AMDの「Ryzen」はパソコンの頭脳とも言えるCPUの人気シリーズです。初心者でも扱いやすく、高性能ながらリーズナブルな価格が魅力で、多くのユーザーに選ばれています。パソコンの性能を大きく左右するこの重要なパーツは、近年特に注目を集めています。
本記事では、Ryzenの基本からおすすめの選び方、初心者が持ちやすい疑問点までわかりやすく解説していきます。
- Ryzenってどんなものなのか、名前の由来は?
- Ryzen CPUの種類や世代によってどんな違いがあるの?
- なぜRyzen搭載パソコンが人気なの?
- 初めてでも失敗しない、Ryzen PCの選び方のコツ
- あなたの使い方に合った、Ryzenの楽しい活用法
Ryzenとは何か?
Ryzen(ライゼン)は、半導体メーカーのAMDさんが開発・提供しているCPUブランドなんですよ。
たくさんの処理を同時にこなせる「マルチコア設計」というものを採用していて、お手頃な価格ながらパワフルに動作するという、とても魅力的な特徴を持っています。
少し前までは、CPUといえばIntelさんの独壇場というイメージがあったかもしれませんね。
でも、Ryzenが登場してからは、AMDさん製のCPUも「これは選ばない手はない!」という存在になりました。
特に「コスパ重視」(コストパフォーマンス=値段と性能のバランスを大切にしたい)という方たちを中心に、人気が広がっているんですよ。
Ryzen CPUの主なラインナップ
Ryzenには、みなさんの使い方や予算に合わせて、いくつかの種類(シリーズ)が用意されています。
それぞれ得意なことや特徴が異なりますので、ここでご紹介するのを参考に、あなたにぴったりのモデルを見つけてくださいね。
エントリーモデル(Ryzen 3)
パソコン初心者さんや、あまりお金をかけたくない方、そして普段の事務作業などが中心の方にぴったりのモデルです。
インターネットでの検索、書類作り、YouTubeなどの動画視聴といった、日常的な作業がスムーズにできますよ。
ミドルレンジ(Ryzen 5)
Ryzenの中でも一番人気のシリーズで、ゲームや動画編集など、いろいろな使い方に対応できる「バランス型」のモデルです。
「コア」や「スレッド」という処理単位が増えているので、複数の作業を同時にこなしたり、少し重たいソフトも快適に動かせたりします。
ハイエンド(Ryzen 7 / Ryzen 9)
より本格的な映像処理や3D作品づくり、迫力のあるゲームも思いのままに楽しめる上級モデルです。
特にRyzen 9は処理能力がさらに高く、YouTubeや動画投稿をされる方、写真・イラスト編集をたくさんする方に喜ばれています。
超高性能モデル(Ryzen Threadripper)
プロ級のクリエイティブ作業や、最高峰のゲーミングPCを目指す方向けの特別モデルです。
とても多くの処理を同時にこなせるので、複雑な計算や重いソフトを何個も開いても、サクサク動いてくれます。
以下は、Ryzenシリーズをやさしく比較した表ですので、参考にしてくださいね。
シリーズ | 処理能力 | 向いている使い方 | 特徴 |
---|---|---|---|
Ryzen 3(エントリー) | ★★☆☆☆ | お手紙、ネット、動画視聴など | お財布にやさしく、初めての方でも安心 |
Ryzen 5(ミドルレンジ) | ★★★☆☆ | カジュアルゲーム、簡単な動画編集 | バランスが良く、コスパ抜群! |
Ryzen 7(ハイエンド) | ★★★★☆ | 本格ゲーム、写真・動画編集 | 複数作業も余裕で、快適な動作が魅力 |
Ryzen 9(ハイエンド) | ★★★★★ | 4K動画編集、3D作品作り | プロ級の処理能力で創作活動を加速! |
Threadripper | ★★★★★★ | プロの動画編集、CG制作 | 圧倒的なパワーで最高の作業環境を実現 |
Ryzen搭載PCが人気な理由
Ryzenの一番の魅力は、何といっても「バランスの良さ」です!
高い性能なのに価格がとても良心的なので、「いいパソコンを買いたいけど、予算には限りがある…」という方にとっても、嬉しい選択肢となっているんですよ。
マルチコア・マルチスレッドの強み
Ryzenシリーズは、「コア」(実際の処理を行う部品)と「スレッド」(処理の単位)の数が多いのが特長です。
これは、例えるなら「お料理をする人の数」と「同時に作れる料理の数」が多いということ。
一度にたくさんの作業をこなせるので、動画編集ソフトやゲームなど、たくさんの計算が必要な作業でも、スムーズに動いてくれるんです。
省電力・発熱設計とグラフィックス性能
Ryzenは電気をあまり使わず、熱くなりにくい設計なのに、高い性能を発揮できるよう工夫されています。
また、「APU」と呼ばれる映像処理機能付きのモデル(例:Ryzen 5 5600Gなど)では、別に高いグラフィックスカードを買わなくても、きれいな3D映像を楽しめるものもあります。
簡単なゲームや写真編集など、ちょっと頑張る作業もこなせるので、とても便利ですよ。
Ryzen PCの選び方
Ryzenを搭載したパソコンを選ぶときは、CPUの種類だけでなく、他のパーツや形(ノートパソコンかデスクトップパソコンか)なども考えると、失敗が少なくなりますよ。
ここでは、初めての方が特に気をつけたいポイントをご紹介します。
ノートPCの場合に注目したいポイント
ノートパソコンでは、CPUだけでなく「メモリ」の容量や「ストレージ」の速さ・大きさも、使い心地に大きく影響します。
特にメモリは、8GB以上あると安心です。YouTubeを見ながら別の作業をしたり、写真編集をしたりする方は、16GB以上がおすすめですよ。
また、「SSD」(ソリッドステートドライブ)という速いデータ保存装置が入っているかも大切です。電源を入れてからの立ち上がりや、ファイルを開く速さが全然違いますので、ぜひ確認してみてくださいね。
Ryzen 5以上のCPUがあれば、ノートパソコンでもパワフルに作業できますよ。
デスクトップPCの場合に注目したいポイント
デスクトップパソコンの良いところは、後から部品を追加したり交換したりできることです。
CPUはRyzen 3などの入門モデルでも使い方によっては十分ですが、長く使いたい方はRyzen 5以上を選ぶと、将来も安心です。
また、デスクトップパソコンは冷却機能を充実させやすいので、高性能なCPUの力を最大限に引き出せるというメリットもあります。
メモリやストレージなどCPU以外のチェック
どんなに素晴らしいCPUでも、メモリが足りないと「カクカク動く」ことがあります。
また、古い「HDD」だけのパソコンだと、データの読み書きが遅くて、せっかくのCPU性能が活かせないこともあります。
できれば「SSD」や「NVMe SSD」という高速なストレージが入ったパソコンを選ぶと、全体的にサクサク動いて快適ですよ。
バランスよく部品が組み合わされたパソコンを選ぶことで、Ryzenの良さを存分に味わえます。
用途別に見るRyzen搭載PCの活用例
Ryzenはいろいろな使い方に対応できるCPUですが、あなたの目的や使いたいソフトによって、最適なモデルが変わってきます。ここでは、どんな使い方にはどのRyzenがぴったりなのか、やさしくご紹介しますね。
ゲーミング用途
ゲームを思いっきり楽しみたい方には、Ryzen 5以上のモデルがおすすめです。
特に最新の3Dゲームやオンライン対戦ゲームでは、CPUだけでなく「グラフィックスカード」も大切になります。Ryzen 5やRyzen 7と、良いグラフィックスカードの組み合わせで、迫力あるゲーム世界を体験できますよ。
グラフィックス機能内蔵のAPUモデルでも、「あつまれ どうぶつの森」のようなカジュアルなゲームは楽しめますが、「APEX」や「フォートナイト」などの本格的なゲームには、別途グラフィックスカードがあると安心です。
クリエイティブ・動画編集用途
YouTubeの動画作りや写真編集、イラスト制作などを楽しみたい方には、Ryzen 7かRyzen 9がおすすめです。
これらの作業では「一度にたくさんの計算をする能力」が大切なので、コア数・スレッド数が多いモデルが活躍します。
動画の書き出し時間が短くなったり、複数のソフトを同時に開いても困らなかったりと、作業がぐっとスムーズになりますよ。
メモリも16GB以上あると、より快適に創作活動を楽しめます。
一般的なビジネス・日常用途
メールの送受信、インターネット閲覧、ワードやエクセルでの文書作成などが中心の方には、Ryzen 3やRyzen 5で十分ですよ。
もしたくさんのウェブページやアプリを同時に開くことが多い方なら、処理能力の高いRyzen 5を選ぶと安心です。
予算を抑えたい場合は、グラフィックス機能内蔵のAPUモデルを選べば、別にグラフィックスカードを買う必要がなく、お財布に優しいパソコンが作れます。
CPUのRyzenについてよくある質問
CPUのRyzenについてよくある質問をQ&A形式でまとめてみました。
- Intel製CPUとの違いはどこにあるの?
-
一番わかりやすい違いは、設計思想や得意な作業の傾向です。
Ryzenは「たくさんの作業を同時にこなす力」に優れていて、お値段とのバランスも良いんですよ。
Intel製CPUは「一つの作業を素早くこなす力」が高いモデルが多いです。新しいモデルが出るたびに優位性が入れ替わることもあるので、その時々の予算や使い方に合わせて比べてみるといいですね。 - Ryzenのモデル番号はどうやって読み解けばいいの?
-
例えば「Ryzen 5 5600X」という表記があったとしましょう。これは「Ryzen」というブランド名、「5」というシリーズ番号、「5600X」という製品番号を表しています。
数字が大きいほど性能が高くなる傾向があり、末尾の文字(例:「G」は内蔵グラフィックス搭載)から特別な機能がわかるようになっています。難しく考えなくても、シリーズ番号(3、5、7、9など)と世代(例:5000番台は第5世代)を見れば、だいたいの性能が想像できますよ。 - Ryzen搭載ノートPCでも高性能を期待できる?
-
はい、もちろんです!最近のRyzenノートパソコン向けCPUは、とても優秀で、バッテリーも長持ちするのに高性能なんですよ。
ただ、長時間にわたって重い作業をしたり、本格的なゲームをプレイしたりする場合は、放熱・冷却機能が充実しているモデルを選ぶと、より安心して使えます。 - APU(内蔵グラフィックス搭載モデル)ってどんなもの?
-
APUとは、CPUに「グラフィックス機能」(GPU)をくっつけた、AMDさん独自の製品です。
わかりやすく言うと、「頭も良くて絵も上手な」オールマイティなCPUということ。別にグラフィックスカードを買わなくても、映像を表示できるので、費用を抑えたい方や、シンプルな構成が好きな方に向いています。 - Ryzen搭載PCは初心者でも使いやすい?
-
とても使いやすいですよ!
Ryzenは価格と性能のバランスがよく、特にグラフィックス機能内蔵モデルなら、難しいパーツ選びをしなくても、すぐに使い始められます。「パソコンは初めて」という方にもおすすめできる安心のCPUです。
まとめ
- Ryzen搭載PCは「高性能なのにお値段も安心」という、とても魅力的なバランスを持っていて、初めての方から上級者まで幅広く使えます
- ノートでもデスクトップでも、CPU以外の部品(メモリやストレージなど)もしっかり確認して選ぶと、失敗が少なくなります
- 動画編集や3D作品づくりなど、頑張る作業には「コア・スレッド数が多い」Ryzen 7やRyzen 9がとても便利です
- ゲームを楽しみたい方は、Ryzen 5以上と良いグラフィックスカードの組み合わせがおすすめです
- 予算をおさえたい方は、グラフィックス機能内蔵のAPUモデルも検討してみると、お財布に優しいパソコンが作れますよ
これでRyzenについての基本的な知識は完璧ですね!あなたのパソコン選びが楽しいものになりますように。