています。
VOICEVOXはクレジット表記が必要。どこに書くか
VOICEVOXの公式Q&A・利用規約は「VOICEVOX で作成された音声は、クレジット表記をして頂ければ商用・非商用問わず使用できます」としています。書く場所も作品の形ごとに案内されています。
- 動画:動画の概要欄や動画内などに記載する
- 音声のみの作品:音声の最初や最後に音声クレジットを挿入する
- 館内放送など:音声の最初や最後に挿入するか、その機械や周辺に表記する
公式は「VOICEVOX の利用規約及び各キャラクターの利用規約をご確認ください」と案内しています。声ごとに条件が違うため、使う声の規約を必ず個別に読んでください。
利用規約側にも「作成された音声を利用する際は、各音声ライブラリの規約に従ってください」と書かれています。ソフト全体の規約を読んだだけでは足りない、と覚えておくと安全です。
AivisSpeechはモデルのライセンスを見る(ACML/ACML-NC/CC0)
AivisSpeechは本体のクレジット表記が不要ですが、公式の説明には「基本的に」という言葉が入っています。判断の分かれ目になるのが、読み上げに使う音声モデルのライセンスです。
AivisHubで配布されるモデルには、ACML、ACML-NC、CC0といったライセンス名が付いています。ここで見落としやすいのがNC(=non-commercial、非商用の意味)という2文字です。
たとえばNC付きのモデルで作った声を、広告収入のある動画に載せたとします。ソフト本体が無料でも、モデル側の条件で規約違反になるおそれがあります。
他人の声を無断で学習・再現しない
音声合成AIは、声を作る道具でもあります。だからこそ他人の声を、本人の同意なしに学習させたり再現したりしないのが大前提です。
VOICEVOXの利用規約でも、製作者や第三者への不利益となる行為、公序良俗に反する行為が禁止事項として挙げられています。無料で使えることと、何をしてもよいことは、やはり別です。



身近な人の声でも「試しに作ってみる」の前に一言確認を。トラブルの芽をつぶせます。
まとめ:無料の音声合成AIは、規約を確かめてから使う
ここまでの内容を、実際に手を動かす順番でまとめます。
- まずは手持ちのPCにVOICEVOXかAivisSpeechを入れて声を聴き比べる
- 使う声が決まったら、その声の利用規約を個別に読む
- 収益化するなら、NC(非商用)表記がないかを先に確かめる
- VOICEVOXを使ったら、動画は概要欄などにクレジットを入れる
- GPUを検討するのは、自分の声を学習させたくなってからで遅くない
無料の音声合成AIは、性能よりも規約でつまずきます。逆に言えば、使う声の条件さえ押さえれば、費用ゼロのまま動画づくりの幅がぐっと広がります。
次に読むなら、逆方向の技術をまとめた文字起こしAIとは?Whisperを無料でPCで動かす方法と必要スペックがおすすめです。GPU選びまで踏み込みたい方はローカルLLMに必要なVRAMは何GB?へどうぞ。
- 音声合成AIは本当に無料で商用利用できますか?
-
VOICEVOXは公式が「クレジット表記をして頂ければ商用・非商用問わず使用できます」としています。AivisSpeechも本体はクレジット表記が不要です。ただし使う音声モデルやキャラクターごとの規約が別にあるため、そちらの確認が必要です(2026年9月6日時点)。
- ネットに繋がっていなくても音声合成AIは使えますか?
-
AivisSpeechは公式が、初回起動時のみモデルデータのダウンロードでインターネット接続が必要で、2回目以降はPCがオフラインでも使えると説明しています。PCに入れるタイプは、基本的に手元だけで処理が完結します。
- GPUがないPCでも無料の音声合成AIは動きますか?
-
読み上げるだけなら動くことが多いです。AivisSpeechの公式は「CPU だけでもサクサク使える」としており、起動には1.5GB以上の空きメモリが必要と案内しています。自分の声を学習させる場合はNVIDIA製GPUが要ります。
- 音声合成AIと文字起こしAIは何が違いますか?
-
向きが逆です。音声合成AIは文章を入力して音声を作り、文字起こしAIは音声を入力して文章にします。動画制作なら、ナレーションが音声合成AI、字幕の下書きが文字起こしAIという使い分けです。
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