ローカルAIの電気代はいくら?GPU別の月額目安と抑えるコツを解説

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ローカルAIの電気代はいくら?GPU別の月額目安と抑えるコツを解説

自分のPCで画像生成AIやローカルLLMを動かしてみたい。でも、ローカルAIの電気代がどれくらい増えるのか分からず、手を出しにくい——そう感じている方は多いはずです。

ネット上には「画像1枚で数十円かかる」といった話も流れていて、余計に不安になります。

結論から言えば、多くの方が心配している場所は少しずれています

この記事では、NVIDIA公式の消費電力と、家電公取協が示す目安単価だけを使って電気代を計算します。試算の前提もすべて公開するので、ご自身の構成に置き換えて計算し直せます。

この記事の結論
  • ローカルAIの電気代は、GPUの消費電力と動かした時間でほぼ決まる
  • RTX 5070搭載PCを毎日2時間なら1か月で約810円(31円/kWhで試算)
  • 画像を1,000枚作っても数十円。生成の回数を我慢する必要はない
  • 24時間つけっぱなしのほうが高い。待機60Wなら1か月で約1,340円
  • 電気代より先に、そのGPUに必要な電源ユニットの容量を確認したい
目次

結論:ローカルAIの電気代はGPUの消費電力と使った時間で決まる

ローカルAIとは、クラウドのサービスを使わず、自分のPCの中でAIモデルを動かす使い方のことです。画像生成AIやローカルLLMを手元で動かすのがこれに当たります。

このときの電気代は、難しい要素で決まりません。GPUの消費電力(W)と、動かした時間のかけ算がほぼすべてです。

たとえばRTX 5070を載せたPCなら、AIを動かしている間の電気代は1時間あたり約13.6円。毎日2時間使っても1か月で約810円という水準です。

缶コーヒー数本ぶん、と言い換えてもいいでしょう。生成のたびに財布が痛む、という電気代ではありません。

そして、この記事でいちばんお伝えしたいのはここです。電気代を決めているのは生成した枚数ではなく、PCの電源を入れっぱなしにしている時間のほうです。

どのくらいのGPUが必要かという話はいったん置いて、ここからは電気代に絞って進めます。

ローカルAIの電気代の計算方法|GPUの消費電力だけでは足りない

コンセントから電源ユニットを通ってGPUとその他のパーツへ電気が流れ、途中で変換ロスが出る関係を示したイメージ図。ローカルAIの電気代を計算する土台になる

よくある疑問:GPUの消費電力が250Wなら、そのまま250Wぶんの電気代になるの?

ここが最初のつまずきどころです。答えは「もっとかかる」。理由を順に見ていきます。

電気代の基本の式と1kWh=31円の根拠

電気代の計算式そのものは、とてもシンプルです。

電気代 = PC全体の消費電力(kW)× 使った時間(h)× 1kWhあたりの単価

kWh(=1,000Wの機器を1時間動かしたときの電力量)は、電気の請求で使われる単位です。1kWhあたりいくら、という形で単価が決まります。

この記事では単価に31円/kWh(税込)を使います。全国家庭電気製品公正取引協議会が公表している電気料金の目安単価で、同協議会のQ&Aによると令和4年7月22日に改定された値です。

この目安単価は、経済産業省の電力・ガス取引監視等委員会が公表する「電力取引報」の集計値などに基づいて算出されています。

ただし、これはあくまで計算用の目安です。実際の単価は契約プラン・地域・時間帯で変わるため、この記事の電気代も「31円/kWhで計算した目安」として読んでください。

GPUのTotal Graphics Powerは「パーツ単体」の数字

NVIDIAの公式仕様表には、Total Graphics Power(=GPUというパーツ単体が使う電力の上限)という項目があります。RTX 5070なら250W、RTX 5090なら575Wと書かれています。

ここで注意したいのが、この数字はコンセントから引く電力ではないということ。あくまでGPU1枚ぶんの値です。

PCが実際に壁から吸っている電力は、これより必ず大きくなります。上の図のように、足し算される要素が2つあるからです。

その他のパーツと電源ユニットの変換ロスを足す

1つめはGPU以外のパーツです。CPU・メモリ・SSD・ファン・マザーボードも電気を使います。この記事では、まとめて100Wと仮定して計算します。

2つめは電源ユニットの変換ロス。コンセントの電気をPC内部用に作り替えるとき、一部が熱として失われます。

その効率の基準が80 PLUS認証です。公式のプログラム説明では、定格負荷の10%・20%・50%・100%の各時点で80%以上のエネルギー効率と、0.9以上の真の力率を要求すると書かれています。

この記事では効率80%、つまり認証の下限側で見積もります。

以上をまとめると、この記事の試算条件は次のとおりです。

項目この記事で置いた値
電力単価31円/kWh(税込・家電公取協の目安単価)
GPU以外のパーツ合計100Wと仮定
電源ユニットの効率80%と仮定(80 PLUS認証の下限)
PC全体の消費電力(GPUのTGP+100W)÷ 0.8
含めていないものモニター・ルーターなどの周辺機器

「その他100W」と「効率80%」は事実ではなく、あくまでこの記事が置いた仮定です。構成によって上下しますので、気になる方は自分のパーツの値に差し替えてみてください。

電源の認証ランクごとの効率差や、ゴールド・ブロンズの違いは電源そのものの記事に任せています。ここでは「ロスがある」だけ押さえておけば十分です。

なお、AIを動かしていない普段のゲームや作業も含めた話はゲーミングPCの電気代は月いくら?で解説しています。この記事はそこから切り分けて、ローカルAIを動かしている間に増える分だけを見ていきます。

GPU別に見るローカルAIの電気代の目安|1時間・1か月でいくら

ここからが本題です。NVIDIA公式のTotal Graphics Powerを前の条件に当てはめて、GeForce RTX 50シリーズ6機種の電気代を出しました。

1日2時間・1日8時間で1か月いくらになるか

GPUTotal Graphics PowerPC全体(試算)1時間の電気代1日2時間×30日1日8時間×30日
RTX 5060145W約306W約9.5円約570円約2,280円
RTX 5060 Ti180W約350W約10.9円約650円約2,600円
RTX 5070250W約438W約13.6円約810円約3,260円
RTX 5070 Ti300W約500W約15.5円約930円約3,720円
RTX 5080360W約575W約17.8円約1,070円約4,280円
RTX 5090575W約844W約26.2円約1,570円約6,280円

Total Graphics PowerはいずれもNVIDIA公式の製品ページに記載された値です(2026年9月14日確認)。電気代は31円/kWhで計算した目安です。

GPU別・1日2時間×30日のローカルAIの電気代の目安RTX 5060570円RTX 5070810円RTX 50801070円RTX 50901570円

表を見ると、電気代の輪郭がつかめます。ミドルクラスのRTX 5060〜5070なら、毎日2時間の利用で1か月1,000円未満に収まります。

いちばん重いRTX 5090でも、毎日2時間なら約1,570円。1日8時間をまるまるフル稼働させて、ようやく6,000円台に届く水準です。

ただし、実際にGPUが常に上限いっぱいまで電力を使うわけではありません。モデルの重さや設定によって、消費電力は上限より低くなることもあります。表の値は「いちばん多く使ったとき」に近い見積もりです。

画像1枚あたりの電気代は「銭」の単位

「1枚生成するといくら?」も気になるところでしょう。仮に1枚10秒で作れるとして計算すると、桁の感覚がはっきりします。

GPU画像1枚のローカルAIの電気代画像1,000枚
RTX 5060約0.026円(約3銭)約26円
RTX 5070約0.038円(約4銭)約38円
RTX 5080約0.050円(約5銭)約50円
RTX 5090約0.073円(約7銭)約73円

1,000枚作っても数十円です。気に入らない絵を何度も描き直しても、電気代の面では気にするほどの差になりません。

もちろん「10秒で1枚」は計算のための仮定にすぎません。実際の生成時間はモデル・解像度・ステップ数で大きく変わります。

とはいえ、仮に1枚1分かかったとしても6倍、RTX 5070で1枚あたり約0.23円です。桁が変わるほどの話にはなりません

「1枚で数十円」という話を見かけたら、まず桁を疑ってみてください。家庭用のPCで作る1枚は、数銭の世界です。

生成中よりも待機時間のほうがローカルAIの電気代は高くなる

1日のうち生成中は短い時間だけ電力が高くなり、待機中は低いままずっと続くことを示したイメージ図。ローカルAIの電気代は待機時間に左右される

よくある疑問:たくさん生成した月は、電気代がはっきり上がるものなの?

意外に思われるかもしれませんが、そこはあまり動きません。動くのは、PCをつけていた時間のほうです。

AIを動かしていなくても、電源が入っている限りPCは電力を使い続けています。この状態がアイドル(=待機)です。1か月つけっぱなしにした場合を見てみましょう。

待機中のPC全体の消費電力24時間×30日の電気代
30W約670円
60W約1,340円
80W約1,790円

待機時の消費電力はPCの構成で大きく変わるため、3パターンを並べました。ご自身のPCが何Wかは、測ってみないと分かりません。

それでも、比べると関係がはっきりします。RTX 5070で毎日2時間AIを動かして約810円。同じPCを24時間つけっぱなしにすると(待機60W想定で)約1,340円です。

つまり「生成しすぎたから高い」のではなく、「消していない時間が長いから高い」のです。上の図で言えば、背の高い山より、低くて端まで続く帯のほうが面積が広いということになります。

ここから導かれる行動はシンプルです。生成の回数を我慢するより、使わない時間にスリープさせるほうが電気代に響きます。

つけっぱなしとシャットダウンのどちらが良いかは、寿命の話も絡んで一概には決められません。判断材料はパソコンはつけっぱなし?毎回シャットダウン?にまとめています。

ちなみに、自分のPCの消費電力を確かめる方法も知っておくと便利です。Windowsのタスクマネージャーには消費電力の項目がありません。

GPU単体の電力は、モニタリングソフトのGPU Power表示で確認できます。コンセント側の実際の電力を知りたいなら、ワットチェッカーを挟むのが確実です。

スリープからの復帰は数秒です。「またすぐ使うから」と点けたままにしている時間こそ、いちばん削りやすいところです。

電気代より先に確認したいGPUの電源ユニット容量

ローカルAIのために新しいGPUを足すなら、電気代の前に確認すべきことがあります。その電源ユニットで、そもそも動くのかです。

NVIDIAは公式仕様表に、Total Graphics Powerとは別に「Required System Power(システム要件 電力)」という必要な電源ユニットの容量を載せています。

GPUTotal Graphics Power必要システム電源容量補助電源
RTX 5060145W550WPCIe 8ピン×1 または300W以上のPCIe Gen 5ケーブル×1
RTX 5060 Ti180W600WPCIe 8ピン×1 または300W以上のPCIe Gen 5ケーブル×1
RTX 5070250W650WPCIe 8ピン×2 または300W以上のPCIe Gen 5ケーブル
RTX 5070 Ti300W750WPCIe 8ピン×2 または300W以上のPCIe Gen 5ケーブル
RTX 5080360W850WPCIe 8ピン×3 または450W以上のPCIe Gen 5ケーブル×1
RTX 5090575W1000WPCIe 8ピン×4 または600W以上のPCIe Gen 5ケーブル×1

いずれもNVIDIA公式の製品ページに記載された値です(2026年9月14日確認)。

RTX 5090は1000W以上の電源ユニットが前提です。しかもNVIDIAは、この最小要件がRyzen 9 5900Xを搭載したPCを基準にした値だと注記しています。

手元のPCが650W電源のままRTX 5080や5090へ載せ替えると、NVIDIAが示す必要容量を大きく下回ります。GPUだけ買い替えても、電源が足りなければ起動しない・高負荷時に落ちるといったことが起こり得ます

補助電源のケーブルも見落としがちです。RTX 5070とRTX 5070 Tiは、PCIe 8ピン2本か300W以上のPCIe Gen 5ケーブルを使います。

RTX 5080は8ピン3本、RTX 5090は8ピン4本が必要です(いずれもNVIDIA公式・2026年9月14日確認)。古い電源だと本数が足りないこともあります。

容量の考え方はゲーミングPCの電源は何Wあれば安心?で詳しく整理しています。自分で容量と本数を確認するのが不安な場合、BTOのように構成に合わせて電源が選ばれている買い方のほうが安心です。

\AI時代の相棒探し/

電気代は月に数百円〜数千円の話ですが、電源不足は故障や作業中のシャットダウンにつながります。先に見るべきはこちらです。

ローカルAIの電気代を抑える4つの方法

ここまでの数字をふまえると、効果の出る順番も見えてきます。大きく2つの方向に分けて整理します。

待機時間を減らす(いちばん効果が大きい)

1つめは使わない時間にスリープか電源オフにすること。前の章のとおり、ここがローカルAIの電気代でいちばん大きな部分です。

2つめはたくさん作るときはまとめて生成すること。1枚ずつ思い出したように動かすと、その合間にPCが待機したままになります。

作りたい内容をためておいて一気に処理すれば、同じ枚数でもPCがついている時間が短くなります。

消費電力そのものを下げる

3つめはGPUの電力制限やアンダーボルトです。上限を少し下げると消費電力が落ち、静音・低発熱にもつながります。

手順はグラボのアンダーボルト・電力制限で静音&低発熱にする方法にまとめました。設定を触るので、変更前の値は必ず控えておいてください。

4つめは軽いモデルを選ぶこと。量子化された小さめのモデルなら、同じ結果までの時間が短くなり、その分だけ電気代も下がります。

モニターの明るさや電気料金プランの見直しといった一般的な節約は、AIに限らずPC全体の話です。そちらは前に挙げたゲーミングPCの電気代の記事にまとめてあります。

やることローカルAIの電気代への効き方
使わない時間はスリープいちばん大きい。待機していた時間がそのまま減る
まとめて生成する大きい。合間の待機時間が消える
GPUの電力制限中くらい。生成中の消費電力が下がる
軽いモデルを選ぶ中くらい。生成そのものの時間が短くなる

まとめ|ローカルAIの電気代は待機時間で決まる

数字を並べてみると、心配すべき場所が最初の印象とは違っていたことが分かります。

この記事のまとめ
  • GPUのTotal Graphics Powerに、その他100Wと変換ロスを足して考える
  • ミドルクラスなら毎日2時間の利用で1か月1,000円未満に収まる
  • 削るなら生成の回数ではなく、消し忘れている待機時間から
  • GPUを足す前に、必要システム電源容量と補助電源の本数を確認
  • 単価・消費電力は変わるので、最新は公式サイトで確認を

電気代を理由にローカルAIをあきらめる必要は、まずありません。気にするなら、寝る前にPCを消すことと、GPUに見合った電源を選ぶこと。この2つだけで十分です。

ローカルAIの電気代に関するよくある質問

クラウドの月額課金サービスと比べて、ローカルAIの電気代は安いですか?

電気代だけを取り出せば、毎日2時間の利用で月1,000円前後(31円/kWhで試算)に収まる機種が多く、安く見えます。ただし比べるときはPC本体の価格も合わせて考える必要があります。クラウド側の料金は変わりやすいので、最新は各サービスの公式サイトで確認してください。

電気代が急に上がったのは、ローカルAIを始めたせいでしょうか?

生成そのものが原因とは考えにくいです。この記事の試算では、ミドルクラスのGPUを毎日2時間動かしても1か月で数百円の水準にとどまります。それより、PCをつけっぱなしにする時間が伸びていないか、エアコンなど消費電力の大きい家電の使い方が変わっていないかを先に見てみてください。

ノートPCでもローカルAIの電気代は同じくらいかかりますか?

一般にノートPC向けのGPUは消費電力の枠が小さく設定されるため、同じ名前のGPUでもデスクトップより低くなる傾向があります。ただし機種ごとに設定値が違うので、この記事の表をそのまま当てはめることはできません。メーカーの仕様表で確認するのが確実です。

電気代のために、生成する回数を減らしたほうがいいですか?

その必要はありません。画像1,000枚でも数十円という桁なので、回数を我慢しても電気代はほとんど変わりません。同じ労力をかけるなら、使わない時間にスリープさせるほうがはっきり効果が出ます。

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この記事を書いた人

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