画像生成AIを調べていくと、必ず出てくるのがComfyUIという名前です。ただ、「箱と線がびっしり並んだ画面」を見て、そっと閉じてしまった方も多いはずです。
先に結論をお伝えすると、ComfyUIは画面上で処理の箱をつないで、画像や動画をAIに作らせる無料のツールです。そして公式ドキュメントには、「VRAMは何GB以上必要」という下限の数字が書かれていません。
この記事では2026年9月2日時点の公式ドキュメントと公式ブログを確認しながら、始め方の3ルート、自分のPCで動くかの見極め方、ライセンスの注意点までを整理します。
ComfyUIは、箱と線をつないで画像や動画を作る無料のオープンソースツールです。公式に「VRAM◯GB以上」という下限はなく、まずはDesktop版アプリかクラウドで試して、重ければ軽いモデルに落とすのが現実的です。
- 本体はGPL-3.0のオープンソース。Windows・Linux・macOSに対応(2026年9月時点)
- 公式の要件ページに最低VRAM・最低RAMの数字はない。よく見る「8GB以上」は独自基準
- グラフィックボードが無い人には公式のクラウド版という道もある
ComfyUIとは?箱と線をつないで画像・動画を作る無料ツール
ComfyUIとは、画面上で処理の箱(ノード)を線でつないで、画像や動画をAIに作らせるためのオープンソースのツールです。公式リポジトリでは「コンテンツ制作のための、最も強力でモジュール式のAIエンジン」と紹介されています。
ノード(=処理のひとつひとつが入った箱)を線でつなぐと、1本の作業の流れになります。プログラムを書かずに画面の上で組み立てられるのがこのツールの土台です。
作れるものは画像だけではありません。公式リポジトリは画像・動画・音声・3D・テキストのワークフローに対応すると記載しています。画像生成から入って、そのまま動画へ広げていけます。
本体のライセンスはGPL-3.0で、オープンソース(=中身が公開され、決められた条件のもとで自由に使えること)として配布されています。対応OSはWindows・Linux・macOSで、Apple SiliconのM1〜M4にも対応します。
ノード方式は何がうれしい?向いている人・向いていない人
「言葉を渡す」「モデルを読み込む」「生成する」「保存する」といった作業が、それぞれ独立した箱になっています。線でつなぐと、どこからどこへデータが流れて絵になるのかが目で見える形に。組み上げた一式はワークフローと呼ばれ、保存すれば何度でも呼び出せます。
- 手順が見える:どの工程で何をしたかが画面に残り、うまくいった理由をたどれる
- 再現できる:同じ組み方を保存して、別の題材でもそのまま使い回せる
- 差し替えできる:一部の箱だけ入れ替えて、違いを比べられる
よくある疑問:そこまで組み立てないと、画像生成AIって使えないの?
そんなことはありません。「きれいな1枚をすぐ欲しいだけ」なら、ノード方式はむしろ過剰です。向くのは、同じ作り方を再現したい人や工程を細かく制御したい人です。
逆に、追加学習した個性を組み込む使い方とは相性が良い形式です。仕組みはLoRAとは?画像生成AIの追加学習の仕組みと必要なPCスペックを解説で扱っています。

最初の画面が難しく見えても、実際に触るのは数個の箱だけ。全部を理解してから始める必要はありません。
始め方は3ルート|Desktopアプリ・ポータブル版・クラウド
導入方法は複数ありますが、初心者が現実的に選ぶのは次の3つです。公式は新規ユーザーにDesktop版アプリを推奨すると明記しています(2026年9月2日時点)。
| 始め方 | こんな人向け | 自分のGPUを使うか | 公式ドキュメントの記載 |
|---|---|---|---|
| Desktop版アプリ | これから始める人 | 使う | Windows 10以降/x64かARM64/4.85GB以上の空きを推奨 |
| Windows向けポータブル版 | 設定を自分で触りたい人 | 使う(CPUのみでも可) | 単体で完結する形式。CPUだけで動かす用途にも対応 |
| Comfy Cloud(公式クラウド) | 手元のPCに自信がない人 | 使わない | ブラウザ上で実行。無料枠と有料プランがある |
このほか、全OS・全GPUに対応する手動インストールもあります。最初の1回は、後片付けが簡単なDesktop版から試すほうが安全です。
Desktop版アプリで始める手順
WindowsとmacOSの2種類が配布されています。Windowsは10以降で、x64とARM64のどちらにも対応します。
公式は1インストールあたり4.85GB以上の空きを推奨しています。これはアプリ本体の目安で、モデルの容量は含みません。
箱と線を並べる編集画面が開きます。専用GPUは良好な性能のために推奨されるが必須ではない、というのが公式の書き方です。
ツール本体に絵を描く頭脳は入っていません。使いたいモデルのファイルを入手し、所定のフォルダへ置いてから読み込ませます。
つまずきやすいのは最後の工程です。モデルの入手先と置き方はHugging Faceとは?AIモデルの入手先と自分のPCで動かす方法で解説しています。
手動インストールを選ぶなら、公式がPython 3.13とGoogle Chrome 143以降を推奨している点も見ておいてください(2026年9月2日時点)。古い手順書のままだと噛み合わないことがあります。
最初につまずきやすい3つのポイント
- モデルが一覧に出てこない:ツール本体にモデルは付いてきません。ファイルを所定のフォルダへ置いてから、読み込み直すと選べるようになります
- GPUが使われていないように見える:公式の対応条件と手元の環境を照らし合わせます。NVIDIAは20シリーズ以降でCUDA 13.0以上、PyTorchは2.7以降に対応、AMDのWindows対応は実験的という記載です(2026年9月2日時点)
- メモリが足りないと言われる:まずは精度を落とした軽い版のモデルへ替えるのが基本です。この点は次の章でくわしく整理します
自分のPCで動く?公式が示している数字と、示していない数字
公式ドキュメントの要件ページとDesktop版のページを2026年9月2日に確認したところ、最低VRAM・最低RAMの数値はどこにも書かれていませんでした。
書かれているのは、対応OS・対応GPU・推奨するPythonとブラウザのバージョン・ディスクの推奨容量までです。「VRAM 8GB以上必要」といった数字は公式の要件ではなく、各サイトの独自基準だと理解しておくと、情報に振り回されずに済みます。
代わりに参考になる「公式の実測値」
公式が公開しているのは、特定のモデルを特定のGPUで動かした記録です。あくまでその条件での実測で、他のモデルやGPUで同じにはなりません。
| モデル・版 | ファイルサイズ | 公式チュートリアルの記載 |
|---|---|---|
| Qwen-Image(bf16) | 40.9GB | 精度を落とさない版。容量は最も大きい |
| Qwen-Image(fp8) | 20.4GB | RTX4090D 24GBでVRAM使用率86%。初回 約94秒/2回目 約71秒 |
| FLUX.1(元ファイル) | 約23GB | 120億パラメータ。fp8版は品質が下がるが必要VRAMは少ない |
fp8やbf16は、数値の精度を落として容量を減らす方法です。考え方は量子化とは?AIモデルが4bitで軽くなる仕組みを初心者向けに解説と同じです。



同じモデルでも、精度を落とした版なら容量はぐっと小さくなります。まず軽い版から試すのが安全です。
VRAMに収まらないときの扱いは変わっている
公式ブログが2026年3月25日に公開した「Dynamic VRAM」によると、VRAMに収まりきらない場合でも処理が落ちるのではなく、その層の計算に必要な重みデータだけを一時的にGPU側へコピーして実行する方式になっています。
狙いはメモリ不足のエラーをなくすことと、RAM使用量を減らすことです。「これで低スペックPCでも快適になる」とまでは書かれていません。公式が挙げる検証例も、RTX 5060とRAM 32〜64GBで合計56GB分の重みを持つ動画モデルを扱った事例です。
合わせて知っておきたいのが、起動時のオプション設定の扱いです。低VRAM向けの設定について、公式は「Dynamic VRAMが有効なときは効果がない」と明記しています。古い解説の助言を真似しても意味がない場合があります。
NVIDIA以外のGPUやMacでも動くのか
- NVIDIA:20シリーズ以降はCUDA 13.0以上。古い世代向けの選択肢もある
- AMD:LinuxはROCmに対応。WindowsはRDNA 3/3.5/4が実験的な対応
- Intel:Arcシリーズを含めPyTorch側のXPU対応で動作
- Apple Silicon:M1〜M4でMetalによる高速化に対応
- GPUなし:CPUだけでも動くが、速度は大きく落ちる
これから買うPCの参考として、ドスパラは公式のAI PC解説ページで画像生成向けの構成をGPUはRTX5070Ti以上/CPUはUltra 7以上/メモリ32GB以上/Gen 4以上かつ1TB以上のSSDと案内しています(2026年9月2日時点)。
\画像生成向けの推奨構成を公開中/
VRAMの容量ごとに何ができるか、どのGPUを選べばいいかという判断軸は画像生成AIに必要なPCスペックは?VRAMの目安を初心者向けに解説にまとめています。PC選びで迷う方はそちらが本編です。
GPUがなくても試せる?Comfy Cloudの無料枠と料金
グラフィックボードが無い場合の選択肢が、公式のクラウド版Comfy Cloudです。ブラウザ上でワークフローを組み、処理はクラウド側のGPUで走らせます。
よくある疑問:クラウドって、組み立てている間もずっとお金がかかるんじゃないの?
そこは明確です。公式の料金ページによると、課金の対象はワークフローの実行中のGPU稼働時間だけで、箱をつないでいる待ち時間はクレジットを消費しません。
| プラン | 月額 | 年払い | 月のクレジット | 1回の最大実行時間 |
|---|---|---|---|---|
| Standard | 20ドル | 192ドル | 4,200 | 30分 |
| Creator | 35ドル | 336ドル | 7,400 | 30分(独自モデルの持ち込み可) |
| Pro | 100ドル | 960ドル | 21,100 | 1時間(独自モデルの持ち込み可) |
2026年9月2日に料金ページで確認した内容です。ほかにチーム向けのプランもあります。月々のクレジットは翌月へ繰り越されないため、使い切れない量のプランを選ぶ意味は薄いです。
無料で試せる枠もありますが、案内の内容は公式ブログと料金ページで書き方が異なります。条件は変わりやすいので、始める前に公式の料金ページで最新の内容を確認してください。
使う前に確認したいこと|モデルのライセンスと配布元
見落とされがちなのが、ツール本体のライセンスとモデルのライセンスは別物だという点です。本体はGPL-3.0ですが、そこへ読み込むモデルには、それぞれ別の条件が付いています。
分かりやすい例が、公式チュートリアルにあるFLUX.1の2つの版です。FLUX.1 [dev] はオープンソースだが非商用利用に限定、FLUX.1 [schnell] は Apache 2.0と説明されています。同じツールで動いても、使える範囲まで同じではありません。
ツールが無料でも、モデルごとに使える範囲は違います。作った画像を仕事で使う前に、必ずそのモデルの配布ページでライセンスを確認してください。
もうひとつの注意点がストレージの空き容量です。モデル1つで40GBを超えることもあるため、アプリ本体の推奨容量とは別に置き場所を見積もっておきましょう。機能を追加する部品も、配布元を確認してから導入すると安心です。
まとめ
- ComfyUIは箱と線をつないで画像・動画を作る、GPL-3.0のオープンソースツール
- 公式は最低VRAM・最低RAMを示していない。参考になるのは公式の実測値
- 始め方はDesktop版・ポータブル版・クラウドの3ルート。公式はDesktop版を推奨
- モデルのライセンスは本体と別。商用で使う前に配布ページで条件を確認する
「自分のPCで動くだろうか」と悩んで止まっているなら、まず軽い版のモデルで1枚出してみるのが早道です。重ければ精度を落とした版に替えるか、クラウドへ逃がす順番で考えましょう。



仕組みが分かってからPCの構成を考えても遅くありません。
- ComfyUIは無料で使えますか?
-
本体はGPL-3.0のオープンソースで、無料で使えます。公式のクラウド版には無料枠と有料プランがあり、料金は2026年9月時点で月20ドルからです。
- VRAMは何GB必要ですか?
-
公式ドキュメントに最低VRAMの記載はありません(2026年9月2日確認)。公式の実測値として、Qwen-Imageのfp8版をRTX4090D 24GBで動かした際にVRAM使用率86%、初回 約94秒という記録があります。
- グラフィックボードが無いPCでも使えますか?
-
CPUだけでも動作しますが、速度は大きく落ちます。公式はDesktop版について「専用GPUは推奨されるが必須ではない」と記載しています。クラウド版という選択肢もあります。
- MacやAMDのGPUでも動きますか?
-
公式によると、macOSはApple SiliconのM1〜M4でMetalによる高速化に対応します。AMDはLinuxでROCmに対応し、WindowsではRDNA 3/3.5/4が実験的な対応です。
- 作った画像は商用利用できますか?
-
当サイトでは可否を判断できません。本体はGPL-3.0ですが、モデルは別条件です。公式では FLUX.1 [dev] が非商用利用に限定、FLUX.1 [schnell] が Apache 2.0 と説明されています。使うモデルの配布ページで必ず確認してください。
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