ゲームのグラフィック設定を開くと「フレーム生成(Frame Generation)」という項目が並んでいて、オンにするとfpsの数字が跳ね上がる。でも中で何が起きているのかは分からない——そんな状態でスイッチだけ触っている方は多いですよね。
DLSS3、DLSS4、DLSS 4.5、AMDのFSRといった名前が一緒に出てくるので、余計に整理しづらくなっています。
結論から書くと、フレーム生成は実際に描画したコマとコマの間に「中間のコマ」を挿し込み、画面に表示するコマ数を増やす技術です。表示は滑らかになりますが、ゲーム本体が処理する回数や操作の反応まで同じ倍率で良くなるわけではありません。ここが分かれ目になります。
この記事では、フレーム生成の仕組み、アップスケーリング(超解像)との違い、DLSSとFSRの世代ごとの対応GPU、そして遅延との関係までを順に整理します。数字はNVIDIAとAMDの公式ページを2026年9月2日に確認した内容です。
よくある疑問:fpsが2倍とか3倍になるって聞いたけど、そんな都合のいい話ってあるの?
表示されるコマ数という意味では本当です。NVIDIAは2026年3月末から、描画1コマにつき最大5コマを追加する6Xモードを提供しています。ただし増えるのは「表示用のコマ」で、操作の反応が同じ比率で速くなるわけではありません。
この差が分かれば、どの場面でオンにして、どの場面では控えるかを自分で判断できるようになります。
- フレーム生成が表示fpsを増やす仕組み(描画の間へコマを追加)
- アップスケーリング(超解像)との違いと、設定画面での見分け方
- DLSS3/DLSS4/DLSS 4.5とFSRの対応GPU(2026年9月2日時点の公式表)
- 遅延との関係と、オンにして得をする場面・控えたい場面
フレーム生成(Frame Generation)とは?
フレーム生成は、ゲームが実際に描画したフレームの間へ補間フレームを追加する技術です。DLSSのようにAIモデルで中間コマを作る方式と、従来のFSR3のように動きベクトルを解析して作る方式があります。
この記事で「AIがコマを描き足す」と書いている部分は主にDLSSの説明で、すべての方式がAIを使うわけではありません。
パラパラ漫画で考えると分かりやすくなります。10枚の絵をめくれば、そこそこ動いて見えます。ここで「1枚目と2枚目の中間の絵」を自動で描き足して差し込めば、めくる枚数が増えて動きが滑らかに見える——これがフレーム生成です。
ゲームエンジンが1枚描くたびに、その後ろで1枚、方式によっては複数枚が追加されます。

補足です。フレーム生成が足すのは表示用の中間コマで、ゲーム本体が描く枚数そのものが増えるわけではありません。ここを押さえておくと、この後の遅延の話がつながります。
そのため、フレーム生成をオンにすると画面に出る数値上のfpsは大きく伸びるのに、後半で説明する操作の反応(遅延)は数字ほど良くならない、という現象が起きます。まずは「見た目の滑らかさを増やすための機能で、処理そのものを軽くする機能ではない」と分けて覚えておくと混乱しません。
アップスケーリング(DLSS/FSR)とフレーム生成の違い


DLSSやFSRという名前は、超解像・フレーム生成・ノイズ除去などをまとめた技術群の呼び名です。フレーム生成はその中の1機能にすぎません。ここを混同すると「DLSSをオンにした」という一言が何を指すのか分からなくなります。
- アップスケーリング(超解像)…低い解像度で描いた映像から高解像度の映像を再構成する機能。描画そのものの負荷を下げる
- フレーム生成…描画済みのコマの間に中間コマを差し込み、表示するコマ数(fps)を増やす機能
役割で言えば、アップスケーリングは「1枚あたりの負荷を下げる」、フレーム生成は「表示する枚数を増やす」という分担です。多くのゲームでは両方を同時にオンにでき、組み合わせるとfpsの伸びも大きくなります。違いを表にまとめます。
| 項目 | アップスケーリング | フレーム生成 |
|---|---|---|
| やること | 低解像度から高解像度の映像を再構成する | コマの間に補間フレームを差し込む |
| 主な目的 | 1枚の描画負荷を下げる | 表示するコマ数を増やして滑らかにする |
| 操作の反応 | 負荷が下がる分、良くなりやすい | 数字ほどは良くならない。条件によっては遅延がわずかに増える |
| 設定画面での表記例 | DLSS 超解像 / FSR Upscaling | DLSS フレーム生成 / FSR Frame Generation |
よくある疑問:じゃあ「DLSSをオンにした」って言っても、どっちのことか分からないんだね?
そのとおりです。ゲームの設定画面では「DLSS 超解像」と「フレーム生成」が別々の項目として並んでいることが多く、片方だけオンになっている状態もよくあります。名前が似ていて紛らわしいので、「画質と負荷を担当する方」と「コマを足す方」に分けて確認してください。
DLSS3・DLSS4・DLSS 4.5のフレーム生成の違い


NVIDIA(エヌビディア)のGeForce RTXシリーズでは、フレーム生成が世代ごとに拡張されてきました。以下はNVIDIA公式のDLSS紹介ページと対応表を2026年9月2日に確認した内容です。
DLSS3のフレーム生成(1枚を足す)
DLSS3で登場したフレーム生成は、描画したコマ1枚につき中間コマを1枚差し込む方式です。仕組みの上では表示コマ数が最大2倍になり、これが「fpsが増える機能」として注目されました。
公式の対応表では、この従来型のフレーム生成はRTX 40シリーズとRTX 50シリーズが対象で、RTX 30・RTX 20シリーズには印が付いていません(2026年9月2日確認)。
DLSS4のマルチフレーム生成(複数枚を足す)
DLSS4では「マルチフレーム生成(Multi Frame Generation)」に拡張され、描画したコマ1枚につき複数枚の中間コマを差し込めるようになりました。登場時点の上限は3枚追加の4Xモードで、表示コマ数は仕組み上4倍です。
マルチフレーム生成は第5世代Tensorコアを使う機能のため、対応はRTX 50シリーズのみです。RTX 40シリーズで使えるのは1枚追加の従来型フレーム生成までになります。実際にどれだけfpsが伸びるかは、ゲーム、解像度、画質設定、CPU性能で変わります。



数字の意味が世代ごとに違います。DLSS3は1枚追加、DLSS4は最大3枚追加、DLSS 4.5の6Xモードは最大5枚追加。対応表を見るときは、世代とモードをセットで確認してください。
次の図はDLSS3と、DLSS4の4Xモードを比べたものです。DLSS 4.5の6Xモードは後述します。図のコマ数は仕組みを説明するための値で、実測fpsの倍率ではありません。
DLSS 4.5の6XモードとDynamic Multi Frame Generation
DLSS 4.5のDynamic Multi Frame Generationと6Xモードは、2026年3月31日にNVIDIA appの更新として提供が始まりました。
NVIDIA公式発表によると、RTX 50シリーズでは描画1コマにつき最大5コマを追加する6Xモードが使え、4Xから6Xへ切り替えると4Kのパストレーシング対応タイトルでフレームレートが最大35%伸びるとしています(2026年9月2日確認)。
Dynamicモードは倍率を固定せず、場面に応じて自動で切り替える仕組みです。
NVIDIA appのグラフィックスタブで「DLSS Override – Frame Generation Mode」を開き、Dynamicを選んだうえで上限フレームレートをモニターのリフレッシュレートに合わせる、といった設定を行います。
使ううえでの条件は次のとおりです。
- NVIDIA appの更新に加え、GeForce Game Ready ドライバー 595.97 WHQL以降が必要
- 4Xはマルチフレーム生成対応タイトル全般で使えるが、6Xは新しいFrame Generation用DLLを使う一部タイトルのみ
- Dynamicモードはフレームレート制限機能やV-Syncとは併用できない(NVIDIA発表時点)
つまり「RTX 50シリーズを買えば、どのゲームでも常に6倍のfpsが出る」という機能ではありません。倍率はあくまで表示コマ数の話で、対応タイトルとドライバーの条件も付きます。
なお、DLSSの画質側の技術(第2世代トランスフォーマーモデルによる超解像やレイ再構成)は、マルチフレーム生成とは別枠です。
公式の対応表では超解像・レイ再構成・DLAAがRTX 20シリーズまで対応しており、フレーム生成系だけが新しい世代に限られています。
さらに2026年9月2日時点の公式ページには、光と質感をAIが描き足す「DLSS 5」と3D-Guided Neural Renderingの項目が追加され、対応表ではRTX 50シリーズのみに印が付いています。
DLSS 5は表示コマ数を増やす技術ではないため、この記事の話とは別軸です。DLSS 5そのものの内容と、対応GPUがどう案内されてきたかの経緯はDLSS 5について整理した記事にまとめています。
対応の可否や条件は世代・ドライバ・ゲームで変わるため、購入前や設定前には必ず公式の最新情報を確認してください。
AMDのFSR3とFSR “Redstone”のフレーム生成
フレーム生成はNVIDIA専用の技術ではありません。AMDにも「FSR」のフレーム生成があります。以下はAMD公式のFSR技術ページと対応表を2026年9月2日に確認した内容です。
FSR3のフレーム生成は、連続する2枚の間に中間フレームを1枚追加し、表示fpsを最大2倍相当にする仕組みです。
AMDの対応表では、FSR3のフレーム生成の対応目安をRadeon RX 5000シリーズ以降としています(超解像のみならRX 590以降)。DLSS側と比べると、古い世代でも動く範囲が広いのが特徴です。
現行世代の機械学習ベースの機能は、FSR “Redstone” という名前でまとめられています。
中身はFSR Upscaling・FSR Frame Generation・FSR Ray Regeneration・FSR Radiance Cachingの4つで、かつて「FSR 4」と呼ばれていた超解像はFSR Upscalingに改称されました。
呼び方が変わっただけで別物になったわけではありません。
対応GPUは機能によって分かれます。Redstoneの全機能が使えるのはRadeon RX 9000シリーズ以降で、超解像だけならRX 7000シリーズ以降でも利用できます。
AMDはFSR Upscaling 4.1をRX 7000シリーズ向けに提供済みで、RX 6000シリーズへの対応は2027年の予定と案内しています(2026年9月2日確認)。
FSR UpscalingとFSR Frame Generationは別機能なので、ゲーム側の対応とAMD Softwareの設定を個別に確認してください。AMDは併せてRadeon Anti-Lag 2の有効化も案内しています。
| 技術 | 1コマあたりに追加するコマ | 公式の対応目安(2026年9月2日確認) |
|---|---|---|
| DLSS3 フレーム生成 | 1枚 | RTX 40 / 50シリーズ |
| DLSS4 マルチフレーム生成(4X) | 最大3枚 | RTX 50シリーズ |
| DLSS 4.5 マルチフレーム生成(6X) | 最大5枚 | RTX 50シリーズ+対応タイトル・NVIDIA app・ドライバー595.97以降 |
| DLSS 4.5 Dynamic マルチフレーム生成 | 場面に応じて自動調整 | RTX 50シリーズ(フレームレート制限・V-Syncとは併用不可) |
| FSR3 フレーム生成 | 1枚 | Radeon RX 5000シリーズ以降 |
| FSR “Redstone” フレーム生成(ML版) | 中間フレーム | Radeon RX 9000シリーズ以降 |
この表のとおり、最新のグラボでなければ何も使えない、というわけではありません。ただし「動く」ことと「快適に感じられる」ことは別です。特にフレーム生成は、次に説明する遅延との相性で使いどころが決まります。
フレーム生成と遅延(入力の反応)の関係


フレーム生成で最もつまずきやすいのが遅延(入力してから画面に反映されるまでの時間)との関係です。ここを理解すると、fpsの数字が上がっても操作感が変わらない理由が分かります。
ポイントは、追加されるのが操作を反映していない中間コマだという点です。マウスやコントローラーの入力はゲームが実際に描画したコマにしか反映されないため、中間コマを増やしても操作の反応そのものは速くなりません。
加えて、中間コマを差し込む都合上、描画済みのコマを1枚保持してから表示する処理が入るため、条件によっては反応がわずかに鈍くなります。
そこで併用するのが遅延を減らす機能です。
NVIDIAの「Reflex(リフレックス)」やAMDの「Anti-Lag 2」がこれにあたり、NVIDIAは6Xモードの説明でも、Reflexと組み合わせることで反応への影響を小さく抑えていると説明しています。
フレーム生成をオンにするときは、遅延低減機能も一緒に有効にするのが基本です。
実用上の目安として、フレーム生成は「元のfpsがおおむね60fps前後は出ている状態」で使うと差を感じやすいとされています。逆に、元が20〜30fpsしか出ない重い状況で頼ると、見た目は滑らかでも操作が重く感じたり、動きの速い場面でにじみやチラつきが目立ちやすくなります。
フレーム生成の使いどころとおすすめのゲーミングPC
ここまでを踏まえて、フレーム生成が向いている場面・慎重にしたい場面を整理します。常にオンが正解ではなく、ゲームのジャンルで使い分ける前提で考えます。
- 向いている…重量級のシングルプレイ(オープンワールドやアクションRPG)を、高解像度・高画質で滑らかに遊びたいとき。高リフレッシュレートのモニターを使い切りたいとき
- 慎重にしたい…一瞬の反応が勝敗を分ける競技系FPS。反応を優先するなら、画質設定を下げて元のfpsを稼ぐ方が向きます



同じ設定を全タイトルで使い回す必要はありません。重いシングルプレイではオン、競技系ではオフ、というようにゲームごとに切り替えるのが実用的です。
そして前提として押さえたいのが、フレーム生成は表示するコマ数を増やす機能であり、描画そのもののfpsを同じ倍率にするものではないという点です。
元のfpsが低いほど中間コマの粗も出やすくなるので、まずはある程度のfpsを自力で出せるグラボ(GPU)を積んだPCを選ぶ方が、結果として満足度が上がります。
どのGPUがどの位置づけかを確かめたいときは、グラボの型番の読み方をまとめた記事も参考にしてください。
まずはRTX搭載のBTOパソコンから選ぶのが分かりやすい
「どのグラボがどの機能に対応しているか、自分で確認するのは不安」という方は、BTOパソコンの定番であるドスパラのGALLERIA(ガレリア)シリーズから、GeForce RTXシリーズ搭載モデルを選ぶ方法が分かりやすいと思います。
マルチフレーム生成まで使いたい場合はRTX 50シリーズ搭載機、従来型のフレーム生成で足りる場合はRTX 40シリーズ搭載機、という切り分けになります。
ミドルからハイエンドまで幅広く揃っており、予算と遊びたいゲームに合わせて選べます。最新の価格や具体的な構成・対応状況は、必ず公式サイトで確認してください。
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まとめ:フレーム生成は「表示コマ数」を増やす機能
フレーム生成(Frame Generation)の要点を振り返ります。
- 仕組み…描画したコマの間へ中間コマを加え、表示fpsを増やす技術
- 違い…アップスケーリング(超解像)とは別機能。設定画面でも項目が分かれており、併用できる
- 世代差…DLSS3は1枚、DLSS4の4Xは最大3枚、DLSS 4.5の6Xは最大5枚を追加。マルチフレーム生成はRTX 50シリーズ限定で、RTX 40シリーズは1枚追加まで(2026年9月2日確認)
- AMD…FSR3のフレーム生成はRX 5000シリーズ以降、ML版のFSR “Redstone” はRX 9000シリーズ以降。FSR 4はFSR Upscalingに改称済み
- 遅延…操作の反応は速くならない。ReflexやAnti-Lag 2と併用し、元のfpsが出ている状態で使う
フレーム生成でfpsが無限に増えるわけではなく、ある程度のfpsを出せるPCで、見た目の滑らかさを上乗せする機能と捉えるのが実態に近い理解です。だからこそ、土台となるグラボの性能を先に決め、そのうえでフレーム生成を追加の一手として使う順番が向いています。



設定画面で迷ったときは、超解像とフレーム生成が別項目になっていないかをまず確認してみてください。片方だけオンのまま、というケースが意外とあります。
対応モデルを選ぶなら、RTXシリーズ搭載機が豊富なドスパラのGALLERIAシリーズから、予算に合う一台を探してみてください。
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よくある質問(FAQ)
- フレーム生成をオンにすると画質は悪くなりますか?
-
解像感が落ちる種類の劣化ではありませんが、動きの速い場面では中間コマの部分ににじみやチラつきが出ることがあります。元のfpsが高いほど、隣り合うコマの差が小さくなるため不自然さは目立ちにくくなります。気になる場合はオンとオフを見比べて判断してください。
- DLSSとフレーム生成は同じものですか?
-
別のものです。DLSSは超解像(Super Resolution)、フレーム生成、レイ再構成などを含む技術群の総称で、フレーム生成はその中の1機能です。ゲームの設定では別項目になっていることが多いため、両方の状態を確認してください。
- 競技系のFPSでもフレーム生成は使った方がいいですか?
-
反応の速さを優先するタイトルでは、慎重に使う方が無難です。フレーム生成は操作の反応自体を速くしないため、勝敗に直結する場面では画質設定を下げて元のfpsを稼ぐ方が向きます。使う場合もReflexなどの遅延低減機能を併用してください。
- 古いグラボでもフレーム生成は使えますか?
-
世代によって分かれます。NVIDIAの公式対応表では、フレーム生成はRTX 40シリーズ以降、マルチフレーム生成はRTX 50シリーズのみが対象です。
AMDはFSR3のフレーム生成をRX 5000シリーズ以降としており、対応の幅は広めです(いずれも2026年9月2日確認)。ゲーム側の対応やドライバーでも変わるため、最新の公式情報も確認してください。









