ゲーミングモニターの紹介で「500Hz対応」という数字を見かけて、そこまで必要なのか気になった方も多いはずです。2026年8月12日には、AGON by AOCが解像度を切り替えることで最大500Hzまで使える新型モニター3機種を発表しました。
この「トリプルモード」という仕組みは便利な一方で、モニター選びで見落としやすい落とし穴も抱えています。モニターが500Hzに対応していても、PC側が1秒間に500枚の映像を描けなければ、その性能は使い切れません。
この記事では、トリプルモードとは何かを整理したうえで、発表された3機種の内容と、高いリフレッシュレートを活かすのに必要なPCスペックの目安を出典付きでまとめます。
トリプルモードは「解像度を下げる代わりに高いリフレッシュレートを使う」切り替え機能。ただし活かせるかどうかは、モニターではなくPC側が出せるfpsで決まります。
- トリプルモード=解像度とリフレッシュレートの組み合わせを3種類持ち、ゲームに合わせて切り替えられる機能
- AOCの新型3機種はWQHD 260Hz/フルHD 360Hz/HD 500Hzの3モード。日本での価格・発売日は2026年8月13日時点で未公表
- 240Hz運用でもRTX 4070クラスが目安とされており、Hzを追う前にfpsが出るPCを整えるほうが先
トリプルモードのゲーミングモニターとは?

トリプルモードとは、解像度とリフレッシュレートの組み合わせを3種類持ち、遊ぶゲームに合わせて切り替えられるモニターの機能です。2種類のものは以前からデュアルモードと呼ばれており、そこに3つ目が加わった形です。
リフレッシュレートは、モニターが1秒間に画面を何回書き換えられるかを表す数値です。数字が大きいほど動きがなめらかに見えますが、書き換える回数を増やすには、その分だけ1回あたりに送るデータ量を減らす必要があります。
そこで解像度を下げて情報量を減らし、浮いた余裕をリフレッシュレートに回すのがモード切り替えの考え方です。画質となめらかさのどちらを取るかを、1台の中で選び直せます。
よくある疑問:普通のモニターでも、Windowsの設定で解像度を下げればリフレッシュレートは上がるんじゃないの?
ここが誤解しやすいところです。一般的なモニターは、解像度を下げてもリフレッシュレートの上限は基本的に変わりません。144Hzのモニターを1,280×720にしても、144Hzのままです。
一方でモード切り替え対応の製品は、パネルの駆動そのものを別の設定に切り替えます。画面設定の変更ではなく、モニター側の機能だと考えると分かりやすくなります。

切り替えはモニター側で行うので、パソコン本体の買い替えが必須というわけではありません。
AOCが発表した新型3機種のスペックまとめ
AGON by AOCは2026年8月12日、「トリプルリフレッシュレート」対応のG4シリーズ3機種を発表したと公式プレスリリースで明らかにしました。国内ではPC Watchも同日に報じています(いずれも2026年8月13日確認)。
3機種はいずれもWQHD(2,560×1,440)260Hz、フルHD(1,920×1,080)360Hz、HD(1,280×720)500Hzの3モードを持ちます。
| 型番 | サイズ・形状 | 3つのモード |
|---|---|---|
| CQ32G4Z | 31.5型・湾曲 | WQHD 260Hz/フルHD 360Hz/HD 500Hz |
| Q27G40ZE2 | 27型 | WQHD 260Hz/フルHD 360Hz/HD 500Hz |
| Q27G41ZE2 | 27型 | WQHD 260Hz/フルHD 360Hz/HD 500Hz |
応答速度と同期機能は3機種で共通です。応答速度のMPRT(=動く物体の残像の少なさを示す測定方法)は0.3ms、同期機能はFreeSync PremiumとG-SYNC Compatibleに対応すると公表されています。このうちFreeSync PremiumとG-SYNC Compatibleは、ティアリング(=画面が横にずれて見える乱れ)やカクつきを抑える機能です。
価格と発売日は、2026年8月13日時点で公開されていません。PC Watchの記事にも「価格や発売日は公開されていない」と明記されており、日本での実売価格や発売時期はまだ分かりません。
パネルの種類・映像端子の構成・HDR対応についても、この3機種では公表されていません。ネット上には同じシリーズに見える別モデルの情報も流れているので、購入を考えるなら発売時の正式な仕様表を待つのが確実です。
海外で報じられている姉妹モデルは「CQ32G4ZA」
海外メディアのTFTCentralは、末尾に「A」が付くCQ32G4ZAという別型番のモデルを報じています。31.5型のFast VAパネル、曲率1500R、WQHD解像度で、モードは同じく1440p 260Hz/1080p 360Hz/720p 500Hzという内容です。
同記事では応答速度1ms GtG(0.3ms MPRT)、コントラスト比4,000:1、輝度450nit(SDR)、端子はDisplayPort 1.4×1とHDMI 2.0×2と伝えられ、価格は239.99ポンド、発売は2026年12月の英国向けとされています。
ただしこれは今回の3機種とは型番が異なるモデルです。数値が近くても同じ製品とは限らないため、CQ32G4Zの仕様として読み替えないでください。
500Hzや360Hzを活かすには、どんなPCが必要?


ここが記事のいちばん大事な部分です。Hz(リフレッシュレート)はモニターが受け止められる上限、fpsはPCが実際に描けている枚数で、この2つは別物です。詳しい違いはゲームのfpsとは?Hzとの違いと快適な数値の目安でも整理しています。
ソフマップの解説でも、なめらかな表示には両方が必要だと説明されています。モニターだけを500Hz対応に替えても、ゲームの動きが自動的になめらかになるわけではありません。
モードごとに「何fps出せれば使い切れるのか」を整理します。
| 使うモード | 使い切るのに必要なfpsの目安 | 現実的な難易度 | 向いている遊び方 |
|---|---|---|---|
| WQHD 260Hz | 260fps前後 | 解像度が高い分いちばん重い。設定を下げても届かないタイトルが多い | 画質を保ちつつなめらかさも欲しい人 |
| フルHD 360Hz | 360fps前後 | 描画の軽い競技系タイトルを低〜中設定で回して狙う領域 | 競技系FPSを本格的に遊ぶ人 |
| HD 500Hz | 500fps前後 | 描画は最も軽いが、そこまで伸びるかはCPUや設定にも左右される | 画質より反応速度を優先する人 |
GPUの目安としては、240Hz運用ならGeForce RTX 4070以上、またはRadeon RX 6800 XT以上という整理が紹介されています。RTX 4070クラスで「Apex Legends」「フォートナイト」をフルHD・中設定にして平均240fps程度、という計測例も挙げられています。
ただしこれはフルHD・中設定という条件下でのメディア計測の目安です。重いタイトルなら必要な性能は跳ね上がります。グラボやCPUの考え方は144fpsを出すには何が必要?グラボ・CPUの目安が参考になります。
つまり360Hzや500Hzを使い切るには、240Hz向けよりさらに上の構成が必要になります。PCが追いつかなければ、画面はその分の動きしか映しません。
まずは今のPCが何fps出ているか確かめる
買い替えを考える前に、いま遊んでいるタイトルで何fps出ているかを見ておくと判断が早くなります。表示のやり方はPCゲームでfpsを表示する方法にまとめています。実測が150fps前後で頭打ちなら、先に手を入れるべきはモニターではなくPC側だと分かります。
そもそも何Hzから違いが分かりにくくなるのか
体感差についてはメディアの整理として、60Hzから144Hzへの変化はほぼ全員が気づくレベル、144Hzから240Hzでは約80〜90%、240Hzから360Hzになると約40〜50%という数字が示されています。
同じ解説の中では、NVIDIAが2019年に行った研究で144Hzと360Hzの間に統計的な有意差が出なかったという言及も紹介されています。いずれも公式の実測値ではなくメディアによる整理なので、目安として受け取ってください。



数字が上がるほど、追加費用に対して感じられる差は小さくなっていきます。
向いている人・向いていない人と、買う前の注意点


トリプルモードは万人向けの機能ではありません。遊ぶジャンルによって、価値がはっきり分かれます。
| こんな人 | 相性 | 理由 |
|---|---|---|
| 競技系FPSを毎日遊ぶ | 良い | 解像度を割り切ってでもフレームレートを稼ぎたい場面が多い |
| FPSもRPGも幅広く遊ぶ | まずまず | 普段はWQHD、対戦時だけ低解像度、と1台で使い分けられる |
| RPG・オープンワールド中心 | あまり合わない | 解像度と画質が満足度に直結する。高解像度モデルが素直 |
| 動画視聴や作業も兼ねたい | あまり合わない | 低解像度モードを使う場面がほとんどない |
注意点①:解像度を下げた分、見え方は確実に変わります。画面に並ぶドットが減るので、文字の輪郭や遠くの敵の細部は甘くなります。31.5型のような大画面ほど差は分かりやすくなります。
注意点②:切り替えには、ひと手間かかります。ここからは他社の同種機能の例です。アイ・オー・データ機器は同じ発想の機能を「デュアルモード」と呼んでおり、公式マニュアルでは切り替え方法としてリモコンの入力切換ボタンの1秒長押し、本体左端のボタンの1秒長押し、メニューからの操作という3通りを案内しています。
毎回の切り替えを面倒に感じる人は、結局どちらか一方のモードで固定しがちです。それなら最初から用途に合った解像度のモニターを選ぶ手もあります。
注意点③:接続する端子によって、選べるリフレッシュレートの上限が下がることがあります。
これも他社製品での例ですが、先ほどのアイ・オー・データ機器のマニュアル(GD-U271JAD)には、HDMIの2番ポートに接続した場合、UHD 160Hzモードでは最大120Hz、FHD 320Hzモードでは最大240Hzに下がるという記載があります。同じモニターでも、挿す場所とケーブル次第で性能が出し切れないわけです。
今回のAOCの3機種は端子構成そのものが未公表なので、どの端子で何Hzまで出るかは現時点では分かりません。購入時には仕様表の端子ごとの対応上限と、ケーブルの規格を必ず確認してください。
同マニュアルには「デュアルモードのFHD 320Hzで使っていると、本製品前面が高温になることがあります」という注意書きもあります。高いモードほど本体に負荷がかかる点も覚えておきたいところです。
また、モードを切り替えると解像度自体が変わるため、デスクトップのアイコンやウィンドウの位置・大きさが並び替わることがあります。ゲーム側の画質設定も一度確認しておくと安心です。
「そこまでのHzは要らない」なら、価格がこなれた260Hzクラスも選択肢です。実売の目安は260Hzゲーミングモニターが2万円切り|Acer新4機種の違いと選び方をどうぞ。



モニターは長く使う機材です。正式な仕様表と実売価格が出そろってから比べるほうが失敗しにくいですよ。
まとめ:Hzを追う前に、まずfpsが出るPCを
- トリプルモードは、解像度とリフレッシュレートの組み合わせを3種類切り替えられるモニター側の機能
- AOCの新型はCQ32G4Z/Q27G40ZE2/Q27G41ZE2の3機種。WQHD 260Hz・フルHD 360Hz・HD 500Hz対応
- 日本での価格・発売日は2026年8月13日時点で未公表。パネル種類や端子構成も公開されていない
- 高いHzを活かせるかはPC側のfps次第。240Hz運用でもRTX 4070クラスが目安とされる
- 端子やケーブルで上限が変わることがあるので、仕様表の確認は必須
500Hzという数字はたしかに目を引きますが、その恩恵を受けられるのは、PCが実際にそれだけのフレームを描けている人だけです。まずは今のPCで何fps出ているかを測り、モニターとPCのどちらが足を引っ張っているかを見極めるところから始めるのが、いちばん遠回りのない進め方です。
PC側が先に頭打ちになっているようなら、高フレームレート向けの構成を見ておくと予算の配分イメージがつかみやすくなります。
\高fps狙いの構成をチェック/
- トリプルモードとデュアルモードは何が違うの?
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切り替えられるプリセットの数だけが違います。デュアルモードは2種類、トリプルモードは中間の組み合わせが加わった3種類です。解像度を下げた分をリフレッシュレートに回すという仕組みは同じです。
- HD(1,280×720)の500Hzモードは実用的ですか?
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反応速度を最優先する競技系FPSでは選択肢になりますが、万人向けではありません。解像度が下がるぶん文字や遠景は粗くなり、500fpsを安定して出せるPCも必要です。普段使いや映像重視なら上位の解像度モードのほうが快適です。
- 今使っているPCで360Hzは出せますか?
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タイトルと設定によります。240Hz運用の目安としてRTX 4070以上、RX 6800 XT以上という整理が紹介されており、360Hzならさらに上の構成が要ります。まずは遊んでいるゲームでfpsを表示させ、実際の数値を確認するのが確実です。
- 日本ではいつ、いくらで買えますか?
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2026年8月13日時点では、日本での価格も発売日も公表されていません。PC Watchの記事でも「価格や発売日は公開されていない」と明記されています。パネルの種類や端子構成も未公表なので、正式な仕様表が出てから検討するのが確実です。
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