GoogleがGemini 3.8 Flashを発表しました。ただ、前の3.7 Flashが出たのは3週間ほど前です。「またバージョンが上がったの?」と戸惑った方も多いはずです。
そして今回いちばん引っかかるのが、無料のGeminiアプリでは、まだ3.8 Flashを選べない点です。公式の案内でアプリの対象は、Google AI Pro・Ultraの加入者だけでした。
この記事では2026年9月4日時点の公式ブログと公式ドキュメントを実際に開いて確認しながら、3.7 Flashからの変更点、無料で触れる場所、料金、PCへの影響を整理します。
Gemini 3.8 Flashは、Googleが2026年9月2日(米国時間)に発表した主力モデルの最新版です。Geminiアプリで使えるのは有料のAI Pro・Ultra加入者だけですが、Google AI Studioの無料枠なら誰でも試せます。
- 中身は3.7 Flashの改良版。コーディングや多段階の調べもので精度が上がった
- 無料プラン・AI Plusへの提供は、2026年9月4日時点で公式に案内されていない
- クラウドで動くので、手元のパソコンに高性能なグラフィックボードは不要
Gemini 3.8 Flashとは?3.7 Flashを土台にした最新の主力モデル
Gemini 3.8 Flashとは、Googleが2026年9月2日(米国時間)に発表した、コーディングやエージェント作業に強い最新のFlashモデルです。日本語版の公式ブログは翌9月3日公開です。
公式ブログの表現は「ソフトウェア エンジニアリング、エージェント タスク、そして専門領域における重要な多段階推論において、3.7 Flash から進化した最も高性能な主力モデル」。ゼロから作り直した別物ではなく、3.7 Flashの改良版です。
Geminiのモデルは軽量なFlash-Lite・標準のFlash・上位のProに分かれます。公式ヘルプはFlashを「スピードと推論のバランスが取れた、より強力なモデル」と説明しており、ふだん使いの中核にあたります。
よくある疑問:同時に発表された「3.8 Flash Cyber」って何?自分も使えるの?
Gemini 3.8 Flash Cyberは、ソフトウェアの弱点を見つけて自動で修正パッチを当てるモデルです。新設の「Fairwind Program」を通じて政府機関や重要インフラ事業者へ優先提供されるため、個人が使う種類ではありません。

名前が似ていて紛らわしいのですが、私たちが触れるのは無印の「3.8 Flash」のほうです。
3.7 Flashから何が変わった?性能・思考レベル・トークン上限
Google DeepMindのモデルページに、3.7 Flashと並べたテスト結果が載っています。名前だけでは分かりにくいので、何を測るテストかも添えました。
| テスト(何を測るか) | 3.8 Flash | 3.7 Flash |
|---|---|---|
| Vals Finance Agent v2 (金融の実務作業を任せる課題) | 61.4% | 59.0% |
| Harvey’s Legal Agent (法務の実務作業を任せる課題) | 10.0% | 8.8% |
| HLE-Verified (各分野の難問集) | 54.9% | 53.6% |
伸び幅は1〜2ポイント台で、専門的な作業を任せる場面で着実に前進したという読み方が近いです。点数と普段の使い心地は必ずしも一致しませんので、数字だけで期待しすぎないほうが安全でしょう。
「より念入りに考える」設計になった
公式ブログによると3.8 Flashは、複雑な作業では追加の推論ステップを踏み、道具を繰り返し呼び出して答えにたどり着きます。エージェント(=AIが自分で手順を考えて作業を進める仕組み)としての粘り強さを高めた形です。
この「どれだけ考えるか」はlow・medium・highの3段階から選べます。標準はmediumで、より軽いminimalは指定するとエラーです。考える量を増やすほど賢くなる代わりに、時間とトークンの消費が増えます。
一度に読み込める入力は約100万トークン、出力は約6万4千トークンで、画像や音声、PDFも渡せます。ただし知識の区切りはほとんどの分野で2026年3月までで、それより新しい話題は検索と組み合わせないと答えられません。
安全性は改善と後退が混ざっている
窓の杜の報道によると、悪意ある指示文でAIを乗っ取るプロンプトインジェクションの耐性テストでは、攻撃の成功率が3.7 Flashの9.2%から5.5%へ改善しました(低いほど優秀)。
ただしモデルカードは、全体では3.7 Flashと同等かやや改善としつつ、多言語での安全性は少し後退したとも明記しています。もっともらしい間違いを作る現象も、他の基盤モデルと同様に起こりえます。
Gemini 3.8 Flashは無料で使える?アプリ・検索・AI Studioの違い


ここがいちばん知りたいところでしょう。結論から書くと、チャットアプリで使うなら有料、開発者向けのAI Studioなら無料で試せるという分かれ方です。
2026年9月4日時点で公式の各ページを開いて確認した結果が、次の表です。
| 使う場所 | 3.8 Flashを選べるか | 確認した内容 |
|---|---|---|
| Geminiアプリ(無料・AI Plus) | 案内なし | 契約ページの無料欄は「3.6 Flash へのアクセス」のまま |
| Geminiアプリ(AI Pro / Ultra) | 対象 | 公式ブログが提供先として明記 |
| Google検索のAIモード Googleスプレッドシート | AI Pro / Ultraが対象 | 公式ブログが明記。AIモードは海外報道で「+」から選ぶ |
| Google AI Studio・Gemini API | 無料枠で利用可 | 公式の料金表でFree tierが「Free of charge」 |
契約ページを見ると、無料プラン(¥0)の説明は「3.6 Flash へのアクセス」のまま。AI Proは月2,900円、AI Ultraは月14,500円からです。リリースノートも最新は2026年8月19日付で、3.8 Flashの案内は出ていません。
3.8 Flashを使いたいだけならAI Proで足ります。公式は提供先としてAI ProとUltraを並べて挙げており、上位のUltraにしても3.8 Flashの中身が良くなるわけではありません。Ultraとの差は使用量の上限や先行機能の範囲なので、まずはProで様子を見るのが無難でしょう。
つまり「無料版には来ない」と決まったのではなく、まだ案内が出ていない状態です。前世代のGemini 3.6 Flashは無料プランでも選べるので、時間差で降りてくる可能性はあります。



日本の大学生向けにAI Plusを12か月無料にする案内も出ています。ただしAI Plusで3.8 Flashが使えるかは公式に明記されていません。
Google AI Studioで無料で試す手順と注意点
「課金する前に試したい」場合の答えがGoogle AI Studioです。開発者向けの実験用サイトですが、Googleアカウントがあればブラウザから触れます。
公式の料金ページによると、新しいアカウントは無料枠から始まり、各モデルの上限までAI Studioを使えます。クレジットカードの登録も要りません。
Google AI Studioにアクセスし、Googleアカウントでログインします。初回は利用規約への同意が必要です。
モデル選択欄から、モデルID「gemini-3.8-flash」にあたる項目を選びます。公式では新しい安定版の扱いです。
あとは普通のチャットと同じです。思考レベルの設定があれば、まず標準のmediumで感触を確かめてみてください。
無料枠にはレート上限(=一定時間に送れる回数の上限)があります。困る場合だけ、画面内の課金設定から有料枠へ切り替えます。
ただし見落としやすい条件があります。公式の料金表には、無料枠では入力内容が製品改善に使われうると記載され、有料枠では使われないと明記されています。
無料枠には、氏名や住所などの個人情報、勤務先の機密資料を貼り付けないでください。
お試しなら架空の文章や公開情報でも実力は確かめられます。業務や商用のデータを扱うなら、入力内容が製品改善に使われないと公式に明記されている有料枠か、会社が契約しているサービスを使うほうが安心です。
料金はいくら?2027年1月の値上げと費用が増える理由
APIとして使う場合の料金は公式の料金表のとおりで、単価そのものは3.7 Flash・3.6 Flashと同じです。
| 区分 | 2026年12月31日まで | 2027年1月1日から |
|---|---|---|
| 入力 100万トークンあたり | 0.75ドル | 1.50ドル |
| 出力 100万トークンあたり | 3.75ドル | 7.50ドル |
| 無料枠 | Free of charge | レート上限あり |
見落としやすいのが右の列です。2027年1月1日から入力・出力とも単価が2倍になると公式に予告されています。APIを本格的に使う予定なら、年明けの費用も見ておくと安心です。
6週間で3回のFlash更新を並べてみる
| 発表日(米国時間) | モデル | 料金の動き |
|---|---|---|
| 2026年7月21日 | Gemini 3.6 Flash | この時点の価格 |
| 2026年8月13日 | Gemini 3.7 Flash | 導入価格が3.6 Flashの半額に |
| 2026年9月2日 | Gemini 3.8 Flash | 3.7 Flashと同額で据え置き |
大幅に安くなったのは3.7 Flashのときで、3.8 Flashでさらに値下げされたわけではありません。3.7・3.6も安定版として残り廃止日は示されていないので、急いで乗り換える必要はないということです。
単価が同じでも支払いが増えることがある
海外メディアのThe Registerは、3.8 Flashは出力トークンが増えるため、単価が同じでも1作業あたりの費用が約40%増える場合があると報じています。「より念入りに考える」設計の裏返しです。ただし関係するのは従量課金でAPIを使う人だけで、アプリを月額で使う分には増えません。



アプリで使う人は月額だけ、APIで使う人は使った量ぶん。同じモデルでも料金の考え方が違います。
PC選びへの影響|クラウドAIならGPUは不要


Gemini 3.8 Flashの計算は、すべてGoogleのサーバー側で行われます。手元のパソコンは、文字を送って結果を表示しているだけです。
ですから「最新のAIのために高性能なグラフィックボードを買う」判断は、この用途では必要ありません。数年前のノートパソコンでも答えの賢さは同じです。体感に響くのはむしろ、複数タブを開いても重くならないメモリの余裕と回線の安定です。
一方で「社外に文章を出したくない」という理由で、AIを自分のパソコンの中で動かしたい人もいます。この場合はグラフィックボードのVRAM容量がものを言うので、判断軸がまったく別になります。
必要なスペックはローカルLLMとは?必要なPCスペックで整理しています。クラウドと手元のどちらに寄せるかを先に決めれば、無駄な出費を避けられます。
まとめ|急いで課金する必要はないが、試す価値はある
- Gemini 3.8 Flashは2026年9月2日(米国時間)発表。3.7 Flashを土台にした主力モデルの最新版
- 専門作業で1〜2ポイント台の前進。プロンプトインジェクション耐性も改善
- Geminiアプリで使えるのはAI Pro・Ultra加入者。無料とAI Plusは9月4日時点で案内なし
- Google AI Studioの無料枠なら、カード登録なしで試せる。個人情報・機密は入れない
- API料金は入力0.75ドル・出力3.75ドル(100万トークン)。2027年1月1日から2倍
6週間で3回もモデル名が変わると、追いかけるだけで疲れてしまいます。ただ無料プランの表示が3.6 Flashのままである以上、多くの人にすぐ何かが起きるわけではありません。
気になる方は、まずGoogle AI Studioの無料枠で試してみてください。足りないと感じたときに有料プランを検討すれば十分です。動きが早い分野なので、判断の前に公式サイトの最新情報を確認してください。
- 無料のGeminiアプリでGemini 3.8 Flashは使えますか?
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2026年9月4日時点では案内が出ていません。公式ブログの提供先はGoogle AI Pro・Ultra加入者で、契約ページの無料プラン欄も「3.6 Flash へのアクセス」のままです。対象外と明言されたわけではないため、今後の案内待ちです。
- 月725円のGoogle AI Plusでは使えませんか?
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公式の提供先にAI Plusの記載はなく、2026年9月4日時点では分かっていません。確実に使いたい場合は、公式が提供先として明記しているGoogle AI Pro(月2,900円)以上が対象です。
- お金をかけずに試す方法はありますか?
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Google AI Studioの無料枠が使えます。公式の料金表でFree tierは「Free of charge」で、カード登録なしで始まります。ただし無料枠では入力内容が製品改善に使われうるため、個人情報や機密資料は入れないでください。
- Gemini 3.7 Flashや3.6 Flashはもう使えなくなりますか?
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2026年9月4日時点では、どちらも公式のモデル一覧に安定版として掲載され、廃止日は示されていません。3.7 Flashは引き続きサポートされる旨も記載されています。
- 使うために高性能なパソコンは必要ですか?
-
必要ありません。計算はGoogleのサーバー側で行われるため、ブラウザが快適に動くパソコンと安定した回線があれば十分です。グラフィックボードが要るのは、AIを自分のPCの中で動かす場合だけです。
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