Voxtral 3は、ミストラルAIが10月20日に発表した、音声を文字にする文字起こしと、文字を音声にする音声合成(読み上げ)のモデル群です。
4つのモデルと、音声エージェント用のSDKが同時に出ました。料金、日本語、自分のPCで動くかが気になる人向けに、2026年10月21日時点の公式ブログとモデルカードで整理します。
- Voxtral 3は、文字起こしと音声合成の4モデル。パブリックプレビュー中
- 録音の文字起こしは、まずMiniモデルから試すのが公式の案内
- 料金は文字起こしで1時間あたり数十円の目安。旧版より上がったモデルもある
- 言語数が公式ページで食い違い、日本語対応は断定できない。自分の音声で確認
- APIで使うなら処理はクラウド側。手元のPCの性能より回線が大事
Voxtral 3とは?文字起こしと音声合成の4モデルを結論から
イメージ図(公式の説明を簡略化した図です)
Voxtral 3は、文字起こし用と音声合成用のモデルを4つそろえたシリーズです。
4つとも、公式の各モデルカードでは10月20日の日付で、パブリックプレビュー(=正式提供の前に試せる段階)と表示されています。
結論から言うと、録音の文字起こしならMiniモデルから試すのが、公式の案内に沿った入り方です。日本語は、自分の音声で確かめてください。
Voxtral 3の4モデルの役割
- Voxtral Mini Transcribe 3:録音ファイル向けの文字起こし。まず試すモデル
- Voxtral Small Transcribe 3:録音向けの上位モデル
- Voxtral Mini Transcribe Realtime 3:ライブ向け。話しながら文字にしていく
- Voxtral Speech 3:文字を声にする音声合成。公式ページでは「Voxtral TTS 3」「Voxtral Mini TTS 3」とも書かれる
以降は、これらを「Miniモデル」「Smallモデル」「Realtimeモデル」「Speechモデル」と呼びます。
どのモデルも、ミストラルAIのAPI(=ほかのアプリやプログラムから機能を呼び出す入口)で使えます。
音声エージェント用SDKとは
公式ブログは、4モデルとあわせて、LiveKitをもとにした音声エージェント用のSDKも発表しました。SDKは、アプリを作る人が使う部品のセットです。

4モデルは役割が違います。全部を覚えず、まず「録音ならMini」だけ押さえれば十分です。
Voxtral 3の4モデルはどれを選ぶ?違いと選び方
イメージ図(公式の案内を簡略化した図です)
よくある疑問:結局、4つのうちどれから使えばいいの?
公式ドキュメントの案内では、録音ファイルはまずMiniモデルです。ライブならRealtimeモデル、声を作るならSpeechモデルを選びます。
| モデル | 用途 |
|---|---|
| Miniモデル | 録音ファイルの文字起こし |
| Smallモデル | 録音ファイルの文字起こし(上位) |
| Realtimeモデル | ライブの文字起こし |
| Speechモデル | 音声合成 |
出典:Miniモデル、Smallモデル、Realtimeモデル、Speechモデルの各モデルカード。確認日は10月21日です。
録音ならMiniから
Miniモデルで固有名詞の誤りが残るときは、context bias(=人名や社名などを先に渡して、聞き間違いを減らす機能)を試します。それでも残るときにSmallモデルへ上げます。
話者分離は、誰が話したかを分ける機能です。
タイムスタンプは、文のまとまり(セグメント)単位だけです。単語ごとの指定はエラーになり、Voxtral 2から使えなくなったと移行ガイドにあります。
ライブ字幕・通話ならRealtime
Realtimeモデルは、話している最中に文字にしていくモデルです。遅延は設定でき、値は80〜1200ミリ秒の整数、または2400です。ミリ秒は1000分の1秒です。
声を作るならSpeech
Speechモデルは、文字を声にします。最初の音が出るまで約90ミリ秒、感情タグは34種類、ペースはslowとfastのタグで指定できると、公式に書かれています。
要約・翻訳を頼みたいとき
Smallモデルのカードには、翻訳・音声Q&A・要約・関数呼び出しに対応と書かれています。
一方、文字起こしの概要ページは、録音への質問や要約・翻訳では、提供開始時点でvoxtral-small-latest(Voxtral 2)を使うよう案内しています。
ページ同士で食い違っているため、要約や翻訳を頼む前に、公式の最新の記載を確認してください。



迷ったらMiniモデルで短い録音を試して、誤りが多いときだけSmallモデルへ上げる流れが無理のない順番です。
Voxtral 3の料金はいくら?1時間あたりと旧版との比較
1分あたりの料金に60を掛けた試算で、公式の表示ではありません
料金は、各モデルカードに書かれた10月21日時点の表示です。パブリックプレビュー中のため、変わる場合があります。
1時間の会議を文字起こしすると
| モデル | 1分あたり(ドル) | 1時間あたり(ドル・試算) |
|---|---|---|
| Miniモデル | 0.0035 | 0.21 |
| Smallモデル | 0.004 | 0.24 |
| Realtimeモデル | 0.008 | 0.48 |
| Speechモデル | 100万文字あたり13ドル | ― |
Speechモデルは文字数で数えるため、1時間あたりは空欄です。
円に直すと、1ドル=158円の概算で、Miniモデルが約33円、Smallモデルが約38円、Realtimeモデルが約76円です。為替で変わり、税の扱いも確認していないため、請求は公式の表示で確かめてください。
旧Voxtral 2との料金の違い
| モデル(1分あたりのドル) | Voxtral 2 | Voxtral 3 | 変化 |
|---|---|---|---|
| Miniモデル | 0.003 | 0.0035 | 上がった |
| Realtimeモデル | 0.006 | 0.008 | 上がった |
Smallモデルは、旧版の料金を確認できていないため、比較に入れていません。
無料で使える?
Voxtral 3を無料で使える条件は、確認できませんでした。ミストラルAIの料金ページのFreeプランにはStudioへのアクセスが含まれますが、4モデルが対象かは分かりません。試す前に、公式の案内で条件を確認してください。
Voxtral 3は日本語に対応している?公式ページの数字の食い違い
日本語に対応しているかは、公式ページから断定できません。ページごとに言語の数字が違い、日本語の扱いも載る箇所と載らない箇所があるためです。自分の音声で試してから使ってください。
公式ページで数字が違う箇所
| 項目 | 公式ドキュメント | ブログ・モデルカード |
|---|---|---|
| 録音の文字起こし | 50言語 | ブログは50以上 |
| ライブの文字起こし | 45言語と方言 | ブログ本文は35以上、同ブログ末尾の一覧は40以上 |
| 音声合成 | 35言語・50以上の方言 | ブログは35以上、モデルカードは9言語 |
出典:言語ページ、公式ブログ、各モデルカード。確認日は10月21日です。
日本語は載っている?
よくある疑問:50言語に対応なら、日本語も入っているの?
言語ページには言語名の一覧がなく、50言語の中に日本語が含まれるかは、このページからは分かりません。
ブログの評価の言語リストと音声サンプルには、日本語が出てきます。一方、音声合成のプリセット音声のページに、日本語の声はありません。
これらから日本語の対応を決めつけることはできません。
日本語で試すときのチェックポイント
- 実際に使う話し方の短い録音を用意する(会議やインタビューなど)
- 人名・社名・製品名などの固有名詞が正しく出るかを見る
- 数字・日付・同音異義語の誤りを数える
- 同じ録音でMiniモデルとSmallモデルを比べる
Voxtral 3の使い方|プレイグラウンドで試す手順とPCスペック
イメージ図(処理の流れを簡略化した図です)
APIで使うなら、文字起こしの処理はミストラルAIのサーバー側で行われます。手元のPCに必要なのは、録音や送信、結果の表示ができる程度の性能と、安定した回線です。
プレイグラウンドで試す手順
プレイグラウンド(=ブラウザ上でモデルを試せる画面)は、各モデルカードの「Try in playground」から開けます。
試したいモデルのカードを開き、「Try in playground」から進みます。最初はMiniモデルが無難です。
画面の案内に沿って、試したい音声を入れます。最初は短い録音で十分です。
出てきた文字を元の音声と聞き比べ、固有名詞・数字・日付の誤りを中心に確かめます。
画面の操作は変わる場合があり、この記事では実際の画面を試していません。表示が違うときは公式の案内を優先してください。
PCスペックは要る?手元で動かせる?
クラウドのAPIで使うなら、今お使いのPCで足ります。高性能なGPUやメモリを買い足す理由は、いまのところ見当たりません。
手元のPCで動かせるとは限りません。公式ブログは自社環境への導入を営業窓口への相談としており、4モデルの重みのダウンロード配布は確認できません。ローカルで動かす前提でPCを買わず、続報を待ってください。
なお、旧Voxtral 2のライブ向けモデルは、モデルカードにApache 2.0のライセンス表示と、重みの配布ページへのリンクがあります。Voxtral 3の4モデルのカードには、どちらも見当たりません。
手元で動かす文字起こしAIのPC選びは、文字起こしAIとPCスペックの記事を参考にしてください。
録音を送る前に、利用規約とデータの扱いを確認してください。社外秘の録音は、特に慎重に扱いましょう。



クラウドで試すだけなら、PCを買い替える必要はありません。まず短い録音で試すのが近道です。
Voxtral 3は誰に向く?選び方のまとめとよくある質問
向く人・向かない人
向くのは、次のような人です。
- 録音の文字起こしを、短い試験から始めたい人
- 文字起こしを自分のアプリに組み込みたい人
向かないのは、次のような人です。
- 日本語の誤りを確かめる前に、業務で使い切ろうとする人
- 社外秘の録音を、規約の確認なしに送りたい人
- 手元のPCだけで完結させたい人(重みの配布は確認できていません)
ほかの文字起こし・音声合成との使い分け
ChatGPTに録音を渡して文字にする方法はChatGPTでの文字起こしの記事、音声合成の別サービスはElevenLabsの記事や無料の音声合成AIの記事が参考になります。
Voxtral 3のまとめ
Voxtral 3は、短い録音を自分の手で試してから、使い道を決めるモデルです。この記事は10月21日時点の公式情報にもとづくので、最新は公式サイトでご確認ください。
- 確認できたこと:4モデルの用途、料金の表示、パブリックプレビュー中であること
- 確認できなかったこと:日本語の明記、無料の条件、重みの配布
- 次にやること:短い日本語の録音をMiniモデルで試して、誤りを見る
- 注意すること:社外秘の録音は規約の確認が先。料金は公式の表示で確認
- 続報の見どころ:正式提供への移行時期と、公式ページの数字の食い違いの解消
パブリックプレビュー中は、仕様や料金が変わる場合があります。迷ったときは、公式のモデルカードで最新の記載を確かめてください。
Voxtral 3のよくある質問
- Voxtral 3は無料で使えますか?
-
無料で使える条件は、公式ページで確認できませんでした。料金ページのFreeプランにはStudioへのアクセスが含まれますが、4モデルが対象かは分かりません。
- Voxtral 3は日本語に対応していますか?
-
公式ページからは断定できません。言語ページに言語名の一覧がなく、評価の言語リストと音声サンプルには日本語が出ますが、プリセット音声には日本語がありません。自分の音声で確かめてください。
- Voxtral 3は自分のPCで動かせますか?
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重みのダウンロード配布は確認できません。APIで使う場合の処理はクラウド側なので、今のPCで足ります。
- Voxtral 3はどのモデルから試せばいいですか?
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録音ファイルならMiniモデルが最初の候補です。誤りが残るときだけSmallモデル、ライブならRealtimeモデル、声を作るならSpeechモデルです。









