ゲームのグラフィック設定を開くと、ほぼ必ず見かける「垂直同期(VSync)」。オンにすれば綺麗、オフにすれば速い、という単純な話ではないため、どちらにすべきか迷いますよね。実は、遊ぶゲームの種類によって答えが変わる設定なんです。
この記事では、垂直同期(VSync)とは何かという基本から、オフにする理由とオンが向く場面の使い分けまでを、PC初心者でも比較しやすい順に整理します。専門用語はできるだけかみ砕き、必要なところだけ補足します。
操作感と画面の見え方を比べ、自分のゲームに合う設定を判断できるよう整理します。
垂直同期(VSync)とは、ティアリングを防ぐためGPUの描画をモニターの更新タイミングに同期させる機能で、操作感重視ならオフ・映像重視ならオンが基本です。
- オフにする最大の理由は入力遅延を減らすため
- 競技FPSはオフ、RPGなど映像重視のゲームはオン
- G-SYNC/FreeSync対応モニターならfps制限との併用が快適
【結論】操作感重視ならオフ、映像重視ならオン

垂直同期をオフにする主な理由は、入力遅延を減らし、fps低下時のカクつきを抑えるためです。
ただし、オフにすると画面が裂けるように見えるティアリングが出ることがあります。見た目重視ならオン、操作感重視ならオフを基準に考えます。 同じ場面でオンとオフを切り替え、操作感とティアリングを比べましょう。
結局オンとオフどっちがいいかで迷ったら、操作の軽さを取るならオフ、見た目の安定を取るならオンと覚えておくと選びやすくなります。
| 状況 | 先に見るところ | 次の判断 |
|---|---|---|
| 競技FPS | 入力遅延 | オフ寄り |
| RPG・ソロゲーム | 見た目の安定 | オンも候補 |
| G-SYNC環境 | 可変同期 | fps制限と併用 |
| 低fps環境 | カクつき | 設定を軽くする |
代表的なゲームでの推奨設定も整理しておきます。反応速度が勝敗を左右するゲームはオフ、映像の安定が大事なゲームはオンが基準です。
| ゲームの例 | 推奨設定 | 理由 |
|---|---|---|
| VALORANT・Apex Legendsなど競技FPS | オフ | 入力遅延を最小にしたい |
| フォートナイト・格闘ゲームなど対戦系 | オフ寄り | 操作の反応を優先したい |
| 原神・FF14などRPG/MMO | オン | 映像の安定と没入感を優先 |
| マインクラフト・シミュレーション系 | オン | 遅延の影響が小さい |

オン・オフどっちが正解というより、「そのゲームで何を優先するか」です。
垂直同期(VSync)とは?ティアリングを防ぐ同期機能
垂直同期(VSync)とは、画面のティアリング(表示のズレ)を防ぐために、GPUが映像を送り出すタイミングをモニターの書き換えタイミングに同期させる機能です。ゲームの設定画面では「VSync」「V-SYNC」「垂直同期」などの名前で表示されます。
モニターは一定のリズムで画面を書き換えていて、たとえば60Hzのモニターなら1秒間に60回、約16.7ミリ秒ごとに更新されます。GPUの描画が終わるタイミングはこのリズムと無関係なため、同期を取らないと書き換えの途中で映像が切り替わってしまうのです。
垂直同期はこのズレをなくす代わりに、映像をモニターの更新まで待たせるぶんだけ、操作への反応が遅れる場合があります。ここが「オフにすべきか」で迷うポイントになります。
よくある疑問:ティアリングって、実際にはどんなふうに見えるの?
画面の途中に横方向の切れ目が入り、上下の映像が少しずれて表示される現象です。視点を素早く横に振ったときに目立ちやすく、建物の柱や木の幹など、縦のラインがカクッと折れて見えるのが典型的なパターンです。
オンとオフのメリット・デメリットを整理すると、下の表のようになります。
| 設定 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| オン | 表示が安定しティアリングが出にくい | 入力遅延が増えやすい・fps低下時にカクつく場合がある |
| オフ | 入力遅延が減り操作感が軽い・fpsが上限なしで伸びる | ティアリングが出やすい |
もう一つ知っておきたいのがスタッタリングです。垂直同期オンのままfpsがモニターのHzを下回ると、同期待ちで表示が不規則にカクつくことがあります。fpsが安定しない環境では、オンが逆効果になる場合がある点は覚えておきましょう。
なお、同じ「同期」でも、モニター側の書き換えをfpsの変動に合わせるG-SYNCとFreeSyncという仕組みもあります。対応モニターを使っている人は、G-SYNCはいらない?必要な人・不要な人も合わせて読むと選びやすくなります。
同じ場面でオン・オフを比較する
まずゲーム内設定だけでオン・オフを比較します。同じステージや練習場でオン・オフを切り替えて、操作感と画面の裂けを比べるのが一番分かりやすい方法です。
| 順番 | 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 1 | 同じ場面で比較 | 操作感と見た目を見る |
| 2 | fps上限を設定 | モニターHz付近にする |
| 3 | G-SYNC/FreeSyncを見る | 対応時は併用を試す |
| 4 | ゲーム別に保存 | 一律設定にしない |
オフにすると入力遅延を減らしやすい
垂直同期オンでは、モニターの表示タイミングを待つため、操作から画面反映までの遅れを感じることがあります。競技FPSではこの遅れが気になりやすいです。
遅れの量は環境によりますが、一般的には1〜2フレームぶんが目安といわれます。60Hzなら1フレームは約16.7ミリ秒なので、2フレームなら30ミリ秒を超える遅れになる計算です。対戦ゲームでは、エイムの最後のひと調整がずれる感覚として現れます。
- マウス操作の反応を重視する
- 競技系ではオフを試す
- 画面の裂けが気になれば別対策
オンが向くのは見た目重視のゲーム
ストーリー重視のRPGやアクションゲームでは、多少の遅延より画面の乱れが少ない方が快適なこともあります。自分の遊び方に合わせて選びましょう。
一人でじっくり遊ぶゲームでは、コンマ数秒の反応速度より、画面全体の見やすさや没入感の方が満足度に直結します。「そのゲームで一番気になる不満はどれか」を基準に選ぶと迷いにくくなりますよ。
- RPGやアドベンチャーはオンも候補
- 動画撮影では見た目重視
- 操作の重さを感じたらオフへ
fps制限と組み合わせると安定しやすい
垂直同期をオンにすると、fpsはモニターのリフレッシュレートが上限の目安になります(60Hzなら60fps前後)。GPUに余力があってもそこから先は伸びないため、fpsの数値を伸ばしたい場合はオフを検討します。
垂直同期だけに任せず、ゲーム内やドライバでfps上限をモニターHz付近に設定すると、GPU負荷と表示が安定することがあります。
上限をモニターHzちょうどではなく、数fpsだけ下に設定するのは、fpsが上限に張り付くことで起きる遅延の増加を抑えるためです。GPUに少し余裕ができるので、発熱やファンの音が落ち着きやすいという利点もあります。
- 144Hzなら141〜144fps付近を試す
- GPU使用率の張り付きも抑える
- 発熱対策にもなる
G-SYNC/FreeSyncがあるなら別の選択肢
可変リフレッシュレート対応モニターなら、垂直同期だけでなくG-SYNCやFreeSyncを使う選択肢があります。表示の滑らかさと遅延のバランスを取りやすくなります。
G-SYNCやFreeSyncは、モニター側の書き換えタイミングをfpsの変動に合わせる仕組みです。固定のリズムに映像を待たせる垂直同期とは発想が逆で、遅延を抑えつつティアリングも防ぎやすいのが特長です。自分に必要かどうかは、G-SYNCはいらない?必要な人・不要な人で詳しく整理しています。
- 対応モニターか確認する
- ドライバ側の設定を見る
- ゲームごとに比較する
垂直同期の症状別チェックリスト
症状ごとに、オン・オフの判断基準をチェック表へ整理します。垂直同期は、原因を一つに決めつけると遠回りになりやすいテーマです。まず症状を言葉にしてから、近い行だけ確認していくと、作業量をかなり減らせます。
| 症状 | 考えられる原因 | 対処の方向 |
|---|---|---|
| 画面が横に裂けて見える | 垂直同期オフでfpsとHzがずれている | オンに戻すか、G-SYNC/FreeSyncを有効化 |
| 操作がワンテンポ遅れる | 垂直同期オンによる表示待ち | オフにして、fps上限で裂けを軽減 |
| fpsが急に大きく落ち込む | fpsがHzを下回った時の同期待ち | 画質設定を下げてfpsを確保 |
| カクつきが不規則に出る | fpsの変動幅が大きい | 安定して出せる値に上限を設定 |
垂直同期以外の設定は変えず、変更前の状態も控えておきましょう。差を比べやすくなります。
比較は「垂直同期だけ変える・同じ場面で試す・結果を記録する」の3段階です。ステージと画質設定もそろえます。
垂直同期の設定はどこ?ゲーム内・NVIDIA・AMD別の変え方
垂直同期の切り替え場所は、大きく分けてゲーム内の設定・NVIDIAコントロールパネル・AMDのドライバ設定の3か所です。場所と手順を先に知っておくと、ゲームごとの使い分けが短時間で済むようになります。
まずはゲーム内のグラフィック設定から
基本はゲーム内の設定で切り替えます。「グラフィック」や「ビデオ」の設定画面に、「垂直同期」または「VSync」という項目があるのが一般的です。設定がゲームごとに保存されるため、対戦ゲームはオフ、ソロゲームはオンという使い分けがしやすいのが利点です。
NVIDIAコントロールパネルでの手順
- デスクトップの何もない場所を右クリックし、「NVIDIAコントロールパネル」を開く
- 左メニューの「3D設定の管理」を選ぶ
- 「垂直同期」の項目で、オン・オフ・高速などを選ぶ
- ゲームごとに変えたい場合は「プログラム設定」タブで対象を指定する
選択肢にある「高速」は、fpsがモニターHzを大きく上回る環境向けの方式で、遅延を抑えながらティアリングを軽減する狙いのものです。まずは通常のオン・オフで比較し、物足りない時に試す位置づけで十分です。
AMD Softwareでの手順
- デスクトップの何もない場所を右クリックし、「AMD Software」を開く
- 上部の「ゲーム」タブから「グラフィックス」を選ぶ
- 「垂直リフレッシュを待機」の項目で挙動を選ぶ
- ゲームごとのプロファイルを作れば個別設定もできる
AMDには「拡張同期(Enhanced Sync)」という、NVIDIAの高速に近い考え方の機能もあります。名前は違っても、映像を待たせずに裂けを減らす方向の仕組みという点は共通です。
気をつけたいのは、ゲーム内とドライバ側で設定が食い違うケースです。どちらが優先されるのか分かりにくくなるため、基本はゲーム内の設定で管理し、ドライバ側は初期設定のままにしておくと混乱しにくくなります。



設定を変えたら、同じ場面を数分プレイしてすぐ比べるのがコツ。時間を置くと前の操作感を忘れてしまいます。
全ゲームで同じ設定に固定しない


垂直同期を全ゲームで同じ設定に固定すると、用途に合わないことがあります。 対戦ゲームとソロゲームでは、快適さの基準が違います。
| 見落とし | 起きやすい症状 | 対処の考え方 |
|---|---|---|
| 全ゲームで同じ設定 | 片方で不満が出る | ゲーム別に保存 |
| fps不足を垂直同期で解決しようとする | 重さが残る | 画質設定を下げる |
| ティアリングを我慢しすぎる | 見た目が疲れる | G-SYNC/FreeSyncも検討 |
対戦ゲームとソロゲームでは、重視する点が違うことを前提に確認しましょう。
- 対戦ゲームに合わせて全ゲームをオフにして、RPGでティアリングに悩み続ける
- fps不足によるカクつきを、垂直同期のオン・オフだけで直そうとする
- G-SYNC対応モニターなのに、機能を有効化しないまま垂直同期だけで調整する
- 比較のたびに複数の設定を同時に変えて、どれで変わったのか分からなくなる



垂直同期はfps自体を増やす機能ではありません。fps不足とは分けて考えます。
切り替えても重いならPC性能を確認する
垂直同期を切っても重いなら、原因は入力遅延ではなくPC性能や設定かもしれません。 垂直同期を切り替えても重さが変わらない場合は、画質設定やPC性能を確認します。


| 分岐 | この状態なら検討 | PCコンパス内の次の記事 |
|---|---|---|
| 設定 | 画面の裂けだけ気になる | G-SYNCとFreeSync |
| モニター | 60Hzで動きが粗い | リフレッシュレートとは |
| PC性能 | 低設定でもfps不足 | グラボ型番の読み方 |
G-SYNC/FreeSyncとリフレッシュレートを合わせて理解すると、垂直同期の使いどころがかなり分かりやすくなります。
画質設定を下げても重い場合は、初めてのゲーミングPCの選び方ロードマップやゲーミングPCの予算相場も合わせて読むと、PC本体を見直すべきか判断しやすくなります。
なお、垂直同期を切り替えてもカクつき自体が残る場合は、PCゲームがカクつく原因と直し方で、設定・温度・回線まで含めた切り分け手順を紹介しています。
設定で厳しいときは現行構成も比較
まとめ:操作感重視ならオフ、見た目重視ならオンもあり
最後に、この記事の要点を振り返ります。
- 垂直同期は画面の裂けを抑える
- オフにする理由は入力遅延を減らすため
- RPGなどではオンが快適なこともある
- G-SYNC/FreeSyncやfps制限と組み合わせる
- 設定はゲーム内・NVIDIA・AMDのドライバから変えられる
垂直同期は正解が一つではなく、ゲームと好みによって変える設定です。 同じ場面で一項目ずつ比べると、ティアリングと入力遅延のどちらを優先するか判断しやすくなります。
- 垂直同期とは何ですか?
-
GPUが映像を送り出すタイミングを、モニターの書き換えタイミングに同期させる機能です。画面が横に裂けて見えるティアリングを防げる一方、映像を待たせるぶん入力遅延が増えやすい特徴があります。
- 垂直同期はオフの方がいいですか?
-
競技FPSならオフが好まれやすいです。RPGや映像重視のゲームではオンが快適なこともあります。
- オフにすると画面が裂けます。
-
ティアリングが気になる場合はオン、またはG-SYNC/FreeSync、fps制限を試してください。
- 垂直同期でfpsは上がりますか?
-
上がりません。表示タイミングを合わせる機能です。fps不足は画質設定やPC性能を見直します。
- ゲームごとに設定を変えていいですか?
-
問題ありません。対戦ゲームとソロゲームでは、優先する快適さが異なります。
- 垂直同期とG-SYNC/FreeSyncは併用できますか?
-
併用できる環境が多いです。可変同期を有効にした上で、fps上限をモニターHzの少し下に設定すると、遅延と表示の乱れのバランスを取りやすくなります。最後は実際のゲームで操作感を比べて決めるのが確実です。
- 垂直同期はオンとオフ、結局どっちがいいですか?
-
対戦系やFPSなど反応速度が勝敗を左右するゲームはオフ、RPGやアドベンチャーなどじっくり進めるゲームはオンが向いています。迷ったときは、まずオフで操作感を試し、違和感がなければそのまま使い続けて問題ありません。
- 垂直同期のメリットとデメリットを一言で教えてください。
-
オンのメリットは表示の安定、オフのメリットは操作の軽さです。デメリットは逆に、オンが入力遅延の増加、オフがティアリングの発生になります。両方試して、自分のプレイスタイルに合う方を選べば問題ありません。









