BTOパソコンの部品が「再生品」と聞いて、思わず手が止まった方もいるのではないでしょうか。パソコン工房が2026年8月6日、認定再生メモリを採用したゲーミングPCを4機種発売しました。
しかも対象はGeForce RTX 5080やRTX 5070 Tiを積んだ上位構成で、価格は税込369,800円から。この価格帯で再生パーツが使われるのは珍しく、「安く買えるのはうれしいけれど、壊れやすくないの?」という不安が先に立ちます。
この記事では公式が説明している範囲だけを根拠に、認定再生メモリの中身と保証、そして商品ページを開かないと気づきにくい構成上の注意点まで整理します。
再生品なのはメモリだけで、保証は新品モデルと同じ1年間。ただしメモリは16GB×1のシングル構成なので、そこを納得できるかが分かれ目です。
- 再生パーツはメモリのみ。CPU・グラフィックスカード・ストレージには新品パーツを使用(公式説明)
- 保証は従来どおり1年間の製品保証。延長3年/4年保証にも加入できる
- 価格はRTX 5070 Ti版が369,800円、RTX 5080版が444,800円(税込)
認定再生メモリのゲーミングPCとは?まずは結論
認定再生メモリとは、メーカーが自社の基準で品質検査と動作確認を行い、安定した動作を確認できたものだけを選別して再び使うメモリのことです。パソコン工房を運営するユニットコムが、iiyama PCのゲーミングブランド「LEVEL∞」で採用しました。
今回のニュースは、3行に絞るとこうなります。
- 発売日:2026年8月6日。「LEVEL∞ ~ Memory Re ~」として計4機種
- 中身:再生品はメモリだけで、CPU・グラフィックスカード・ストレージは新品
- 保証:通常どおり1年間。延長3年/4年保証や月額会員サービスにも対応
公式は企画の背景を「半導体価格の高騰が続く中でも、より多くのお客様にゲーミングPCをより手軽にご検討いただけるよう」と説明しています(iiyama PC公式のお知らせ・2026年8月8日確認)。リユース事業で培った選別の知見を活かした企画という位置づけです。
シリーズ自体は今回が初めてではありません。第1弾は2026年7月7日発売のエントリー向け「LEVELΘ ~ Memory Re ~」3機種(税込84,800円〜)。今回はその路線をRTX 5070 Ti/RTX 5080の上位クラスまで広げた形です。

「再生」という言葉に身構えてしまいますが、公式が再生品としているのはメモリだけです。ここを取り違えると判断を誤ります。
パソコン工房が発売した4機種のスペックと価格


発売されたのは、GPUがRTX 5070 Tiの2機種とRTX 5080の2機種。同じGPUでもCPUをIntelとAMDから選べる構造になっていて、価格はGPUごとに横並びです。
| 型番 | CPU | GPU | 電源 | 価格(税込) |
|---|---|---|---|---|
| LEVEL-R789-LC270K-UK1X [Memory Re] | Core Ultra 7 270K Plus | RTX 5070 Ti 16GB | 850W GOLD | 369,800円(税込) |
| LEVEL-R785-LCR98D-UK1X [Memory Re] | Ryzen 7 9800X3D | RTX 5070 Ti 16GB | 850W GOLD | 369,800円(税込) |
| LEVEL-R789-LC270K-VK1X [Memory Re] | Core Ultra 7 270K Plus | RTX 5080 16GB | 1000W PLATINUM | 444,800円(税込) |
| LEVEL-R785-LCR98D-VK1X [Memory Re] | Ryzen 7 9800X3D | RTX 5080 16GB | 1000W PLATINUM | 444,800円(税込) |
4機種に共通するのは、メモリがDDR5 16GB(16GB×1・認定再生メモリ)、ストレージが1TB NVMe対応M.2 SSD、OSがWindows 11 Homeという点です。チップセットはIntel版がZ890、AMD版がB850と案内されています。
電源はRTX 5080側が1000W 80PLUS PLATINUM(=電力の変換効率の高さを示す認証の上位ランク)、RTX 5070 Ti側が850W 80PLUS GOLD。上位GPUに合わせて電源も一段引き上げられているので、ここを削って安く見せている構成ではありません。
よくある疑問:RTX 5070 TiとRTX 5080で75,000円の差。どっちを選べばいいの?
用途で分かれます。フルHD〜WQHDで高フレームレートを狙うならRTX 5070 Ti、4Kや重量級タイトルの高画質設定まで見据えるならRTX 5080が目安です。ただし4機種ともメモリ容量は同じ16GBなので、GPUの差ほど使い勝手が広がらない場面もあります。
「再生メモリ」は中古メモリと何が違う?保証はどうなる
いちばん知りたいのは、たぶんここでしょう。公式の説明は「当社基準に基づく品質検査および動作確認を実施した認定再生メモリ」「検査・選別工程を経て、安定した動作を確認したもののみを使用」の2点です(iiyama PC公式のお知らせ・2026年8月8日確認)。
つまり、店頭のジャンクコーナーや個人間の売買で手に入る動作未確認の中古メモリとは、検査と選別の工程が挟まっているかどうかが決定的に違います。同じ「中古」でひとくくりにはできません。
一方で正直に書いておくと、検査項目の詳細、出荷判定の基準、メモリの製造元は公開されていません。「どんなテストを何時間したのか」まで確認したい人には、情報が足りないと感じられるはずです。
保証はどうか。ここは分かりやすく、新品モデルと同じ扱いです。
- 製品保証:従来どおり1年間
- 延長保証:3年/4年の延長保証に加入できる
- 月額会員サービス:「プラチナITパスポート」にも対応
ここで気をつけたいのは、公式が「新品と同じ品質」とまでは言っていないことです。言い切れるのは「保証期間と入れる保証の種類が新品モデルと同じ」という部分まで。この線引きを押さえておくと、後から「話が違う」と感じずに済みます。
技術的な背景も添えておきます。メモリはHDDのように回転する部品を持たず、使うほどすり減って寿命が縮む、という考え方が当てはまりにくい部品です。もちろん「絶対に壊れない」わけではありませんが、中古と聞いて連想しがちな摩耗のイメージは、そのままは当てはまりません。



中古への不安は自然なものです。公開されているのは検査と選別の事実、そして保証内容。この2つを基準に判断するのが安全です。
見落としやすい注意点|メモリは16GB×1のシングル構成


ここが今回いちばんお伝えしたい部分です。公式のニュースリリースを見ると、4機種とも「DDR5 【認定再生メモリ】 16GB(16GB×1)」と表記されています。商品ページ側ではメモリスロット数が4本と案内されているので、4本のうち1本だけを使った構成ということになります(iiyama PC公式リリースおよびパソコン工房公式商品ページ・2026年8月8日確認)。
よくある疑問:同じ16GBなのに、1枚か2枚かで何か変わるの?
変わります。今のPCはメモリを2枚に分けて差すと、データの通り道を2車線として使えます。これをデュアルチャンネル(=2枚のメモリを並列に動かす仕組み)と呼びます。1枚だけだと1車線のままなので、同じ16GBでも2枚に分かれているほうが有利になりやすいのが一般的な傾向です。
差が出やすいのは、CPU側の処理が忙しくなる場面。とはいえ今回の4機種はどれも強力なグラフィックスカードを積んでいるので、「致命的」ではなく「もったいない」というレベルと捉えるのが実情に近いはずです。仕組みの詳しい話はデュアルチャンネルとは?メモリは2枚差しがいい理由で解説しています。
容量そのものの話もあります。16GBは今も現役ですが、RTX 5080クラスを選ぶ人の使い方(配信しながらのプレイ、重いMOD)だと余裕たっぷりとは言いにくいところ。必要な容量はゲーミングPCのメモリおすすめ容量は?で用途別に整理しています。
「あとから1枚足せばいい」と考える方もいるはずですが、タイミングとしては良くありません。メモリを含むPCパーツの価格は上がり続けていて、今回の企画自体がその高騰を背景にしたものです。相場の動きはPCパーツ値上がりはいつまで?にまとめています。
増設する前提で買うなら、追加するメモリの実売価格まで足したうえで、他モデルと総額で比べてください。
本体価格の安さだけで決めると、増設費用を足した時点で差が縮んでいた、ということが起こり得ます。自分で増設や交換を行う場合は、保証の扱いを事前に購入元へ確認しておくと安心です。
他社の同じGPU搭載機と比べて安い?判断の目安
価格が妥当かどうかは、同じGPUを積んだ別のBTOと並べると見えてきます。ここではドスパラのGALLERIAでRTX 5070 Tiを搭載するモデルを、2026年8月8日時点の公式一覧で確認しました。
先に断っておくと、各社ともメモリが新品か再生品かを商品情報で明示しているわけではありません。ここで比べるのは価格・メモリ容量・CPUの構成だけに留めます。
| モデル | CPU | メモリ | ストレージ | 価格(税込) |
|---|---|---|---|---|
| LEVEL-R785-LCR98D-UK1X [Memory Re] | Ryzen 7 9800X3D | 16GB(16GB×1・認定再生) | 1TB | 369,800円(税込) |
| GALLERIA XPR7A-R57T-GD | Ryzen 7 7700 | 16GB | 1TB | 334,980円(税込) |
| GALLERIA XPR7A-R57T-GD | Ryzen 7 9700X | 16GB | 1TB | 359,980円(税込) |
| GALLERIA XPC7A-R57T-GD | Core Ultra 7 265F | 16GB | 1TB | 374,980円(税込) |
| GALLERIA XDR7A-R57T-GD | Ryzen 7 9800X3D | 32GB | 1TB | 439,980円(税込) |
GPUはいずれもGeForce RTX 5070 Ti。価格は各公式サイトで2026年8月8日に確認した税込表示で、GALLERIA側はカスタマイズ前の最小構成価格です。
並べてみると、ゲーム用途で評価の高いRyzen 7 9800X3Dを積んだRTX 5070 Ti機として、369,800円はかなり踏み込んだ価格だと分かります。同じ9800X3Dで32GB構成のGALLERIAは439,980円。約7万円の差を「メモリ16GBぶんの差」としてどう見るかが判断の軸になります。
逆に、CPUの世代にこだわらず16GBで足りるなら、334,980円から選べる選択肢もあります。価格・在庫は変動します。最新は公式で確認してください。
\構成と価格を並べて比べる/
ここまでを踏まえて、向き不向きを整理します。まず選んで納得しやすい人から。
- 予算をできるだけグラフィックスカードに寄せたい
- メモリは16GBで足りる使い方(フルHD〜WQHDのゲーム中心)
- 検査・選別と1年保証という条件を理解したうえで選びたい
- 店舗で相談しながら買いたい(全国のパソコン工房店舗とパソコン工房WEB通販サイトで購入可)
反対に、いったん立ち止まったほうがよい人はこちらです。
- 配信・動画編集・重いMODなど、32GBが視野に入る使い方をする
- メモリの製造元や検査内容まで確認したうえで納得したい
- 自分で増設する予定がなく、最初から2枚構成で使いたい



迷ったら「16GBのまま2〜3年使えるか」を先に決めてみてください。そこがはっきりすると、この4機種が合うかどうかも自然に見えてきます。
BTOパソコンを初めて買う方は、注文から到着までの流れも先に押さえておくと安心です。BTOパソコンの買い方完全ガイドにまとめています。
まとめ
パソコン工房の認定再生メモリ搭載モデルは、「中古パーツで安くした怪しいPC」ではなく、メモリという一部品に絞って選別・再生を取り入れ、その分を価格に反映させた構成です。要点を並べておきます。
- 2026年8月6日発売。RTX 5070 Ti版369,800円/RTX 5080版444,800円(税込)で、CPUはIntel・AMDから選べる
- 再生品はメモリのみ。CPU・グラフィックスカード・ストレージは新品と公式が説明している
- 保証は1年間+延長3年/4年。ただし「新品と同じ品質」と公式が言っているわけではない
- メモリは16GB×1のシングル構成。同じ16GBでも2枚構成のほうが有利になりやすい点は理解しておきたい
判断の順番としては、まず自分の使い方で16GBが足りるかどうかを決める。足りるなら、同じGPU・同じCPUクラスの他モデルと総額で比べる。足りないなら、最初から32GBのモデルを見に行く。この3ステップで、迷いはかなり減るはずです。
価格は変動する場合があります。最新の情報は公式サイトでご確認ください。
- 再生メモリだと壊れやすいのですか?
-
壊れやすい、あるいは壊れにくいと判断できる公開データはありません。メーカーが示しているのは「検査・選別工程を経て、安定した動作を確認したもののみを使用」していることと、1年間の製品保証です。
- 保証は新品モデルと同じですか?
-
保証期間と加入できる保証の種類は同じです。1年間の製品保証があり、3年/4年の延長保証や月額会員サービス「プラチナITパスポート」にも加入できると公式が案内しています(2026年8月8日確認)。
- メモリは後から増やせますか?
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公式リリースでは4機種とも「16GB(16GB×1)」と表記され、商品ページのメモリスロット数は4本と案内されています(2026年8月8日確認)。空きスロットはありますが、メモリ価格が高い時期である点と、自分で作業する場合の保証の扱いには注意してください。
- メモリ以外のパーツも中古なのですか?
-
いいえ。CPU・グラフィックスカード・ストレージなどの主要構成部品には新品パーツを使用する、と公式が明記しています。再生パーツとして扱われているのはメモリだけです。
- どこで買えますか?
-
全国のパソコン工房店舗と、パソコン工房のWEB通販サイトで取り扱われています。BTOカスタマイズにも対応しているため、メモリを増やした構成での注文も可能です。価格と納期は公式商品ページで確認してください。
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