Sakana Fuguという名前を、最近どこかで見かけた方もいるのではないでしょうか。東京のSakana AIが開発したAIで、2026年9月11日に新しいモデルが発表されたばかりです。
ただ、調べてみると「マルチエージェント」「オーケストレーション」といった耳慣れない言葉が並びます。結局のところ普通のAIチャットと何が違うのか、そこが分かりにくいですよね。
この記事では、Sakana Fuguの仕組み、無料でどこまで試せるのか、そして自分のPCで動かせるのかという3点を、2026年9月13日時点の公式情報をもとに整理します。
- Sakana Fuguは、1つのAIに見えて中身は複数のAIが分担する仕組み
- 提供元は東京のSakana AI。2026年9月11日に最新版を発表
- 無料のSakana Chatなら、ブラウザから料金なしで試せる
- 有料は月額20ドルから。API利用は使った分だけの従量課金
- 自分のPCへ入れて動かす方法は公開されておらず、GPUもVRAMも不要
Sakana Fuguとは?複数のAIを使い分けて答える日本発の「まとめ役」AI
Sakana Fuguとは、東京に拠点を置くSakana AIが提供する、裏側で複数のAIモデルに役割を分担させながら、利用者からは1つのAIに見えるようにまとめたサービスです。
公式サイトはこれを「マルチエージェントのシステムを、1つのモデルとして届ける」と表現しています。
普通のAIチャットが「1人の専門家に全部聞く」形だとすれば、Sakana Fuguは受付が用件を聞いて担当者に振り分け、別の担当が答え合わせをしてから返す形に近いイメージです。窓口が1つしかないので、使う側は中の分担を意識せずに済みます。
一般提供が始まったのは2026年6月22日で、そこから改良が続いています。そして2026年9月11日に、最新のFugu Ultra v2とFugu Maxが発表されました。
| 比べる点 | 一般的なAIチャット | Sakana Fugu |
|---|---|---|
| 答えるAI | 1つのモデルが最初から最後まで担当 | 複数のモデルが役割ごとに分担 |
| モデルの選択 | 利用者が自分で選ぶ | Sakana Fuguが内容を見て自動で振り分ける |
| 提供元 | 米国企業が中心 | 東京のSakana AI |
Sakana Fuguの仕組み|考える・作業する・確かめるの3役に分かれる

Sakana Fuguの中心にあるのは、複数のAIに役割を割り振って協力させるという考え方です。この「複数のAIが手分けして1つの仕事をこなすやり方」がマルチエージェント(=AIをチームとして働かせる設計)と呼ばれています。
公式サイトによると、Sakana FuguはタスクごとにThinker(考える役)・Worker(作業する役)・Verifier(確かめる役)の3つの役割を割り当てて処理を進めます。
| 役割 | 日常の言葉にすると | 担当する内容 |
|---|---|---|
| Thinker | 方針を立てる人 | どう解くかを考える |
| Worker | 手を動かす人 | 実際に書く・作る |
| Verifier | 点検する人 | できたものを確かめる |
1人で全部やるより、点検役がいる分だけ抜けや間違いが減りやすくなります。この協調のやり方は、ICLR 2026に採択された「TRINITY」と「Conductor」という2本の論文が土台になっていると公式サイトが明記しています。
中ではどのAIが使われているの?
公式サイトは「多様で強力なモデルのプールを動的に組み合わせる」と説明していますが、個々のモデル名までは原則として公開していません。
分かっているものもあります。Fugu Maxでは、NVIDIAが公開しているモデル群「Nemotron」が新たに連携先へ加わったと報じられました。
また、標準のFuguなら、利用者側で特定のプロバイダーやモデルを除外する設定もできます。ただしFugu UltraとFugu Maxは、性能を出すために連携先のプールが固定されています。
いずれの場合も、実際にどのAIが呼ばれたのかを利用者側から完全に追いかけることはできないと複数の解説記事が指摘しています。
自分で複数のAIを使い分けるのと何が違う?
よくある疑問:ChatGPTとGeminiを用途で使い分けているけど、それとどう違うの?
一番の違いは、選ぶのが自分ではなくSakana Fugu側だという点です。質問の内容を見て、どのAIに任せるか、どこで別のAIへ引き継ぐかをSakana Fuguが自動で判断します。
OpenRouterのように複数のモデルへまとめて接続できるサービスもありますが、あちらは利用者がモデルを指名する形が基本です。
AIが自分で段取りを決めて動くという考え方については、AIエージェントとは?ChatGPTとの違いと使い方を初心者向けに解説でも整理しています。
2026年9月11日に登場したSakana Fuguの新モデル2種
Sakana AIは2026年9月11日、性能重視のFugu Ultra v2と、コスト重視のFugu Maxを公開しました。どちらも同日からOpenAI互換のAPI経由で使えるようになったと報じられています(Sakana AI公式リリース・2026年9月13日確認)。
OpenAI互換というのは、ChatGPTのAPIと同じ呼び方で使えるという意味です。すでに使っている人は、設定を1行変えるだけで新しい構成へ移行できるとされています。
| Sakana Fuguのモデル | 公式サイトでの位置づけ |
|---|---|
| Fugu | 性能と応答の速さのバランス型 |
| Fugu Ultra | 性能重視。複雑なタスク向け |
| Fugu Max | コストパフォーマンス重視 |
| Fugu Cyber | サイバーセキュリティ特化 |
Fugu Ultra v2=性能を優先するモデル
ITmedia AI+の報道によると、Fugu Ultra v2はDeepSWEなど一部のベンチマークで、他社の上位モデルを上回るスコアを示したとされています。
比較対象に挙がっているのは、OpenAIのGPT-6 Astra、AnthropicのClaude Fable 5.1とClaude Fable 5です。
公式サイトの掲載では、8つのベンチマークのうち5つで最高(または最高タイ)、7つでトップ2という成績です。対象はGDP.pdf、Chartography、DeepSWE、Toolathon、SWEFishなどが挙げられています。
ただしSakana AIは、Fugu Ultra v2がこの3モデルを連携先に含んでいないと明記しています。他社の最上位モデルを借りてこのスコアを出したわけではない、という説明です。理由や内訳までは公表されていません。
Fugu Max=コストを優先するモデル
Fugu Maxは、Terminal Bench 2.1・GPQAD・AA-LCR・GDP.pdf・AutomationBench・SWEFishの6つで最高スコアだったと公式サイトに掲載されています。
10のベンチマークのうち7つで、コスト対性能の面でも前進したとしています。
価格面では、GPT-5.6 Terra・Claude Sonnet 5・Kimi K3と比べて出力価格を40〜60%低減したとSakana AIが述べています。先ほど触れたNemotronの追加も、このモデルの更新点として挙げられています。
ベンチマークの数字はどう読めばいい?
ベンチマークはAIの実力を測る共通テストのようなものです。ただし科目が違えば順位も変わります。
たとえば上に出てきたSWEFishは、Sakana AIの社内ベンチマークだと公表されています。自社が作ったテストである点は、数字を見るときに頭の片隅に置いておきたいところです。
そのため「ベンチマークで勝ったから乗り換える」という決め方はおすすめしません。自分がよく頼む作業で実際に試し、返答の質と速さが合うかで判断する方が確実です。

なお、サイバーセキュリティに特化したFugu Cyberもあります。こちらは料金が問い合わせ対応で、個人向けというより法人向けの位置づけです。
Sakana Fuguの料金|無料で試す方法と有料プランの違い
Sakana Fuguを使うルートは大きく2つあります。ブラウザで使う無料のSakana Chatと、月額または従量課金で使うAPIです。
まずは無料のSakana Chatで試す
Sakana Chatは、ブラウザから使えるAIチャットです。2026年8月13日のアップデートで、それまでAPI経由だけだったSakana Fuguが、ここから直接選べるようになりました。
選べるモデルはSakana Fuguと、日本語に強いSakana Namazuの2つです。
PCでもスマートフォンでも構いません。アプリのインストールは不要です。
初期状態ではもう一方のモデルが選ばれていることがあります。切り替えを忘れないようにしてください。
報道では、Sakana Fuguの選択にメールアドレスの登録が必要とされています。求められなければそのまま進んで問題ありません。
2026年8月13日のアップデートで、サンドボックス上でのPythonコード実行、HTMLやファイルのプレビュー、画像・PDF・Word・Excelの添付にも対応しました。
ここで正直に書いておきたい点があります。Sakana FuguをSakana Chatで選ぶにはメールアドレスの登録が必要とITmedia AI+が伝えている一方、ログイン不要で使えるとする解説記事もあり、記載が分かれています。
案内は変わることがあるので、実際の画面表示に従ってください。もうひとつ、無料枠で動いているのがFugu Ultra v2なのかFugu Maxなのかは公表されていません。
有料プランとAPIの料金
もっと使いたい場合は月額プランがあります。以下は2026年9月13日時点で公式サイトに掲載されていた内容です。
| プラン | 月額 | 利用量の目安 |
|---|---|---|
| Standard Plan | 20ドル | 基準 |
| Pro Plan | 100ドル | Standardの10倍 |
| Max Plan | 200ドル | Standardの20倍 |
Fugu Max(モデル名)とMax Plan(月額200ドルのプラン名)は別物です。名前がよく似ているので、契約する前に必ず見分けてください。
APIを直接使う場合は、使った分だけの従量課金になります。単位は100万トークンあたりです。
| モデル | 入力 | 出力 | キャッシュ入力 |
|---|---|---|---|
| Fugu Ultra | 5ドル | 30ドル | 0.5ドル |
| Fugu Ultra(長い文脈) | 10ドル | 45ドル | 1ドル |
| Fugu Max | 2ドル | 6ドル | 0.25ドル |
| Fugu Cyber | 営業チームへ問い合わせ | ||
トークンという単位や、料金がどう決まるのかはAIのトークンとは?料金が決まる仕組みと節約のコツで詳しく解説しています。
注意したいのが、内部で複数のAIが動く分、見かけの単価より多くのトークンを消費する場合があると報告されている点です。単価の安さだけで月々の支払いを見積もらない方が安全です。
料金はすべて米ドル建てで、円に換算すると為替で上下します。プラン内容も含めて変わりやすい部分なので、契約前にSakana Fugu公式サイトの料金プラン(2026年9月13日確認)で最新の料金を確認してください。
Sakana Fuguは自分のPCで動く?必要なスペックとローカルAIの違い


結論から書きます。2026年9月13日時点の公式サイトに載っているSakana Fuguの使い方は、APIとSakana Chatの2つだけで、モデルを自分のPCへダウンロードして動かす方法は掲載されていません。
裏を返すと、Sakana Fuguを使うのにGPUもVRAMも必要ありません。ブラウザとインターネット回線さえあれば、5年前のノートPCでもタブレットでも同じように使えます。
計算しているのはネットの向こう側にあるSakana AIのサーバーで、手元のPCは入力と表示を担当しているだけだからです。
| 比べる点 | Sakana Fugu(クラウド型) | 手元で動かすAI |
|---|---|---|
| 計算する場所 | Sakana AIのサーバー | 自分のPC |
| 必要なGPU・VRAM | 不要 | モデルの大きさに応じて必要 |
| 必要なもの | ブラウザとネット回線 | 対応GPUと十分な空き容量 |
| 費用のかかり方 | 無料枠または月額・従量課金 | PCの購入費と電気代 |
| ネットが無い時 | 使えない | 使える |
「日本発だから手元で動く」わけではない
よくある疑問:日本の会社が作ったAIなら、中身を配っていて自分のPCでも動かせるのでは?
この誤解が生まれやすい理由があります。姉妹モデルのSakana Namazuは、2026年8月13日のアップデートで、公開されているKimi K2.6というモデルをベースに切り替わったと報じられました。
ただし、ベースに公開モデルを使っていることと、Sakana Fugu自体を手元で動かせることはまったく別の話です。
Sakana Fuguの価値は、どのAIにどの役割を振るかという指揮の部分にあります。その指揮の仕組みはSakana AIのサーバー上にあり、配布されていません。
手元のPCでAIを動かしたい人はどうする?
それでも自分のPCの中だけでAIを完結させたい、という場合は、Sakana Fuguではなくオープンウェイト(=モデルの中身が公開され、手元に落として動かせるタイプ)のモデルを選ぶことになります。
この道を選んで初めて、GPUとVRAMの話が関係してきます。どれくらいの規模のモデルを動かしたいかで、必要なVRAMの量が変わるためです。
必要な容量の目安とGPUの選び方はローカルLLMに必要なVRAMは何GB?モデル別の目安とGPUの選び方にまとめています。
\AI時代の相棒探し/



まずは無料のSakana Chatで試してから、手元で動かす必要が本当にあるかを考えると無駄がありません。
Sakana Fuguを使う前に知っておきたい注意点
中で何が起きているかは完全には見えない
便利さの裏返しですが、Sakana Fuguはどのモデルが実際に答えたのかを利用者側から完全には追えないとされています。答えの根拠をモデル単位で説明する必要がある場面では、この点が引っかかるかもしれません。
先ほど触れたトークン消費の読みにくさも、複数のAIが何度もやり取りするという同じ理由から来ています。
データの扱いと提供地域を確認する
入力した内容はSakana AIのサーバーへ送られ、クラウド上で処理されます。社外秘の資料や個人情報は入力しないでください。これはクラウド型のAI全般に共通する基本です。
提供地域にも制限があります。公式サイトにはEU/EEA地域では利用できないと記載があり、Sakana Chatは日本国内向けの提供とされています。
ひとつ補足しておくと、日本発のサービスであることと、データが必ず国内に留まることは同じ意味ではありません。業務で使う場合は、利用規約とデータの取り扱い方針を自分の目で確認してください。



料金もモデル名も動きの速い分野です。この記事の数値は2026年9月13日時点のもので、使う前に公式サイトを一度開いておくと安心です。
まとめ|Sakana Fuguは何から始めればいいか
最後に、Sakana Fuguを実際に触り始めるまでの流れを整理しておきます。
- まずはSakana Chatで、普段の質問をそのまま投げてみる
- 手持ちのPCのスペックは気にしなくてよい。ブラウザで完結する
- 有料化を考えるのは、無料で物足りなくなってからで十分
- 契約時はFugu MaxとMax Planの取り違えに注意する
- ネットを切っても使いたいなら、別のローカル向けモデルを検討する
ベンチマークの順位は移り変わりますが、自分の使い方に合うかどうかは実際に触らないと分かりません。無料で確かめられるうちに、一度試してみてはいかがでしょうか。
Sakana Fuguに関するよくある質問
- Sakana Fuguは無料で使えますか?
-
ブラウザで使えるSakana Chatから無料で試せます。ただし報道では、Sakana Fuguを選ぶ際にメールアドレスの登録が必要とされています。無料枠でどのバージョンが動いているかは公表されていません(2026年9月13日時点)。
- Sakana Fuguを自分のPCにインストールできますか?
-
2026年9月13日時点の公式サイトに、モデルを配布して手元で動かす方法は掲載されていません。使い方はAPIとSakana Chatの2つだけです。手元で完結させたい場合は、中身が公開されている別のモデルを選びます。
- Sakana Fuguを使うのにGPUは必要ですか?
-
必要ありません。計算はSakana AIのサーバー側で行われるため、手元にあるのはブラウザとインターネット回線だけで足ります。グラフィックボードのないノートPCでも問題なく使えます。
- Fugu MaxとMax Planは同じものですか?
-
別物です。Fugu Maxはコスト重視のモデルの名前で、Max Planは月額200ドルのサブスクリプションの名前です。名前が似ているため、申し込み画面でどちらを選んでいるか確認してください。
- Sakana FuguとSakana Namazuはどちらを選べばいいですか?
-
複雑な調べものや手順の多い作業はSakana Fugu、日本語の文章を自然に扱いたい場面はSakana Namazuが向いています。どちらもSakana Chatで切り替えられるので、同じ質問を両方に投げて比べるのが早いです。
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